野田首相は逃げずに、普天間基地県内移設に取り組め!
21日午後(日本時間22日未明)、ニューヨーク国連本部で野田佳彦新首相と、オバマ米大統領との間で初めての日米首脳会談が開催されました。
日米首脳会談はたった35分間で終わり、内容は儀礼的挨拶を除けば、米側からの厳しい要求が並びました。
その中で、沖縄の米軍普天間問題や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加問題など重要な問題が話し合われました。
特に普天間飛行場移設問題について、オバマ米大統領は野田首相に対し、「結果を求める時期に近づいている」と強く迫っています。これは事実上の「最後通牒」だと言えます。
民主党政権は発足後2年以上に渡って、日米間に横たわる重要な外交問題を先送りにしてし来たために、米国からの不信感が高まっています。
特に、民主党政権発足後、鳩山元首相が、それまでの日米政府で合意を得ていた普天間基地の辺野古移設の方針を撤回。普天間基地については「最低でも県外移設」を訴え、米国の信用を失いました。続く姑息な菅前首相は「先送り」することによって責任逃れを図りました。
野田首相は、就任直後から日米同盟を重視する姿勢を強調していますが、米国では民主党政権下での「普天間問題」の迷走から、民主党政権に対して、強い不満と不信感が渦巻いています。
訪米した玄葉外相が19日、クリントン米国務長官と会談し、普天間基地を辺野古に移設するとする日米合意履行を再確認した直後に、沖縄知事の仲井真氏が訪米し、米上院議員と会談したり、ジョージ・ワシントン大学で講演し、「普天間基地の県外移設」を要求しました。
正常な国家であれば、首相や外相が訪米中に、一知事も訪米して、政府首脳と正反対のことを主張するなどあり得ません。仲井真氏は、あたかも沖縄は日本政府から独立した「国家」であるといったメッセージを世界に発信しました。まさに中国の思惑通り行動しています。
米国では、野田首相について「本当に信用できるのか」「沖縄を説得できるのか」「また短命政権で終わってしまうのではないか」といった疑念も起こっています。
実際、普天間問題について「実際に行動できなければ過去の政権と同じだ」(オバマ政権元高官)と、「言葉だけでなく、行動で示せ」といった厳しい声も上がっています。
オバマ大統領は就任直後は「親中」に傾く懸念もありましたが、中国の軍事的台頭を受け、対中政策の転換が迫られています。
オバマ政権は、中国の軍事的台頭に対抗すべく、「アジア太平洋重視」路線に転換し、日米同盟をアジア政策の「コーナーストーン(礎石)」と明確に表明しています。
昨年発表した「国家安全保障戦略」では、同盟国重視を鮮明にしています。信頼できる同盟国として、アジアでは日本と韓国を特に重視する方針を打ち出しています。
その表れが、対中国、対北朝鮮を意識した米韓軍事演習の実施であり、日本での被災地支援「トモダチ作戦」でもありましょう。
日本としても、中国や北朝鮮の軍事的な力に抗して国を守っていくために、「自分の国は自分で守る」ことはもちろんですが、戦略的には、米国と同盟関係を強化していく必要があります。
果たして「八方美人で優柔不断」と言われている野田首相が、日本の防衛強化や普天間基地の辺野古移設に踏み切れるのか、甚だ疑問です。
日本の首相に求められるのは、口先だけの約束でその場をしのぐ「世渡り術」ではなく、国を守る気概とその行動力です。
今こそ、そうした「国家を守る気概」を持った政権の誕生が待ち望まれているのです。(文責・政務調査会 佐々木勝浩)
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