日々の恐怖 3月24日 心霊現象(1)
社会人になって1年ぐらい経ったころに起きた心霊現象を語る。
俺は元々心霊大好き人間だった。
高校・大学時代に有り余った時間にかこつけて、心霊スポット巡りとか廃墟に突撃とか頻繁に繰り返したりしていた。
それでも社会人になり東京の会社に就職する事が決まって、きっぱりとそんな学生気分にケジメをつけて、もっと他人と気軽に共有できる趣味でも持とうと思った。
早速東京の部屋を探しに母親と一緒に、あらかじめ目星をつけていた物件を見てまわることになった。
その中でも23区内で月5万、1Kの風呂トイレ別で築10年ちょっと、更にはベランダ付のかなりの優良物件を見つけた。
他の候補もあったが、不動産会社の人も、
「 これだけいい物件は、自分も中々お目にかかったことないですね。」
と言っていた。
事故物件とかでもなさそうなんで、母親も納得してその部屋を借りることに決め、他の人にとられないうちにと契約を結んだ。
引越しも滞りなく終わり、仕事が落ち着いてきた頃から新しい趣味でも見つけようと色々な事に手を出してみた。
その中で俺は料理とカメラとギターに嵌っており、学生時代の心霊体験とかその時は既に自分の中では遥か過去の思い出となっていた。
その代わり、色んな趣味に手を出しすぎた代償として生活は本当にかつかつだった。
元々嵌った趣味のためなら金を惜しまない主義だったので、持ってたカードの限度額は常に上限ぎりぎりまで使っているような有様だった。
勿論そんなこと両親には言えなかったけれど、理由をつけては金を送ってもらったりもしていた。
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