日々の恐怖 9月20日 新宿(2)
トイレから戻り時間を見ると4時も近い。
「 じゃ、そろそろお開きにしようか・・・。」
となった。
竹ちゃんは出来上がってるし、さっきまで話してた初見さんも帰ったのか姿がない。
「 洋ちゃん(バーテンさん)、じゃあ、俺らもお勘定お願い。」
と竹さん抱えて席を立った。
お勘定やり取りの後、傘を取ろうとしたら、
「 あんたたち、ちょっと待って!
さっき吉田さんとお話してたでしょ?
塩振っちゃうから、ちょっと待ってて!」
と言って、俺とその常連の後ろ姿に向かって塩を振りだした。
「 なに、洋ちゃん?
さっきの人のこと、嫌いなの?
来てほしくないみたいな・・・?」
って、俺がニヤニヤしながら聞くと、
「 馬鹿ね~、何言ってんの。
あたしが吉田さんに、一回でもサーブしたところ見た?
あの人、生身じゃないから・・・・。」
と、ゲラゲラ笑った。
「 ちゃんと祓っとかないと、お家まで着いてっちゃうよ!」
と追撃、凍り付く俺。
「 え・・・?
さっきの人って、お化け…?」
「 そうよ、あの人がいつからいて、いつ帰ったとか、覚えてもないでしょう?」
言われてみれば、もの凄いそうだ。
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