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腹部大動脈瘤の一端解明、浜松医大と島津

2012-09-19 | 健康・病気

 腹部大動脈瘤(りゅう)は、破裂すると大量出血して死亡に至る確率が高い。腹部大動脈瘤とは腹部の大動脈が瘤(こぶ)の様に腫れてできるもので、超音波撮像法・CTなどの画像診断で発見することが可能である。しかし、初期の腹部動脈瘤には自覚症状がないので、発見されず放置されて病状が悪化することがある。これまで生成原因が不明で、内科的な治療法や予防法が確立されていなかった。
 この腹部大動脈瘤の生成メカニズムを、浜松医大と島津製作所が共同で開発した顕微鏡で解明したと9月14日に発表した(国際質量分析学会で9月17日に発表)。
 この研究成果は、JST研究成果展開事業 先端計測分析技術・機器開発プログラムの一環として、浜松医科大学瀬藤光利教授(解剖学)・同外科学の今野弘之教授・同外科学の海野直樹講師らの研究グループと島津製作所が共同で開発した「質量顕微鏡」を使用して得られた。
 患者30人について大動脈瘤ができた血管壁を観察すると、瘤ができた血管壁と瘤がない血管壁と比べると血管壁に含まれる血液の量(血液の成分の量)が約半分になっていた。大動脈の壁に栄養・酸素を届けるための細い血管に脂質が異常に蓄積して細くなり、栄養・酸素が行き渡らずに血管の壁が脆くなってできる可能性があると言う。瀬藤光利教授は、「今後血流を改善する薬が効くかどうかを調べたい」との事。
 ◆大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)
 大動脈は、心臓から全身に血液を送る大血管である。
 大動脈は心臓から頭側に出ると、弓状に胸部の左後ろを下に向かい、横隔膜(胸部大動脈)を貫いて腹部(腹部大動脈)に入り、臍付近で左右に分かれる。この間で、体の各部への血管が分岐する。
 大動脈瘤とは、大動脈の血管が拡張ないし血管壁が解離して瘤(こぶ)の様に膨らんだ状態のことである。多くの場合、高血圧・動脈硬化・加齢等で二次的に生じる。
 腹部大動脈瘤は50歳以上の男性の5%が患っていると見られ、腹部大動脈瘤が破裂すると8割以上で死に至ると言う。所謂突然死の原因となっている。

 

 空き地を囲む有刺鉄線を覆う様にクズが繁殖し、花が咲いている。莢(さや)もできている。
 クズの根から澱粉(でんぷん)が取れ、これが葛粉(くずこ)となる。漢方薬の”葛根湯”は葛根(かっこん)が主薬で、風邪の初期症状や頭痛・肩こりなどの症状に使う。葛根湯にまつわる落語に”葛根湯医者”があり、万能薬的な使い方をする”ヤブ医者”の話がある。
 クズは秋の七草の一つである。でも増殖力がとても強い葛は世界の侵略的外来種ワースト100(IUCN、2000) 選定種となっている。

Kuzu09191  クズ(葛)
別名:裏見草(うらみぐさ)
   葉が裏返ると白さが目立つ
マメ科クズ属
開花時期は8月~9月
花色は赤紫色、上り藤の様に下から上へと小さな花が咲いていく
花後は剛毛に被われた枝豆に似た扁平な莢(さや)ができる
名(クズ)の由来は大和国(現在の奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地だったからで、”葛”は漢字から


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