一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

小池防衛大臣

2007-08-16 | まつりごと

防衛事務次官の更迭をめぐる小池防衛大臣と塩崎官房長官の揉め事が取り上げられています。

事務次官などの任免は官房長官・副長官で構成する人事検討会議の承認事項だと思っていたので (参照) 単なる小池大臣のフライングと見ていたのですが、朝の民放ニュース番組的には小池大臣の意向を官邸が横槍を入れた風なトーンで伝えられています。

ところで各省庁の幹部の人事権については branchさんのまとめによれば以下のようになっています。

まず、原則として、各省の職員の任命権については、各大臣に属している。その根拠は一般には 国家公務員法 第55条第1項 なのだが、防衛省職員のほとんどは特別職である(同法第2条第3項第16号)ため同法の適用がなく、 自衛隊法 第31条第1項※3 がその根拠ということになる。なお、念のために述べておくが、事務次官を含めて防衛省職員のほとんどは、自衛官でなくても自衛隊員である(同法第2条第5項)。  

では、防衛大臣が任意にその権限をもって事務次官を任命できるかというと、そうではない。経緯をたどれば、橋本総理(当時)が自ら会長を務めた行政改革会議にさかのぼる。その 最終報告(平成9年12月3日)において、内閣機能の強化の観点から、内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制に対する抜本的変革の一として「各省庁の次官、局長等幹部人事については、行政各部に対する内閣の優位性を明確にするため、各大臣に任免権を残しつつ、任免につき内閣の承認を要することとする。」との文言が盛り込まれた。これを踏まえ、 中央省庁等改革基本法に「国の行政機関の事務次官、局長その他の幹部職員については、任命権者がその任免を行うに際し内閣の承認を要することとするための措置を講ずるものとする。」との規定(第13条)が設けられ、これに基づく措置として、中央省庁等改革推進本部における検討の結果、「国の行政機関の事務次官、局長その他の幹部職員の任免について、閣議決定により内閣の承認を要するものとする。」こととされ 、それは「事務次官、局長その他の幹部職員の任免に際し内閣の承認を得ることについて」(平成12年12月19日閣議決定)により具体化され、幹部職員についてはあらかじめ閣議決定により承認を得た後に任免を行うこととし、それに先立って官房長官及び 3官房副長官からなる閣議人事検討会議を開催することとなったのである。

また
「守屋氏退任」の意向変わらず 小池防衛相
(2007年08月15日14時25分 朝日新聞)
によれば  

小池防衛相は15日の閣議後の記者会見で、内閣改造まで一時凍結された守屋武昌事務次官の交代人事について「私は環境相として人事をやった経験もあり、何ら順序を間違えていない」と述べ、小池氏が防衛相を留任した場合には当初の構想通り、守屋氏を退任させる考えを示した。  

小池氏は、人事の凍結を決めた塩崎官房長官に対しては「根回しの最中に報道が出たため(塩崎氏が)不快に感じていることについて謝罪した」と明らかにした。また、省内の混乱で「士気の低下に懸念を持っている」と述べ、事態を早く収拾する考えを示した。

と、手続きは守っていること、リークしたのは自分ではないことを主張しているようです。 

しかしその後に続く 守屋氏が「自分の人事を聞いてなかった」と怒っている点について、

小池氏は「この件のみならず、携帯に夜電話しても返事が翌朝ということがよくあった。危機管理上、どうかと思う。この件も2回も電話した」と批判した。  

と説明していますが、これではほとんど痴話げんかですね。 
そもそも自分の人事について守屋次官が拒否権があるとか事前に知らせないからといて文句を言うのは妙な感じがします。
それに対して小池大臣もまた妙な説明をしていますが、人事権以前に指揮命令権はあるのですから、話があれば呼びつければいいだけですし、携帯電話に出ないことではなく「緊急連絡を取る方法が携帯電話しかない」ということのほうが危機管理上はどうかと思うのですが・・・  


内閣改造が日程に上っている今、何で就任早々の大臣が(自分が再任される保証のない)内閣改造前の次官更迭にこだわるのか、と考えると、留任を画策するためにこの時期に手続きを無視してフライングすることで人気のない現執行部との対立を演出し首を切られにくくすることを画策したのではないか、という風に勘ぐってしまいます。
そうだとしたら「内閣改造を控えているのは承知だが自らが留任しないことも考え、大臣の地位にあるうちに獅子身中の虫を退治することが防衛省のために必要と考えた」くらいの大見得を切ったほうが格好良かったと思います。

それとも、早々に留任の内示をもらっていたので先走ってしまったのでしょうか。


ニュースの取り上げ方を見ると、当初小池大臣のケンカ相手は塩崎官房長官だったようなのですが、今日の報道を見ると「守屋次官対小池大臣」という構図に変わりつつあるようですが、いずれにしても何でこの時期にこんなことが問題に?という話ではあります。


人事検討会議では何かというと「女性か民間人を登用しろ」と○○の一つ覚えのように言っているという噂の塩崎官房長官ですので、女性に振り回されることになったのも仕方ないかもしれませんが。

