ともかく大作。
これは大昔に地元の映画館で観た記憶がある、その当時の動機は「ノアの洪水」のスペクタクル・シーンと「アダムとイブ」のエピソード。
あらためて見ると、この時代(1960年代)にしては見事な特撮で映画自体も良くできていると思う。
そもそも旧約聖書の物語は全知全能の唯一絶対の神なる存在が失敗を繰り返すもので、突っ込み所が満載。
いちいち俎上に載せるのも面倒なので、それについては棚上げ。
いろいろなエピソードがそれぞれに楽しめるが、
・「アダムとイブ」:見えそうで見えない画面造りに関心した。
・「カインとアベル」:リチャード・ハリスには気が付かなった。この話が一番の矛盾を感じる。
・「ノアの箱舟」:熱帯から寒帯までのあらゆる動物が見事な画面合成で違和感なし、ジョン・ヒューストンの見事な役者ぶりにも感心。
・「バベルの塔」:特撮が見事、ビューゲルの絵画を見事に動画化したようで、CGを使わずにどのように造りこんだかか不思議。
・「アブラハム」:この話はそもそも世界宗教の祖の話なので最も時間を割いている様で、ジョージ・C・スコット、エバ・ガードナー、ピータ・オトュールとかの名優たちが一杯でそれだけでも見どころ満載。
しかしこの神様は本当に底意地が悪い、猜疑心が強くて自己中心的、まるで人間の本姓みたいなところがある、「アブラハム」のエピソードで最もそれを感じる。
余談だが「ノア 約束の船」に比べれば約50年前に制作された本作の方がよほどに見ごたえがある。
宗教素材の映画と言うのはいろいろとあるがどれもそれなりに面白い。
もしストラヴィンスキーだったら???
音楽は重厚でしたがハリウッド風でないで
す。