この映画は、
第一次世界大戦、終戦目前から、終戦後数年を舞台に、
描かれた様々な友情や愛情、戦争へ向けられた断罪、
・・・等々を、悲劇と喜劇を織り交ぜながら、
感動のENDに仕上げられた、上質の作品でした。
制作年 2017
制作国 フランス
原題(フランス語タイトル) Au revoir là-haut
原作 ピエール・ルメートル
監督 アルベール・デュポンデル
脚本 アルベール・デュポンデル
ピエール・ルメートル
物語は、第一次世界大戦、終結目前から始まる。
ドイツ軍とフランス軍(西部戦線でしたでしょうか、塹壕が沢山映ってました)は、
両者、戦いが停滞状態で、フランス軍の兵達は、
元々、一般人だった人等、やむを得ず、参戦しているような人達だったので、
できればこのまま、これ以後は、戦わずに、終わってほしいと思っていた。
泥だらけの顔に、疲れが見えていた。
そんな中、司令部からの停戦命令が、中尉に入ったのですが、
その人だけは、戦争で、精神状態が麻痺していたのか、
まだまだ戦いたい思いをみなぎらせていて、
命令が書かれた紙を、握りつぶす。
そして、兵の中で、一番年齢の高い人と、一番若い人に、
ドイツ軍の偵察に行く事を命じる。
命令には、背くことはできない。
2人は、仕方なく・・・。
・・・その後、パーンパーンと、銃声が響き、2人は、倒れていた。
直後、中尉からの命令で、フランス軍は、ドイツ軍に、攻撃をしかけた。
激しい戦いが、突然一気に展開する。
その時、主人公である、中年のアルベールは、
2人の兵は、ドイツ軍にやられたのではなく、
フランス軍の中尉が、攻撃のきっかけを作る為に、
自分が見方をやってしまい、
ドイツ軍にやられたと見せかける偽装した事を知ってしまう。
そして、それを察知した中尉に、アルベールは、
危うくやられかけそうになったところ、
若い兵士のエドゥアールに助けられた。
生き埋めになりかけたアルベールを助けた直後、
エドゥアールは、爆撃に遭い、重傷を負ってしまう。
病院で治療を受けたエドゥアールだったが、
かなりの重傷で、鼻下辺りから、顎にかけてでしょうか、
その部分を失ってしまってました。
ショックのエドゥアールを、
救ってくれた事に恩を感じたアルベールは、
退院後、
貧しいながらも、共同生活で、エドゥアールの生活を支えていた。
エドゥアールは、実は、良家の御曹司であり、絵や物作りのアーティスト的な才能の持ち主であった。
しかし、家族には、自分の事を知られたくなく、
戦死したように偽装して、別人になりすまし、実名を隠して生活していた。
アルベールは、兵になる前は、銀行で働いていたのだったかな・・・、そして、恋人もいた。
しかし、戦後、職を失い、何でも仕事にして、わずかなお金を得たりしていた。
戦後は、職も恋人も、失ってしまっていた。
エドゥアールは、幼い頃から、絵が得意で、画家を目指していたようだ。
しかし、父と考えが合わず、反発し、家を出たと言う経緯があったようだ。
戦後は、大けがを負った事で、画家になる夢は、遠いものとなった。
戦後世の中は、
戦没者は、称えられ、
帰還兵に対しては、冷たかったようだ。
終戦しても、帰還兵の方達は、2人のように、
生活が楽ではない人が多かったかも。
2人の他に、側の家に住む、孤児のルイーズと言う少女が、
エドゥアールと仲良しになり、その子は、
エドゥアールの身振り手振りや、喉の奥から発せられるような声のような音を聞き取り、
話している内容がわかる唯一の人で、通訳みたいに、エドゥアールに、いつも寄り添っていて、
エドゥアールの心のよりどころでもあったかな~。
アーティストの才能があるエドゥアールは、
顔以外は、問題がなく動かせる事で、
自作のいくつもの仮面を作り、
それをつけて、過ごすようになった。
エドゥアールは、
銀行家である父、姉の婿となって、不正に大儲けしていた、金と女に欲深いプラデル(元中尉)、
・・・に復讐の思い、
そして、世の中の人々に、
・・・、悲しいメッセージを送るべく、
大胆な詐欺を企てる。
それにアルベールも協力する事に。
ルイーズもそれに参加する。
詐欺がきっかけで、父とエドゥアールは、
再会してしまう事になります。
父は父なんですね・・・、色々あっても、離れていても、表面に出さない愛情・・・、深いものがあり、
エドゥアールを見つけ出すんですね・・・。
そして、エドゥアールは、仮面の内側で、沢山の涙を流します。
その直後、悲劇が起こりました。
後日、
詐欺で得た大金で、アルベールと、新たな恋人(マルセルの家で働くメイドさん)、ルイーズとで、
逃亡を図る。
その後、アルベールは、逮捕され、警察で、自分がこれまで経験して来た事を、全て話すのでした。
そして、警察署長は、数人の部下を、話が長くなるから、後は自分が引き受けると言って、
アルベールと、自分の2人だけになる。
そして、数分後物語のENDとなるのですが、
ここ・・・、結構心打たれました。
警察署長の身の上は、途中で予想できたのですが、
感動の終わり方で、ちょっと救われた気分でした~
物語の最初と最後、
逮捕された直後の場面です。
同じ場面で始まり、
詐欺事件の一部始終を、戦争でエドゥアールと知り合ったところから、
警官達に話します。
そして、
警察署長と2人だけになって、
話終わり、
同じ場面で、ENDです。
主演のアルベール・マイヤール役を、監督。脚本に関わった、アルベール・デュポンデルが演じ、
その人の思いがいっぱい自ら表現できた作品になったのでは・・・と思う。
感じた事、話したい事は、色々ありますが、
長くなるので、この辺で~
毎日が、平穏無事で、小さな喜びに、幸せを感じる事ができる~、
そんな何でもない日々の中で、少しずつ成長して行ける自分があり、
少しでも、どなたかの役に立てる自分がいて、
皆で笑顔になれる日々があればそれが一番~
平和な世の中になる事を、考えて行きたい~、
そんな事を、強く感じました~
↑エッフェル塔の近く、セーヌ川付近~
ジャニーさんは、第二次世界大戦を経験なさった事から、
戦争は、2度とあってはいけない、
自分くらいの年齢の人が少なくなって来たが、
日本でも、過去戦争があった事を、
語り続けて行かなければならない
・・・そんな思いを、お持ちで、
戦争の
内容のステージを行う場合には、
演じる、ジャニーズの方々にも、自分の体験を話しなさっていたようですし、
ステージで、発信できる機会には、
実体験を、
人々に、伝えるようにと考えられていらしたようですね。
心からの、
ご冥福をお祈り申し上げます。