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白くなかった恋人

2007-08-15 | あきなひ
期限改ざん「白い恋人」姿消す…新千歳空港など
(2007年8月15日(水)13:04 読売新聞)

テレビのニュースを見ていたら、他にもアイスクリームからの大腸菌検出などを隠蔽していたそうです。

びっくりしたのが、記者会見で社長が「商工会議所などの財界活動が忙しくて社業を任せきりにして」と言いながら、その脇で改ざん・隠蔽の張本人の部長が「私がやりました」と頭を下げていたこと。
事実を認めているのであれば普通懲戒免職とかとりあえず出勤停止とかにすると思うのですが・・・

結局謝罪と弁明まで当の本人にさせるほどまかせっきりにしていた、ということがはしなくも露呈してしまいました。


ところで、ニュースでは北海道知事が「ミートホープに次いで本件が出たのが北海道の食の安全への信頼崩壊につながらないように万全を期す」というようなことを言っていたのですが、そういえば雪印も北海道の会社でした。

ここまで続くと"China Free"ならぬ"Hokkaido Free"というのがブームになるかもしれませんね。

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終戦記念日

2007-08-15 | よしなしごと
個人的にはこんなことあんなこと(エントリの導入部)があったりしたので、今日を区切って戦争について考える、というのには若干違和感があります。
(その他の親戚の話などは気が向いたらアップします。)

戦争責任とか、犠牲者論とかも、逆に一気に世界平和・戦争反対に昇華してしまう議論もいまひとつしっくりきません。


多分このしっくりこなさ加減が戦争の影響力なんでしょう。
遠くの国に行って職業軍人が圧倒的軍事力で武力制圧して治安維持しているだけでも国内で問題になるくらいですから、総力戦の敗戦の影響は尾を引いて当然だと思います。


「敗軍の将、兵を語る」といいますが、
「敗軍の兵、将を語る」とか
「敗軍の兵、兵を語る」とか(これは水木しげるさんがやられてますね)
「敗軍の民、兵を語る」とか
「敗軍の兵、民を語る」とか
「敗軍の民、民を語る」とか
多面的に考えることが大事なんだと思います。

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エスカレーターは乗り方が難しい?

2007-08-15 | 余計なひとこと

エスカレーターに穴 女性挟まれ足指切断 JR川崎駅
(2007年8月14日(火)05:16 産経新聞)

川崎市川崎区のJR川崎駅構内で12日午後9時55分ごろ、同市中原区の女性会社員(27)が、エスカレーターの破損した立て板部分に左足を挟まれ、親指を先端から1・5センチ切断し、全治約2週間のけがを負った。川崎署は業務上過失傷害の疑いで、エスカレーターを管理する川崎市などから事情を聴いている。  

調べでは、事故があったのは東西自由通路東側の上りエスカレーター。エスカレーターのアルミ製の立て板部分に縦約12センチ、横約7・5センチの穴が開いていた。女性はサンダルを履いており、気付かずに左足を穴に入れていたという。エスカレーターは女性が指を切断した後に緊急停止した。  

昨日の朝の民放のニュース番組はこれで持ちきりでした。  
ただ、直感的には、立て板部分に穴が開いていた(写真を見るとぎざぎざの部分が取れていた)だけで指が切断されるのだろうか、特にエスカレーターのステップは徐々にせりあがってくるので、よほど最初から指先を突っ込んだまま気がつかないというのでないと「切断」まではいかないような気がしました。

一方で
破損エスカレーターに挟まれ足にけが JR川崎駅
(2007年08月13日20時25分 朝日新聞)
では

女性はつめと皮膚の一部がはがれる2週間のけが。

とあります。

「先端1.5cm切断」で「全治2週間」というのは、足の指の先の部分の肉が切れただけで骨まで切断したわけではないのではないでしょうか。
1.5cmというのも「先端から奥行き」なのか「傷の断面」なのかもわかりませんね。
(傷の断面であれば、昔私は左手の親指の先端1cm弱をカッターナイフでそいでしまったことがあります)

エスカレーターが川崎市の施設だったことや、事故の連絡体制が不十分だったこともあり大きな問題になっていますが、そもそも怪我をした人に不注意はなかったのでしょうか。

もともと靴の先端が薄くて柔らかい素材だったり、パンツの裾をひきずっていたりすれば、普通のエスカレーターでも引き込まれる可能性はあります。
また、ステップの端や奥の方につま先を押し付けるようにして乗ればやはり引き込まれるリスクは高まります。

あくまで憶測なのですが、今回板が破損していたとはいえ、写真を見る限り外側に出っ張っていたわけではないので、被害者が立て板にぴったりつくくらいつま先を入れないと引き込まれないのではないかと思います。
そしてそれは一般的に危険な行為なのではないでしょうか。
少なくとも毎日何万人も利用している中でいままで事故が起きていなかったということは、使用方法に何らかの問題(または不幸な偶然?)があったのでは、と考えるのもあながち的外れでないように思います。


「足の指切断」というキーワードがあったのでセンセーショナルに報道しやすかったのかもしれませんが、市なりエスカレーター会社の落ち度を一方的に責めるのが本当に本件の評価として正確なのでしょうか。


