福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

光明真言袖鑑その9

2014-05-14 | 法話
これみづから真言を
となふるにもあらず、しかも大重罪の人なれども法力の勝たる
功徳にて我知らず極楽に往生すること、誠に他力の中の大他力
なり、大日如来の本願力仰になほ余りあり。されば明恵上人は
かゝるふしぎの利益をおもへばたとひ百千両の金を積ともなほ
土砂一粒のあたひにもたらず、若これを得たらん人は如意宝珠
を得たるがことくすべしとの玉へり。今現に土砂をかけて死骸
のやはらかになるは、五智如来の光明にてらされて重罪を滅す
る証拠なれども世間の人これをしらず、すでに重罪の人の死骸
にかけたるばかりにさへ罪を滅して浄土に往生す、いはんや存
生の内より守として身に添へ真言念仏をつとめん人なんぞ現当
の大利益をこうむらざらんや、みな人不祥災難病苦は過去の罪
業なれば心ある人々苦しき時は加持土砂を水にいれ、光明真言
を一心に唱へてのめば重罪を消滅し諸願成就すべし、また死人
に用るばかりを知て現世の急用利益を知らざる人多し愚なるこ
となり、凡そ八万の仏教はこれ真言の廿三字に縮り、この真言は
又〔アビラウンキヤン〕の五字に縮り、〔アビラウンキヤン〕の五字は唯〔ア〕字の一字
に縮まれり、これこの字は大日如来の一字の真言にて一切諸
教の命根、されば弥陀釈迦等の一切諸仏もみなこの阿字を悟て
成仏し玉ふと説玉へり、されば常途の仏法に至極とする所の真
如実相の妙理さへ、なをこの阿字より生ずと説けり。
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