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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 9月16日 祖母の言葉

2020-09-16 16:28:40 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 9月16日 祖母の言葉




 これは十年位前、私が高校生の時の話です。
季節は六月、地元は北海道で梅雨知らず、そんな月初め。
私の学校は、月末にある文化祭の為に色々と準備に追われていた。
 私はお祭り大好きなもんで、クラスと学年の実行委員になっていたから尚のこと忙しい。
毎日提出書類だの、なんだので夜遅くまで同じ実行委員の子達と学校の近くのファミレスで作業をしていた。
 すると夜9時くらいに母から携帯へ着信があり、何時に帰ってくるのかの確認だろうと気楽に電話を取った。
そしたら母から、同居している父方の祖母が亡くなったと言う知らせだった。
それも事故死。
その日は風が強いのに、国道をチャリで走り、ダンプカーの後輪に風に煽られ巻き込まれたそうだ。
 後に知ったが、全身十数箇所骨折、眼底破裂、脳傷。
それほどの大怪我ながら即死ではなかった。
脳死判定で、延命はしないと皆で決めたらしい。
 事故死の後の葬儀ってのは中々ややこしい上に、私も学校の忌引と、学祭準備の書類だのを一時他の子に引き継いだり忙しかった。
葬儀の準備から何からで、何だかんだ3日ぐらいまともには寝れなかったのを覚えている。
 そんなこんなで、怒涛のような日々を過ごし、悲しいとか色々思うところはあれど、目下迫ってる学祭と中間テストにそれどころじゃなく、1ヶ月があっという間に過ぎた。
 学祭も終わり、少ししたら祖母の49日。
結構な人数の親戚が家に来ての法要だった。
 お坊さんが仏壇でお教を上げている。
私はぼんやりと喪服を着た親戚の背中を見ながら、かけられている祖母の遺影を見た時、ふと、数ヶ月前の祖母の言葉を思い出した。
 ある朝、祖母が朝食の席で変な夢を見たと言う。

「 親戚が沢山家に来るの。
目の前には〇〇さんと〇〇さん夫婦がいらしたのよ。
なんなのかしらねえ・・・・・。」

 すぐに配列を確認した。
祖母の言葉通りに、その親戚が座っている。
丁度、祖母の遺影から見下ろす位置だった。
 その時私は、祖母は自分の49日の様子を夢で見ていたんだな、と理解した。
虫の知らせはとうの昔に、本人に通知されていたようだ。









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