もしそうだとすれば(最近はデザイン性を重視しているのかあまり見かけませんが)エスカレーターのステップは縁を黄色い太線で囲い、「エスカレーターは危険な乗り物です、特に黄色い戦の内側に足を置かないと非常に危険です」というような掲示をするとともにアナウンスを常に流していないといけないということになります(「ステップに巻き込まれないようにご注意ください」というアナウンスを流しているエスカレーターもありますね)。


週末買い物に行った時に、ベビーカーごと危なっかしくエスカレーターに乗っている親を見たのでそう思うのかも知れませんが、「猫を入れてはいけない」と電子レンジの注意書きに書くアメリカ流がすべてにおいて必要になるようなご時勢になったのかもしれません。


それとも、私が知らないだけで、実はエスカレーターは構造的に危険な乗り物だったのでしょうか・・・

(以下、こらえきれずに追記)

そう考えると、世の中には至るところに危険が潜んでいるのかもしれません。


これがホントの「ユビキタス」?

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お盆ネタ?

2007-08-14 | あきなひ

懐かしい会社名を目にしました。

麻布建物が更生手続き開始、負債5648億円
(2007年8月13日13:32 日本経済新聞)

旧住宅金融専門会社(住専)の大口融資先だった不動産会社、麻布建物(東京・港)が東京地裁から会社更生手続きの開始決定を受けたことが13日分かった。負債総額は5648億円(2006年5月末時点)で、信用調査会社の帝国データバンクによると負債額は今年最大となる。

バブル期に絶頂を迎え、その後不良債権の代名詞となった"AIDS"の"A"である麻布自動車グループの中核企業です。他は、I:イ・アイ・イ、D:第一不動産、S:秀和ですが、Iは早々に破産(管財人が新生銀行相手に訴訟してましたね)、Dは昨年まで生き残ったものの破産、Sはモルスタに債権を買われて傘下に、という運命を辿っています。

貸ビル業は債務超過でも借金さえ返さなければキャッシュは回っているのですが景気回復まで生き残って会社更生(裁判所のお墨付きを得て生き残った)にまでたどり着いたしぶとさには感動すら覚えます。
実質勝利宣言ともいえるのではないでしょうか(経営者が変わっていなければ、の話ですが)。
逆に傾いてしまったメインバンクの某CMTBはまだ公的資金を返し終わってないはずですが・・・


このタイミングを見計らって構成手続開始決定をおろしたのは、成仏していたはずがお盆なので浮世に戻ってきた、という裁判所のユーモアなのかもしれませんね。

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『くさいはうまい』

2007-08-13 | 乱読日記







と、いきなりインパクトのある表紙ですが、最近マスコミにもよく出ている小泉武夫東京農業大学教授のエッセイなどをまとめた本です。

世界中の発酵食品について触れられているのですが、すごいのが著者が全部それを実際に食べた経験があること。
「さすがに抵抗がありました」などといいながらも絶対に断らない姿勢は研究者として立派です。
もっとも発酵は太古からの人間の食料保存やビタミン・アミノ酸を摂取するための知恵であり、「薬食い」とも言われるように、発酵食品は身体によいことからそれぞれの文化に定着したものですから、臭いへの違和感はあるものの、理屈で言ったら身体に悪いわけではありません。基本的には人間は酵素による発酵臭と腐敗臭であるアンモニアを本能的にかぎ分けられるらしく、アンモニアを生成する唯一(?)の発酵食品である韓国南部のエイの発酵食品(強烈な刺激臭で自然と涙が出るので冠婚葬祭の時の必需品らしい)以外では間違って中毒になるということもないそうです。

とはいいながら、エスキモーがオットセイの皮につめて地面に埋め込んで丸ごと発酵させた海鳥を肛門に口をつけて中身をすする(これは北極圏では貴重な栄養源だし、相当臭いがクセになるらしい)などという話を聞くと、世の中は広いなと思わざるを得ません。
いざそういう場面になったら僕だったらどうしますかね・・・


発酵は基本は食品製造のための伝統技術であり、本書でもいかに美味しいか、美味しく食べるにはどういう料理法があるかというところにかなりのこだわりを持って触れられています。
レシピなども参考になるものがけっこうあります。


『もやしもん』の樹教授のモデルとも言われ、少なくともネタ元でもあるのでこちらをお読みの方は既にご存知の話もあるとは思います。
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東京湾大華火祭

2007-08-12 | うろうろ歩き
区制施行60周年記念 第20回東京湾大華火祭というのが今年の正式名称のようです。

主催は東京湾大華火祭実行委員会、中央区、朝日新聞社。東京都が臨海部の活性化と大江戸線の集客(むちゃくちゃ混んでました・・・)のためにやっているのかと思ったら中央区が主催なんですね。

とは言え打ち上げ場所こちらの地図の真ん中、晴海ふ頭公園のところなので、芝浦とか(相当な距離を歩いていく覚悟があるなら)レインボーブリッジなどの港区や豊洲の市場が移転するあたり(立入れないのかな?)の江東区でも見ることができます。


