えっ変化?優勝決定戦にブーイング
(2007年3月26日(月)06:13 スポーツニッポン)
実況中継は見ておらず、夜のNHKスポーツニュースで知ったのですが、本割で朝青龍が変化をして、優勝決定戦では今度は白鵬が変化をしたんですね。
(最初に見た民放は白鵬の本割と優勝決定戦しか映していなかったのでこれはアンフェアだと思います)
白鵬にしてみれば、横綱が本割で勝ちにこだわり変化をした以上、優勝決定戦ではよもや変化はできまいという読みもあって自ら変化したのだと思います。その意味では、白鵬の読み勝ちであり、本割の時点で自らの選択肢を狭めてまでっ勝ちに行った朝青龍の自滅ともいえると思います。
横綱審議委員が注文をつけたようですが、僕は横綱になるまではしゃにむに勝ちに行く姿勢の方が大事だと思います。
決してアンフェアなことをやっているわけではないですし、「横綱相撲」は横綱になってから求めるべきものですよね(横綱になりたての朝青龍は決して褒められた取り口ではなかったですし、古くは横綱になってからも張り手をしていた三重の海なんてのもいました)。
本来横綱審議委に文句を言われるべきは朝青龍のはずです。
実績は既に大横綱なんですから、変化されたくらいで手をついてはいけないですし、よもや本割で変化するなどと卑しい勝ち星の取り方をしてはいけないはずです。
それで思い出したのが、第二次世界大戦中のドイツ軍の88mm砲の逸話。
もともと88mm砲は高射砲でした。ところがアフリカ戦線にイギリス軍が投入した新型のマチルダ戦車は装甲が厚くドイツ軍の対戦車砲では歯が立たなかったので北アフリカ戦線を蹂躙していたのですが、ドイツ軍の名称ロンメル将軍は高射砲だった88mm砲を水平に向けて対戦車砲として使用してマチルダ戦車を壊滅させたそうです(高射砲は上空に向けて撃つので発射速度が速い、運動エネルギーは速度の二乗に比例するのでそれを戦車の装甲版を打ち破ることに使えないかという発想です。もっとも高射砲の水平射撃自体はロンメルが発案したわけではないらしいですが)。
そして捕虜になったイギリス軍将校曰く
戦車に対して高射砲を使うとは騎士道精神に反する!
これに対してドイツ軍将校は冷静に切り替えして曰く
高射砲でないと撃破できないような戦車で攻めてくる方こそ騎士道精神に反するのではないか。
今回の白鵬はそんなに責められるいわれはないと思いますが・・・