汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 夜の海

2009年09月19日 | 初期中期の詩
夜に鳴り響く
波の音が遠くの方でなびいている
はためく揺り籠に乗せられた夢
蒼色に沈みゆく沈黙が
私の耳元で揺らめいている
一人きりの夜
静寂に沈んだ海
波は私を一人巻き込んで
身体は細かく切り刻まれていく
止めどなく溢れる血を
身体を無くした亡霊が見つめている
漆黒に鳴り響く歓喜の歌声に
私は更に冷酷な賞讃の海へと溺れゆく
満ちては引き返す潮の旋律
さざめく潮の風の韻律
時は一定のリズムに震えて
私は更に醜悪な穴の中へと引きずり込まれる
異様な静けさの中にあって
辛辣な時の流れに絡め取られて
私は漂っている
夜の海に
亡骸を残して
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