今回は勝どきの某所の屋上という比較的いい場所で楽しむことが出来ました。





(デジカメはシャッターが下りるまでのタイムラグがあるのでなかなかうまく撮れませんでした。今ごろになって「連写モード」があったななどと気がついている次第(汗))


やはり花火は屋外で音をずしんと身体に感じるのが醍醐味ですね。
途中風が凪いでしまったので煙がとどまってしまい、低いところは見えなくなったりするのもご愛嬌です。

ビール飲みたさに車を使わず大混雑の大江戸線にゆられて来た甲斐がありました。




PS
現地からの景色はこんな感じです(ピンボケ気味なので小さめ)。


この写真のように仕掛け花火は上の部分しか見えないのですが、打ち上げ花火はさえぎるものなく間近に見られました。(何だかバグダッド空爆の画像みたいになってしまいましたが・・・)

花火が連発になると音が高層マンション群(近くに58階建て2棟なんてのも建設中でした)にこだまして、都心の花火大会を実感します。


PS2
ところでこういう自治体がやる花火大会の花火師って競争入札なのか随意契約なんだろうかという疑問がふと浮かんだのですが、そんなこと花火を楽しんでいる最中にを言うと大顰蹙を買いそうだったので黙ってました。
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サブプライム問題とCDS市場

2007-08-11 | あきなひ

サブプライム問題、世界的な信用収縮懸念に発展(ロイター)

引き金を引いた風なのがこれ。 

仏BNPパリバ、サブプライム問題で3ファンドを凍結
(2007年 08月 9日 19:16 ロイター )  

[パリ 9日 ロイター] フランスの大手銀行BNPパリバ(BNPP.PA: 株価, 企業情報, レポート)は、計16億ユーロ(22億ドル)相当の3つのファンドについて、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)市場の混乱を理由に価格算出、募集、解約・返金の業務を一時停止した。
  (中略)  
BNPパリバは声明で「米国の証券化市場の一部で流動性が完全に消失したため、質や信用格付けにかかわらず、一部資産の価格の算出が不可能になった」と説明。「投資家の利益を守り、公平な取り扱いを保証するため、このような異例の局面において、当社は一時的に純資産価値の算出や、募集および償還を停止することを決めた」としている。
  (中略)  
ユーロ圏政府債先物は上昇。欧州クレジット市場では、序盤に縮小していたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプレミアムが再び拡大している。

マーケットの価格形成機能が機能していれば逆に儲けるチャンスでもあるので自律的に落ち着くのかもしれませんが、自分で資産価値の算出を止めてしまう、というのは金融機関としてどうなんでしょうか。

流動性が消失、というとロシアの財政危機とLTCMの破綻を想起させますね。


「一部資産の価格の算出が不可能になった」ということですが、価格算出が不可能になりうるようなリスク資産を入れている(またはそいう影響度が把握できない商品がポートフォリオに入っている)ということは商品設計上どのように考えられていたのでしょうか。
商品を作った方は細かくいろいろ説明資料は残し格付けも取っているでしょうから金融機関同士の取引だとすれば騙された買った方が悪い、ということなのでしょう。

まあ、運用する側も指標よりもパフォーマンスが悪くなければ堂々としていられるわけで、金融機関も自分でポジションを取っていない限りは「みんなで下がれば怖くない」という世界なのかもしれません。

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教育勅語

2007-08-10 | よしなしごと

今月号の文芸春秋で、内田樹木先生が「昭和人よ―吉本隆明、江藤淳、鉄腕アトムへ」という寄稿をされていました。

雑誌が手元にないのでうろ覚えなのですが、そこでいう「昭和人」とは昭和の時代を作った人々--「明治の人物」が明治生まれでないのと同様に--単に昭和生まれでなく大正から昭和初年生まれの人々を指しています。
そして昭和人の特徴として(明治人と同様)価値観の断絶のあとに新しい時代を迎えたこと、さらにその断絶を自らの内に抱えたこと、を「昭和人」の定義としています。それは戦後の、論壇でいえば「進歩派知識人」であり、昭和を平板なものにして最後は終焉させてしまった(私も含めた)昭和生まれ(戦後生まれ)と一線を画した人々としてスポットライトをあてています。

ちょいとずれると「平和ボケ」論にもなりかねませんが、内に絶望を抱えた上でなお生きるという選択をするという(内田先生の研究テーマである)レヴィナス的な(なんていうと数冊読んだだけでわかったようなこと言うな、と言われそうですが)視点はいろんな局面で生きるものだな、という論文でした。

(突っ込まれる前に自分で突っ込んどきます)
 


そこで初めて知ったのが、内田樹先生の「樹」(たつる)という名前は教育勅語から由来しているということ。
改めてみてみると、冒頭の

朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ

というところにあります。


ところで教育勅語といえば(って、今までの前振りが長すぎてすみません)、戦時中は学校の式典には必ず校長が朗読をし、各学校には天皇陛下のご真影が飾られ、学校が火事になってご真影を焼失した校長が自殺したりというような世界だったとききます。

