フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

吊るし柿の甘さ

2011-12-05 | 人々との交流

今日も東の方、橙色に染まってきた、いい天気になりそうだ。外気温マイナス2度、室温11度、湿度28%。さすが11度では少し寒いので、先ずは薪ストーブに火を入れる。朝食後、今日も早速フルート練習だ。いよいよ本番までの日数が限られてきた。まずはロングトーンなどの基礎練習をする。

そうこうすると陽が部屋に射しこんできた。

部屋の温度はいつの間にか22度近くまで上がってきて、毛糸のセーターを脱いでしまうほどの暖かさだ。


曲の練習に移る。「シチリアーノ」は、スムーズな曲の進行と最後のしめくくりが課題だ。「ユーモレスク」は、装飾音の掛け方を集中的に練習した。問題の「アルルの女 メヌエット」は、やはり最初のアルペジオが上手く鳴らないのが悩ましい。それと、曲の聴かせどころが、力が入りすぎてぎくしゃくする、このあたりを繰り返して練習した。

今日は、妻が大阪から「帰還」する日だ。家を出てしばらく走ったところで、薄く冠雪した八ヶ岳がドーンと見えてきた。


妻を小淵沢インターに迎えに行くついでに、青葉さん宅を訪問させていただこう。久しぶりに行ってみると、庭の下草が奇麗に刈られていて、木々に鮮やかな青色の生地が巻かれている。一瞬クリスマスに向けたデコレーションをやっているのかなと思った。ご主人が出てこられたので、挨拶がてら、「これイルミネーションですか」と尋ねると、いやいや鹿避けのネットを樹木に巻いているのですよ、先日も、鹿の集団が大挙してやってきた、とのこと。どうやら鹿の通り道になっているようだ。それにしても冬枯れの森の中に実に鮮やかだ。

話題になっていた薪小屋を見せていただいた。これはJマートでキットが売られていて、私も買ったものの、結局セルフビルドできずに大工さんに作ってもらったのと同じものだ。それを、一人で作り上げられたというのだから凄い。トンプソン金具の使い方がよくわかりましたね、と言うと、何度もJマートに足を運び、親切な店員さんに教えていただいたそうだ。しかも、私の薪置き場は薪を積むと床がたわんでしまったのだが、その防止用に、きっちり底にレンガが敷かれていたのがいいアイデアだ。これは参考にさせていただこう。それ以外にも、大きな倉庫が設置されていて、家の中の物はできる限りここに入れるのですよ、とのことだった。確かに収納力は相当ある。

玄関にはいると、ラスクがマルチーズ系の吠え方で歓迎してくれた。精巧なミニチュアの民家が置かれていた。電気がともった部屋の中には、すき焼き・マツタケのセットが置かれていたのが、何ともいえず面白い。デッキに、吊るし柿があったので、「美味しそうですね」というと、食べてみますかと言って出してくれた。食べてみると、ほのかに焼酎の香りがしてきて、さすが左党のご主人手製のものだ、売られているようなものではないまったりと甘い吊るし柿だった。


私たちが食べるのを側で見ていたラスクは、哀切を帯びた声を張り上げ、どうしても食べたいと身体を寄せてくる。
その後、富士見町民会館での青葉さんの「しつらい展示」の話、庭づくりや夏野菜の収穫の話、富士見町の話、ご主人が陶芸に誘われたというお友達との飲み会の話など、富士見高原での生活もすっかり根付いてきているようだ。なかでも1歳を過ぎたお孫さんのことになると、お二人とも携帯に収めた写真をにこにこしながら見せてくれた。話は尽きないが、陽がとっぷりと暮れてきたので、今度は焼酎を持って来ますよ、と言ってお暇した。

途中、鉢巻き道路で、突然立派な角を生やした牡鹿が出てきたので、急ブレーキをかけた。このあたりは鹿との衝突事故が多いらしい。スーパー「ひまわり」で食材を買ってアダージョの森に到着する。
夕食は、今夜も直ぐに食べることのできる「よせ鍋」になった。エビの団子が出汁を吸って美味しかった