「日本沈没」(1972年公開)、あらためて観たら結構な傑作映画だった。
きっちりとした人間ドラマであり、あらためて「日本」とは何かという結構壮大なテーマを扱って、見事に纏めている。
この映画公開当時は未だ邦画界も活力があって、この映画も脚本:橋本忍、監督:森谷司郎、と錚錚たるもの。
確かこの映画は帰省途中の地方都市の映画館で並んで入館した覚えがある、そして小松左京のファンでもあったので原作も面白く読んだ。
ただ小松左京は短編・中編にキラッと光るのが多くて、大作ではあまり印象に残るのが無い。(「首都消滅」なんかも凡作だと思う)
〔内容〕
潜水艇の操縦者・小野寺と物理学者の田所博士らは海底調査の結果、日本海溝の異変を検知する。やがて、各地の休火山が噴火し始めたことから、博士たちは政府と共に、国民を最終的に国外へ脱出させる“D計画”を始動し、さらなる海底調査を敢行。その結果、日本列島は遅かれ早かれ海底に沈む、という恐るべき推測に到達するのだった。
そして、いよいよ大地震も発生したことにより二次災害が人々を襲い、日本中がパニック状態に陥っていく。D計画の速やかな遂行が迫られ、国民を海外へ避難させ始める中、小野寺も恋人の玲子と共に脱出を決意。その間にも、日本列島は頻発する火山噴火と地震に見舞われ、ついに水没し始めるのだが…。
特技監督は”円谷英二”では無く弟子の中野昭慶、やはりチャチでも実写はCGに優る、邦画のCGはアニメみたいな品質なんでどうも好きになれない。
TV放映直後か放映中かツィッターのタグ”#日本沈没”がトレンド入りしていて、映画の内容とは無関係に「アベガ―」陣営と「アベサマ」陣営でチャンチャンやりあったりとか、なかなか賑やかだった。
この映画のソーリ(丹波哲郎)は国民思いで危機管理と滅私奉公がちゃんと出来る普通の政治家として描かれていて、現下の状況と為政者(実は真逆)を重ね合わせて呟いていた人とそれに噛みついた応援団という構図みたい。
これもリメークされたみたいだけど、時間の無駄だろうと思うので観ない。
日本沈没 予告篇