ところが、日中戦争時に東北大学の総長だった本多光太郎氏は式典の際の教育勅語の朗読のときに、必ずどこかで読み間違いをしたそうです。
しかし本多光太郎氏は「鉄の神様」と呼ばれ、冶金学や永久磁石鋼の開発などで世界的権威であった(日本が戦争をしていなければノーベル賞を受賞していたかもしれない、というくらいだったとか)ため(参照)、普通の小中学校の校長ならそれだけで更迭ものなのですが、文部省も何も言えず、そのため当時の東北大の式典は妙な期待をする学生がいっぱい集まっていたとか。

ある日、学生の期待もむなしく、本多総長は初めて最後まで正しく教育勅語を朗読されました。
学生たちがは皆落胆のため息をもらしたのですが、本多総長は最後の最後に

明治二十三年十月三十日
御名御璽

のところで、日付を間違えたそうです。


さすが「神様」だけのことはあります・・・


最近教育勅語を再評価しようという動きもあるようです。
でも改めてみると内容的にも「なるほど」という部分は結構少なくいように思いますし、一般的に妥当する部分(学問とか公徳心の大切さなど)は別に教育勅語でなくても、とは思います。

なにより問題なのは、上のエピソードにもあるように、「守らせるべき倫理規定」というものを作った瞬間に守らせる立場の人間が高圧的になり、しかもその高圧さは、より上位のものには弱いという程度の「長いものには巻かれろ」「弱いものいじめ」的なものでしかないところです。
そういう小役人的、大政翼賛会的な姿勢って「朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ」の対極にあるんじゃないでしょうか。
教育勅語自体を権威のよりどころにしてしまったことで、その内容の実現とは程遠い結果になってしまったわけです。(もし天皇陛下自身が読み間違った場合には退位すべし、というくらいの腹の座った主張であれば、(間違っているとは思いますが)ある意味尊敬はしますが。)

百歩譲って、(「皇祖皇宗」じゃない部分の)内容や含意を広めること自体はありだと思うのですが、形(方法論)としては「教育勅語」というのはナンセンスだと思います。


終戦記念日近いこの時期に、もう一度読んでみるのもいいかと思います。

<参考>

教育ニ関スル勅語

朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ
我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我ガ國軆ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス
爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ
博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ
進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重ジ國法ニ遵ヒ
一旦緩急アレハ義勇公ニ奉ジ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ
是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラズ又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ挙挙服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

明治二十三年十月三十日
御名御璽

 

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『プラダを着た悪魔』

2007-08-09 | キネマ
※ネタバレ注意

メリル・ストリープは何をやらせても巧いな、という小品です。
ファッション業界の華やかさがモチーフになっているので、そのへんが映画としての見どころでもあるのですが、ジャーナリストを目指す主人公の女性の自分探し(死語?)の話です。

誰もが憧れるファッション誌の編集部に特に興味もなく就職することにいなったジャーナリスト志望の主人公が、メリル・ストリープ演じる編集長の厳しい要求に応えて信頼を勝ち取った一方で私生活が崩壊し・・・そして最後は自分に目覚める、といってしまえばそれだけなんですが、華やかな業界の内情とテンポが速くかつ安心して見られる展開なので結構楽しめます。
(僕自身ファッションに大した興味もなく、主人公の着任当初同様「ドルチェ・アンド・ガッバーナ」のスペルがわからない-紙袋を持っている人を見て読み方がわからなかった-というレベルなので、どうも素っ気無い書き方になってしまいますね。)


でまあ、主人公は最後は鬼編集長の元から去り、ボーイフレンドとよりを戻して希望通りニューヨークの新聞社の編集部に就職します。
一方ボーフレンドはボストンのなんとかいう(有名らしい)レストランの副料理長にめでたく就職が決まります(自分のことは"sous-chef"なんて言っといて彼女の働く同じフランス生まれの"prêt-à-porter"の業界を嫌うってぇのも変な話ですが)。
そうすると遠距離恋愛になっちゃうし、新聞の編集部も残業とか不規則な仕事でそうし、根本の問題は何も解決していないんですよね。

私生活との葛藤を抱えながら仕事をしていくというのは、結局鬼編集長の人生と同じなわけで、これがキャリアウーマン(死後?)の永遠の課題、というのが見かけハッピーエンドの裏の含意なのかもしれませんし、何で女性だけが仕事と私生活の両立を厳しく求められなきゃいけないんだ、というあたりはフェミニストからの突っ込まれ所かもしれません。









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勝沼醸造のワイン

2007-08-08 | 飲んだり食べたり
最近は高層ビルやマンションが立ち並び、駅前再開発でヨドバシカメラの巨艦店ができるなど、雰囲気が一新している秋葉原ですが、その中でいまだにごちゃごちゃ感の残る昭和通り口側にある葡萄屋という店に行きました。
駅出口から昭和通りを渡ってパチンコ店やコンビニの立ち並ぶごちゃごちゃしたところに、一間の間口で地下に降りていく階段がぽつんとあります。
中に入るととても落ち着いた雰囲気なのですが、なかなか表を歩いているだけでは見つけられなさそうです。

