あらためて観たらこれが面白い。
これを映画館で観た記憶は無いからTVの洋画劇場でかも知れない、原作は読んでかなり面白かった記憶がある。
公開当時はジョニー・フォンティーンのモデルはフランク・シナトラとの説もあった。
さて、この「ゴッドファーザー」は何が良いって、アル・パチーノ、世間知らずの正義感の強い純真な青年から父親の後を相続して偉大なドンになるまでの変化が凄い。
日本の役者なんか違う映画に出ても同じ人格のままなんてのが多いから、一本の映画の中でこれほど見事に化けるというのは監督と役者の力量の差なんだろう。
それとトム・ヘイゲン役のロバート・デュバルも良かった。
<内容>
夏の陽射しが眩しいコルレオーネの屋敷。そこで行われている彼の娘コニーの結婚式からこの物語の幕は上がる。
華やかな音楽も届かない書斎では、ブラインドが降ろされ、その中でドン・ビトー・コルレオーネが友人たちの頼みごとを聞いていた。彼は相手が貧しく微力であっても助けを求めてくれば、親身になってどんな問題でも解決してやっていた。彼への報酬と言えば、ささやかな友情の証と、“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という尊称だけ。
そしていつなりとも彼の呼び出しに応じ、恩を返せばよかった。これが彼らの世界であり、その掟であった。
そんなある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォが仕事の話を持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくコルレオーネのコネを必要とした判断からだった。しかしドンはその話を丁重に断る。彼はドンさえ殺せばこの取り引きは成功すると鋭く見てとり、その日以来機会を狙っていた。
そして早い冬の夕暮れ、一族の経営しているオリーブ・オイル社から出てきたドンは、街頭でソロッツォの手下に襲われた。
銃弾を何発もうけたが、強靱な彼は一命をとりとめる。これは、ドンが築いてきた強大なコルレオーネ帝国とその支配力に対する初めての挑戦だった。
ソロッツォの背後にはタッタリア・ファミリーがあり、すでにニューヨークの他のファミリーも動きだした。
今でも色あせない、親子愛を描いた立派なファミリードラマであり、ギャングドラマであり、アクション映画であり、友情物語であり、立身出世物語であり、といろんな要素がテンコ盛りでわが国のやくざ映画とは明らかに一線を画す。
「PARTⅡ」
今度は若きビトー役にロバート・デ・ニーロを配して、アル・パチーノ演じるマイケルが一段と凄みを増す。
なにしろ実の兄フレッドをも殺す、この実の兄の頼りなさ加減とかお人好し振りもまた良い。
(このフレッド役の役者は「狼たちの午後」でアル・パチーノと共演)
続けて観ると一作目に比較して少しドタバタし過ぎ感はあるが、時代をさかのぼった若きビトー・コルリオーネの活躍を挟んだ編集は見事だし物語に面白さを一味加えている。