先月(5月)末に開幕された「世界農業遺産国際会議」で熊本、静岡、大分の3地域が新たに世界農業遺産に認定されることが決まった。3県の知事が会議で候補地の特徴を説明し、国連食糧農業機関(FAO)関係者の審査に合格したものである。
熊本県(阿蘇市など7市町村)
野焼きによって草原を維持する農・畜産業の手法が評価された
大分県(国東・宇佐地域の6市町村)
名産品であるシイタケの育成にクヌギ林やため池といった生態系が有効と認定
静岡県(掛川市など5市町)
認定対象は、茶草場(ちゃぐさば)農法--ススキを敷いて湿度を保つ農法
◆世界農業遺産(GIAHS)
世界農業遺産システム(Globally Important Agricultural Heritage Systems)は、2002年に国連食糧農業機関(FAO)が創設した制度。目的は、何世紀にも亘って発達・形成された農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性に富んだ、世界的に重要な地域を次世代へ継承すること。
これまでに世界で11ヶ国19件が認定されている。日本は2011年に登録が決まった能登半島と佐渡島の2地域。因みに、日本での認定は先進国では史上初との事。
能登半島:伝統的な農山漁村の営みが残る里山・里海
佐渡島:トキと暮らす郷づくり
塀に絡まってテイカカズラの花が満開となっている。朝方の雨の名残で、葉も花も濡れており、艶やかな色を見せている。近くに寄ると甘い良い香りがする。でも葉や茎を切ると有毒な白い乳液が出る(毒の成分はトラチェロシドなど、汁液に触れるとかぶれる)。
名(テイカカズラ:定家葛)の由来は、テイカは藤原定家、カズラはつる性植物を表し、藤原定家が愛する人(式子内親王:後白河法皇の第三皇女)を忘れられず、テイカカズラに変わって彼女の墓に絡みついたという伝説(謡曲の定家)に因む。
テイカカズラ(定家葛)
キョウチクトウ科テイカカズラ属
原産地は日本、朝鮮半島
蔓性常緑低木、蔓長は2m~10m
付着根を出し、他の樹木などに這って成長
開花時期は5月~6月
花色は白、次第に淡黄色となる
花弁の基部は筒状で、先端は5裂して少し捩じれプロペラの様な形
果実は細長い袋果で二つが対になって下がる