「和食とワインの店」というコンセプト。
ワインの品揃えもリーズナブルなものから高級ものまで幅広くあります。

食事は和食が基本ですが、チーズをつかったり洋食風なアレンジをした皿もあります。
たまに実験的メニューろ思しきものがありましたが、これもご愛嬌かと。

最初に頼んだのが鯛の塩辛とあわびうに(鮑と雲丹の和えた物)。これに合うお勧めを尋ねたら



勝沼醸造のARUGA BRANCA CLAREZA DISTINCTAMENTE(限りなく透明なアルガの白、という意味。詳細は
こちら)が一押しとか。

日本のワインは全体的に割高なうえに味が細い、という先入観があったのですが、これは甘すぎず軽すぎず、豊かな果実味と和食のアミノ酸を包み込むような奥深い味わいがあります。日本固有の品種「甲州」にこだわり世界に通じるワインを造りたいという意気込みが結実しています。しかも値段もお手ごろです。
新たな発見でした。


やはりその土地の食べ物にはその土地のお酒が合いますね。
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『まっとうな経済学』

2007-08-07 | 乱読日記
<8/8追記あり>

『やばい経済学』の後にでて一時期話題になった本書でしたが、積読のままやっと読みました。

タイトル的には二番煎じは否めないのですが、内容は本当にまっとうな本でした。
原題は"The Undercover Economist"(覆面経済学者)とあるように、身近な題材から価格決定のメカニズムをわかりやすく説明してくれます。
さらに『やばい・・・』よりも話題が企業のマーケティングから途上国問題まで幅広く取り上げています。

消費者の価格に関する鈍感さを利用したマーケティング、アフリカ諸国にHIV治療薬を先進国の数十分の一で供給することの合理性、農産物への関税が結局誰の利益にもならないこと、低賃金労働者が過酷な労働条件で働く途上国の「搾取工場」も他の選択肢がよりひどいものである中では合理的なものであることなどが語られています。

世界銀行のエコノミストの経験もある著者は、途上国の経済成長には経済の自由化と自由貿易が重要であると語っています。
ただ長期的には自由市場が機能するという立場は「今、ここにある貧困」をどうするかという問題意識を持っている人には冷たく感じられるかもしれません。

その点では、先進国の援助や融資が有効に機能しないというこの2冊とも通じる部分はあります。

多分、今の苦労を耐えることで将来が開けるという確信があれば人々は過酷な労働条件に耐えて経済発展を実現するのでしょうが(たとえば戦後の日本とか改革開放路線後の中国とかですね)、そうでない絶望的な貧困に対してどうすべきか、という問題は未だに残ります。


その昔ケインズは、価格メカニズムは長期的には完全雇用水準を回復させるという古典派の議論に対して、「長期的にはわれわれは皆死んでいる」という名言を残しました。
経済学者としても長期的な成長に至るまでの有効な処方箋がまだ書けていない(少なくとも今の処方箋はあまり有効でないと上の2冊はいっています)なかでけっこうあっけらかんと書かれているところが(本書のコンセプトと紙幅の制限で仕方ないのでしょうけど)読後感としてすっきりしないのですが、それは著者でなく読者も問題意識を持つ必要がある、ということなんだと思います。

<追記>
この本の表紙のレモンは、情報の非対称性があるときの価格決定に関する中古車を例に取ったアカロフの「レモン問題」から来ています。
不良中古車(レモン)の価格を1000ドル、優良中古車(ピーチ)の価格を5000ドルとした場合消費者は何がレモンかピーチかわからない状況では、その確率が五分五分だったと考えると3000ドルの価格を提示しますが、その価格では中古車屋は誰もピーチを売らないので、結局市場にはレモンしか出されなくなってしまうという例です。

ちょうど「溜池通信」のかんべえさんがNikkei Netに「サブプライムと肉まん」という記事を書かれていました。

「中に何が入っているかわからない」という前提では取引が行われなくなってしまう、という意味では格好の事例ですね。







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『エンロン』

2007-08-06 | キネマ
エンロンの隆盛から破綻までを資料映像やインタビューで構成したドキュメンタリーです。
エンロンについてのノンフィクションを書いた作家のインタビューがかなりの部分を占めるあたりはちょっと手抜きじゃないかとも思うのですが、日本での報道くらいしか知識のなかった者にとってはわかりやすくまとまってます。

「時価会計」という訳でしたけど自分の見込みで将来収益を現在価値として取り込んだ評価(それじゃ「自己会計」ですけどね)を認めさせたあたりから、組織ぐるみの不正が始まったようです。

いざ明らかになってみると、経営トップが粉飾を指示していたので内部統制云々以前の問題ですので、それ以外の感想を。


感想その1:仕組み自体はかなりすごい

昨日のエントリへのある経営コンサルタントさんのコメントにもあるように、電気はためることが出来ません。なのでトレーディングをするとしても取引を執行するためには送電を指図する必要があります。
カリフォルニアの電力危機の際に州外に電気を送って後で高値で買い戻させた場面では、エンロンのトレーディングルームでは全米の送電経路の大きなパネルがあり、トレーダーは自分の端末から売買と送電の指示が出来るようでした。
細かい仕組みはよくわからないのですが、技術的にもまた指図を担保する法的仕組みなどを含めるとはかなり高度な取引システムではあると思いました。


