憎い人の幸せを祈ると必ず相手が変わること・・3
昨日は不瞋恚戒の怒らないという消極的側面を書きました。しかし以下のような積極的側面を不瞋恚戒は持っています。
・法華経には常不軽菩薩という方が出てきます。この方は出会う人すべてを礼拝しました。
宮沢賢治に「不軽菩薩」という作品があります。
「あらめの衣身にまとひ
城より城をへめぐりつ
上慢四衆の人ごとに
菩薩は礼をなしたまふ
(われは不軽ぞかれは慢
こは無明なりしかもあれ
いましも展く法性と
菩薩は礼をなし給ふ)
われ汝等を尊敬す
敢て軽賤なさざるは
汝等作仏せん故と
菩薩は礼をなし給ふ
(こゝにわれなくかれもなし
たゞ一乗の法界ぞ
法界をこそ拝すれと
菩薩は礼をなし給ふ)」
もとの妙法蓮華経常不軽菩薩品第二十です「過去に仏いましき。威音王と号けたてまつる。神智無量にして。一切を将導したもう。天人龍神の。共に供養する所なり。是の仏の滅後。法尽きなんと欲せし時。一人の菩薩あり。常不軽と名く。時に諸の四衆。法に計著せり。不軽菩薩。其の所に往き到って。而も之に語って言わく。我汝を軽しめず。汝等道を行じて。皆当に作仏すべしと。諸人聞き已って。軽毀罵詈せしに。不軽菩薩能く之を忍受しき。其の罪畢え已って。命終の時に臨んで。此の経を聞くことを得て。六根清浄なり。神通力の故に。寿命を増益して。復諸人の為に。広く是の経を説く。諸の著法の衆。皆菩薩の。教化し成就して。仏道に住せしむることを蒙る。不軽命終して。無数の仏に値いたてまつる。是の経を説くが故に。無量の福を得。漸く功徳を具して。疾く仏道を成ず。彼の時の不軽は。則ち我が身是れなり。」
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