福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は大師が徳一に「秘密の法門」を書写することの協力を求められた日

2019-04-05 | 法話
今日(弘仁6年4月5日)は大師が徳一に「秘密の法門」を書写することの協力を求められた日です。
高野雑筆集に
「陸州徳一宛
摩騰(中国に仏教を伝えたとされる迦葉摩騰)遊バズンバ振旦久シク聾シ、康会(呉の時代にインドからきて仏教を広めた康僧会)至ラズンバ呉人長ク瞽ナラン。
聞クナラク、徳一菩薩ハ戒珠氷玉ノ如ク、智海泓澄タリ。
斗藪シテ京ヲ離レ、錫ヲ振ヒテ東ニ往ク。
始メテ法幢ヲ建テテ、衆生ノ耳目ヲ開示シ、大ヒニ法螺ヲ吹イテ、万類ノ仏種ヲ発揮ス。
咨、伽梵(仏陀)ノ慈月水在レバ影ヲ現ス、薩埵ノ同事何レノ趣ニカ到ラザラン。珍重、珍重。
空海大唐ニ入リテ学習スル所ノ秘蔵ノ法門、其ノ本未ダ多カラズ広ク流伝スルコト能ハズ、
衆縁ノ力ニ乗ジテ書写シ弘揚セント思ヒ欲フ。
所以ニ弟子康守ヲ差シテ彼ノ境ニ馳セ向ワシム。
伏シテ乞フ、彼ノ弘道ヲ顧ミテ助ケテ少願ヲ遂ゲシメバ、幸甚、幸甚。委曲別ニ載ス。
嗟、雲樹長遠ナリ。誰カ企望ニ堪エン。時ニ風雲ニ因リテ金玉ヲ恵ミ及バセン。
謹ンデ状ヲ奉ル。不宣。   沙門空海 状ヲ上ル。
         四月五日
      陸州徳一菩薩 法前 謹空(語尾を空白にして尊敬をあらわす)
       名香一裹、物ハ軽ケレド誠ハ重シ。撿至ラバ幸ト為セ。 重空(謹空を重ねる)」
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