感想その2:「金のなる木」のうちは誰も文句を言わない

実態は利益を上げていなかったエンロンが社員に高額の報酬を出せていたのは、報酬の多くがストックオプションだったためで、根拠のない事業計画を発表してそれを「時価会計」で過大評価するというまさに株価操作そのものでした。
しかし、上がり続けるエンロン株に対しほとんどのアナリストは疑問も持たず、また疑問を持ったアナリストはエンロンが投資案件とバーターにクビにしろとプレシャーをかけたりしました(アナリストの利益相反問題はこれを契機に禁止されましたが)。

また、現金が回らなくなるとSPV(特別目的会社)を使っての(実はタコ足の)資金調達をしたのですが、大手金融機関はこぞってそこに金(といっても年金などの他人の資金でしょうが)をつぎこみました。

結局株が上がって儲かっているうちは誰も文句を言わないし、逆に自分も一口乗りたいという気持ちが勝るというのは古今東西を問わないことかもしれません。
日本でもライブドアなんかそうでしたよね。


感想その3:日本も「トラック勝負」が出来るようにならないといけない

SPV(しかもエンロンのCFOが代表者)を使っての不正など、今となっては「こんなのがまかり通るなんて」というような話が多いですが、確かに90年代では日本ではようやくSPVとかを使った資産流動化取引が出だしたころです。
今の日本は制度改正により取引スキームについてはほぼアメリカと同様のものが可能になる一方で、エンロン事件をきっかけにできたSOX法やその他の規制強化の影響などで今の日本ではアメリカ同様規制が厳しくなりズルをする余地は減っています(新興市場の上場審査などは未だに?ですが。)。

今までは日本の諸制度が遅れていたために外資系投資銀行などにカモにされていても制度を言い訳にできた(役所のせいにできた)のですが、これからは同じ土俵で勝負するとなるとそういう言い訳が効かなくなります。
今までは相当差がついていたマラソンランナーが競技場で追いついて最後のトラック勝負になってきたようなもので、そうなると相手も本気でいろんな新手の手法を駆使して蹴落としにかかると思います。
日本の(特に金融機関は)そのへんの競争に勝ちのこていかないといけませんね。

大丈夫かなぁ・・・


閑話休題

ちょうどエンロンが破綻したとき、友人が米国のビジネススクールに留学していて、そこのクラスメートに「アーサーアンダーセン→エンロン」という錚々たるキャリアの男がいたそうです。
この辺がアメリカらしいのですが、エンロン破綻が報じられた直後に学内で緊急討論が開かれ、早速彼がパネラーとして招かれました。
経歴を考えるとMBAをとったからと言ってすぐにいい就職先を見つけるのは難しかろうと友人で慰労会を開いたところ、彼曰く多少落ち込みながらも「まあ、ここ数年で"millions"稼いだからしばらくヨットでもしながらのんびりするさ」などと言って、周りをしらけさせていたそうです。

ま、そんなノリの会社だったんですね。








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熱帯夜に節電を考える

2007-08-05 | よしなしごと

今日は深夜になっても25℃を超える熱帯夜です。
さすがに寝る前だけでもエアコンをつけないと厳しいと思いつつ、柏崎原発の停止の影響などに思いをはせてしまいます。

節電のご協力のお願いについて (平成19年7月31日 東京電力株式会社)

TVCMや新聞広告などでの告知のほか「大口のお客さまへの個別訪問による節電などのお願い」もしています。
実は電力需要の中で家庭用電力は30%程度で、70%は業務用です。
なので「大口のお客様へのお願い」というのが節電への一番のポイントになります。

関東経済産業局「電力需要速報(5月)」
(注:「特定規模需要」というのは高圧以上の電線路から受電し、契約電力が500kW以上の需要のことで、要するに工場とかビルなどの業務用ですね 参照

ちなみに産業用大口需要の産業別では化学と鉄鋼で全体の1/3を占めます(参照)。

また、事務所と工場では工場の方が事務所の5~6倍電力を使っていて、しかも電力量単価は工場は事務所より2~3割安いです。(参照 平成16年度上期電力需要調査(価格調査)の調査結果概要 ここでいう「産業用/業務用」の区別を工場/事務所と理解したのですが、間違ってたらごめんなさい)。

つまり、東京電力としたら、大口で単価の安い工場に節電を呼びかけるのが効果的で、しかも大幅減益が見込まれる中では単価の高い事務所には今のまま使ってほしい、というのが本音でしょう。
もっとも工場では節電のために設備の稼動を制限するというわけにもいかないのが難しいところだと思います。


このような「平成19年夏期の電力需給対策について」(平成19年7月20日 経済産業省関東圏電力需給対策本部決定)

Ⅱ.需要対策について
1.東京電力㈱に対して・・・大口電力需要家に対する個別の節電要請を行うとともに、・・・緊急時における需要の削減に向けて最大限努力するよう求める。

