「最後の忠臣蔵」、久々に邦画で当たりを引いた。
そもそも「忠臣蔵」という不条理なあだ討ち話はあまり好きでは無いが、この話は後日談との触れ込みで見てみた。
そしたら驚いたことに大変な名作。
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10年以上前に立川談志が、「講談」が語るのは、赤穂浪士四十七士。落語が語るのは四十七士に成れなかった赤穂の平凡な人々(藩士)、と言ったのを思い出す。
役所浩二がぴたりとハマッて、可音を演じる若手女優がすばらしい、そしてこの二人が 「父と娘」とも「主従」とも「男と女」とも取れる微妙な関係を見事に演じて、落語の人情話の様な終りとなる。
またこの作品は日本映画的な「はっ」とする画像の美しさがあり、昨今のCG氾濫映画の多い中では特筆すべき美しさ。
わけても着物が小道具として効果的に使用されている。
わけても着物が小道具として効果的に使用されている。
人形浄瑠璃がところどころに暗示的に挿入されて勝手に先入観を持ってしまうのがちょっと気にいらないし、突っ込みどころもいろいろとあるが、全体として良く仕上がっていたと思う。
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ともかくこんな邦画なら金払っても良いと思うし、日本の映画はこういう作風に金を掛けるべき。