権助の冒険

ノンセクションでぼちぼちと。

映画「血と砂」

2015-08-20 18:14:25 | 映画

監督が岡本喜八さんということもあって本日は池袋の新文芸座に出向いて、「血と砂」を鑑賞。
 いやもうこの映画は何とすばらしいことか!(感激して目頭が熱くなった!)
先日は「日本のいちばん長い日」で喜八映画を堪能したが、これも劣らず素晴らしい、まぁこちらの方は虚構としての”素晴らしさ”であるが。
北支戦線を「聖者の行進」を演奏しながら行進する若き軍楽隊、もうこれだけでも十分に痺れるアイデアであるが、戦争と音楽を旨くかみ合わせて、三船敏郎さんの恰好良い颯爽とした曹長や常連の佐藤充さんらも絡ませて最高の娯楽と戦争風刺を実現している。
この監督さんは「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」なんかでも娯楽と軍隊風刺を旨いこと映画にしている。
これを映画館で堪能出来たことは誠幸せの一言に尽きる。 

この映画、富士の裾野辺りのロケなんで造りが少しチープ、でもモノクロ画面が旨くごまかしてくれている。喜八映画の北支を舞台にする戦争映画はどうも「富士の裾野」が好きな様である。 セットも「独立愚連隊」に良く似ていた。(様な気がする)
印象的なセリフとして、伊藤雄之助演じる持田一等兵が銃殺された若い士官を葬る時にもらす言葉「靖国には行くんじゃないよ、他の神様にいじめられるから」。(このセリフがこの映画の反戦思想を物語っている)

なおもう一本(併映)も音楽を絡めた戦争映画「戦場にながれる歌
団伊玖磨の原作「陸軍軍楽隊始末記」を元にしたなかなかの名画なんだけれども、総天然色のためにチープな造りが目立って少々興ざめ。
でも最後に日本軍(捕虜)と米の軍楽隊が「蛍の光」演奏するシーンは感動的だった。 

「血と砂」予告編
 

コメント
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