2.・・・以下の対策を講じる。・・・
(1)・・・「夏季の省エネルギー対策について」につき、引き続き国民各層及び産業界に周知徹底を図ること。
(2)特に、産業界に対しては、実施可能なピークカット対策について、政府より協力を要請すること。

3.経済産業省本省庁舎においては、上記2.(1)の対策に加え、以下の対策を行う。
(1)昼休みは、業務上特に必要な箇所を除き、全館一斉に消灯し、昼休み以外の時間帯は、こまめに消灯すること。
(2)エレベーターの使用をできるだけ控え、近くの階への昇降は階段を用いること(2アップ・3ダウンの推奨)。
(3)コピーの量を必要最小限にする等、OA機器の節電に努めること。
(4)省内一斉節電運動を行うため、各部局に節電対策実施責任者を決めるなど、その実施を徹底すること。
他の省庁及び政府関係機関並びに関東圏の地方公共団体に対しても、協力を要請する。

1.2.は必要だと思うのですが、3は節電効果というよりはもっぱらポーズですね。
節電の姿勢を国民に示すのも大事ですが、仕事の能率は落ちないのでしょうか。ただでさえ役所はクールビズ・28℃設定で空調のバランスによってはけっこう暑い所もあるのですから・・・


東京電力も、一般家庭へのアピールを大々的にしていますが、今晩のように暑いと、「欲しがりません、勝つまでは」の時代じゃないんだから一般家庭にしわ寄せしないで工場とかまじめに節電しろよ、とエアコンをガンガン回したくなります(まあ、夜間は大丈夫でしょうけど)。

そういえば、こういうときにCSR(企業の社会的責任)ってどうなるんですかね。
「わが社は柏崎原発の操業停止による電力供給不足に鑑み、工場の操業を3%落とします」などと言ったら、取引先や株主から「バカ」と言われるだけのような気がします。

ところで最近流行の「エコファンド」のファンドマネジャーとかは、そのへんの対応をチェックしてるんだろうと思い、ためしにダイワエコファンドの目論見書を見たのですが、投資比率で「銀行業 6.30%」っていうところでずっこけてしまいました。銀行ってエコなんですね・・・(ちなみに原発もやってる「電気ガス業」は1.60%でした。炭酸ガス的には原発はエコですし。)


なんか妙な方向に話がそれてしまいましたね。
これ以上PCをつけておくのも節電上はよろしくないですので、(エアコンはつけたままですがタイマーをセットして)寝ることにします。

コメント (2)
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『ウェブは資本主義を超える』

2007-08-03 | 乱読日記

日本を代表する硬派ブロガーで研究者・ジャーナリストでもある著者が、1日最大3万ページビュー、1万5000人のユーザー数を誇る人気ブログ「池田信夫ブログ」の2年半にわたる記事を大幅に加筆・修正してまとめた。インターネットの草創期からウェブの「進化」を取材してきた経験から、ウェブによる「革命」はこれからが本番であり、資本主義を大きく変えるものになると予想する。既存の大企業、マスメディアの没落と、集権型から分権型への転換がキーワードだ。新聞、テレビ、官僚組織の病理、ネット右翼現象、2ちゃんねるの匿名問題などにも鋭くメスを入れる。

というのがAmazonにある紹介文です。
実は私はWeb0.2の世界にいるのでこのブログ自体知らなかったのですが・・・

それはさておき、多分ブログをチェックしている人には今更、という内容なのかもしれませんが、門外漢には非常に面白い本でした。

著者はNHK、シンクタンク研究員などを経て現在大学教授と評論活動をしています。
そういう経歴からか、1953年生まれという世代的なものか、最近新書などでよくある「Webなんたら」系の切り口一点豪華主義本と違い、理論的背景や制度論などをからめて立体的に論じているので理解が立体的になります。
ブログからは大幅に加筆したようですが、それにしてもこの手の濃い内容は本のほうが読みやすいという僕のような旧型の人間がいる以上、ブログを本にしただけの安易な商売ともいえません。

表題は、ムーアの法則により情報処理をするコンピューターや通信インフラの性能の向上と価格の低下が将来的にはサーバーにデータを集中しない分散型ネットワーク(P2Pというらしい、という程度の理解なので間違ってるかもしれません)に向かい、そこでは「データや情報をコントロールする」ことによるビジネスは成り立田なくなるのではないか、という大きな方向性を、物的資本を独占している資本家がそれを梃子に労働者を搾取していて、そして「物質的生産のかなたにある」「自由の国」を目標としたマルクスの考えをアナロジーにしてつけたものだと思います(このへんにマルクスが出てくるところが、また個人的には嬉しいですね。)。

その文脈で、今まで権益の独占のうえに収益を上げていたTV局やNTTのビジネスモデルの限界と、それらが権益を握っていたために日本のコンテンツビジネスが遅れたことを批判的に語っています。
この辺は元NHKのディレクターだけあって、リアリティがあります。
(民放の番組はなぜつまらないバラエティばかりになったのか、というあたりなど、言われてみればもっともなのですが実も蓋もなく分析してくれています。)


先端、でない人にこそお勧めです。






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