久々に映画館で二本を見る。
ともに地味ながら楽しめた二本だったと思うが映画館ならでは、TV放送では絶対に視聴率は稼げない内容。
「ベロニカとの記憶」
ロンドンで中古カメラ店を営みながら平穏な年金生活を送っていたトニー。ある日、法律事務所から一通の手紙が届く。そこには、初恋の女性ベロニカの母親セーラが亡くなり、一冊の日記が彼に遺贈されたと記されていた。しかしその日記は、トニーの学生時代の親友エイドリアンのものだった。彼はトニーと別れたベロニカと交際し、やがて自ら命を絶ってしまった。そんなエイドリアンの日記をがなぜセーラが持っていたのか。しかも今はベロニカのもとにあり、トニーへの引き渡しを拒んでいるという。思いがけず過去の記憶と向き合い、日記を読まなければとの思いを募らせ、ベロニカとの再会を決意するトニーだったが…。
過去を探るミステリドラマながら、家族愛も描いているし観終わってほんのりとした気分になれた。
知らない役者達が演じる見ごたえのある映画といった感じ。
「婚約者の友人」
戦後間もない1919年のドイツ。戦争で婚約者のフランツを亡くし、悲しみから立ち直れずにいるアンナはある日、フランツの墓の前で泣いている見知らぬ男性と出会う。アドリアンと名乗るその青年は、フランツと戦前のパリで知り合ったと明かす。フランツとの思い出話を聞き、2人の友情に心癒されていくアンナ。最初は敵国の人間と抵抗感を抱いていたフランツの両親も、アドリアンの人柄に触れるうち、いつしかこの息子の友人を温かく受け入れていくのだったが…。
時代背景が第一次世界大戦後のドイツでナチスの隆盛を予感させる雰囲気があり、この先どうなるのか予想もつかない内容。
そしてヒロインにさんざん感情移入させときながら皮肉なラストは少し不満、他人事ながらヒロインのその後が心配になる。(ハリウッド映画はこの点は安心)
なおこの映画は色の使い方が秀逸で、「オズの魔法使い」「天国と地獄」を彷彿させた。
どちらも映画館で縛り付けられなければ多分最後まで見ないと思う、その位地味な映画だった。
婚約者の友人 - 映画予告編