“ キンコンカンコ~ン♪”
「 あ、ヤベ~!
チャイムが鳴ってる!!」
俺は、時間が無いので教室に急いだ。
三人も後を追って来た。
四人とも教室に飛び込んで、椅子に座ると先生が入って来た。
“ あらっ・・・・?”
俺が、椅子に座るとクラスの何人かの視線を感じた。
“ 何か、居心地の悪い視線だな・・・。”
俺は周囲にいるクラスの連中の顔をチラチラ見ながら思った。
“ 他にも、俺が登場した夢を見た奴がいるな・・・。
これは、マズイぞ・・・。”
規律、礼をして座ったとたんに山下先生が俺に言った。
「 神谷、先生の夢に出てくるなよな。」
「 げっ!」
「 先生が、算数のテストを作っていると、お前が現れて、聞くんだよ。
『 何、作ってるの?』
『 テストだよ。』
『 じゃ、答え教えて。
これ、あげるから。』
それが、木の葉を出すんだよ。
『 だめ!』
『 それじゃ、これもあげる。』
今度は、どんぐりだ。
『 だめだよ。』
『 だったら、もういいよっ!』
それで、プッとふくれて、ぴょんって窓から飛び出して行ったんだ。
朝から、クラスの何人かが職員室の先生の所に夢の話を言いに来たぞ。
俺が話を聞いていない子でも、お前を夢で見た子がいるぞ。」
先生は、クラスの頷きを背景に言った。
「 お前って、ほんとにあちこち出てくる奴だな。」
俺は、立ち上がって両手を挙げ、体を前後に揺らせながら昆布の真似をした。
「 俺って、人気者ってか!」
これは、クラスに結構受けた。
受けたのはいいが、俺は困った。
クラスの連中の白い目から発せられる“とんでもない奴光線”は、俺の背中に突き刺さる。
“ このままでは、マズイぞ・・・。”
そして、どうすればいいか、その日は授業も聞かず対策を考えた。
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