昭和27年11月6日、広島高等裁判所におけるパール博士の講演内容
「私は1928年(昭和3年)から45年(昭和20年)までの18年の歴史を2年8カ月かかって調べた。各方面の貴重な資料を集めて研究した。この中にはおそらく日本人の知らなかった問題もある。それを私は判決文の中に綴った。この私の歴史を読めば、欧米こそ憎むべきアジア侵略の張本人であることがわかるはずだ。しかるに日本の多くの知識人は、ほとんどそれを読んでいない。そして自分らの子弟に『日本は犯罪を犯したのだ』『日本は侵略の暴挙をあえてしたのだ』と教えている。満州事変から大東亜戦争にいたる事実の歴史を、どうか私の判決文を通して充分研究していただきたい。日本の子弟がゆがめられた罪悪感を背負って卑屈・頽廃に流されてゆくのを、私は見過ごして平然たるわけにはゆかない。誤った彼らの戦時宣伝の偽瞞を払拭せよ。偽られた歴史は書きかえられねばならぬ。」