「・・・もともと芸術家とは、みな霊的なものに導かれた職人なのだ。本人が何年もの歳月を模索し、犠牲にすることによって、高度な表現を会得するのではない。犠牲的な過去は、すでに本人の中に潜んでいるものであり、技芸はすでに受け継がれている。その指が、死者の導きにより、飛ぶ鳥、山々の霞、朝や夕暮れの色、小枝や春に咲き乱れる花々を描いてゆくのだ。何世代もの有能な職人たちから受け継がれた熟練が、今ここに一人の芸術家の傑作の中へと甦るのである。最初のうち意識していた努力は、数世紀後には無意識となり、現存の作家にはほとんど反射的といえるような、直観の芸術となるのである・・・」(「日本の面影」ラフカデオ・ハーン)
これを読んで思わず「アカシックレコード」とか「集合的無意識」ということを思い出しました。芸術家にかぎらず我々一人ひとりはそれぞれの人生を通じて宇宙から何かを受け取りまた宇宙に書き込んでいるのだということを思いました。責任重大です。ましてや僧侶は。