福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地震被災の方々への祈り

2011-03-11 | 法話
理不尽な地震がありました。多くの方が深刻な被災をされ本当にやりきれない思いです。それにつけてもいつもこういう災害のときは被災者と生き残ったものとの関係につきやりきれない思いをします。被災された方々は単に運が悪かっただけなのでしょうか。とてもそんなことでは納得できません。
いつも思うのですがひどい不条理な目にあっている方々は「代受苦の菩薩様」なのだと考えねばやり切れません。代受苦の思想は瑜伽師地論 や華厳経等多くの経典に出てきます。
聖徳太子は倒れている異人に衣をかけてやると達磨禅師だったとか、光明皇后がらい病者の膿を吸ってやると阿閦如来となって天に昇ったとかの伝説があります。
鎌倉時代、叡尊・忍性は光明皇后の伝統を引き継ぎ悲田院・敬田院を再興し弱者救済に励みますがこの背後には不条理な目にあっている人々は文殊菩薩、地蔵菩薩、観世音菩薩であるという信仰がありました。まさにおおくの経典にとかれているとおりです。

今回の地震で筆舌に尽くしがたい不条理な目にあった方々はまさに、われわれ凡夫の積み重なる悪業の報いを代わって引き受けてくださったのです。どんなに感謝してもしきれるものではありません。

そして之に関して「大智度論巻」ではまさにわれわれ凡愚の衆生を覚醒するために地震が起こるとあります。
大智度論巻弟八です、
「問曰。佛何以故に三千大千世界を震動させたまふや。
答曰。衆生をして一切皆空無常なることを知らしめんと欲するが故に。諸人あり、言く、大地及日月須彌大海是皆有常なりと。是以て世尊は六種に地を動かして此の因縁を示し、無常なることを知らしめ給ふ。。
・・・
復次に・・衆生の福徳微薄にして一切磨滅し、皆歸無常に帰することを知らしめたまふ。
今以是三千大千世界、雜惡の衆生其心麁にして善事あることなし。是故に世尊は此の大地を動かし、皆柔軟心にして利益を得さしめたまふ。・・・」

今夜は必死に拝みました。何度でもおがみます。今できることは祈ることだけですが、明日からはできることはなんでもやろうと決心しています・・・。
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