線虫「C.elegans」は犬と同等の嗅覚受容体を約1,200種有すると言う。好きなにおいに集まり、嫌いなにおいから逃げる習性(走性行動)がある。これから、がん細胞のにおいを好む線虫の嗅覚を用いて高精度にがんを判定する。(九州大学、3月12日発表)
大阪大学の谷本悠生特任研究員と木村幸太郎准教授らの共同研究チームは、線虫C.エレガンスが嫌いな匂いから遠ざかるために「意思決定」を行うこと、この意思決定のために特定の神経細胞が匂い濃度の情報の積分を計算して濃度情報を蓄積すること、さらにこの積分に関わる遺伝子がヒトにも存在する重要な遺伝子(L型電位依存性カルシウムチャネル)であることを発見した。(5月22日発表)
本研究グループにより、線虫がサルやネズミと類似した仕組みで意思決定を行っている可能性が発見されたことから、線虫の「意思決定遺伝子」に似た遺伝子がヒトの意思決定にも関与している可能性が明らかになった。
研究チームは、2-ノナノンという嫌いな匂い物質から線虫が逃げる時は、他の刺激に比べてより正しい方向を選んで逃げているように見える事を発見した。線虫がどのように匂いを感じて逃げる方向を選んでいるのかを調べるために、仮想の匂い勾配を作り出しながら線虫を自動的に追いかけて神経活動を測定するロボット顕微鏡「オーサカベン2」を作成し、匂いと神経活動と行動の関係を調べた。特に、匂い濃度の上昇または減少を感ずる神経細胞の活動を、細胞活動を反映することが知られているカルシウム濃度として測定し、さらにその結果を数理モデルを用いて解析した。
結果、嫌いな匂い濃度の上昇を感ずる神経細胞は、わずかな匂い濃度上昇を「微分」によって大きく検出し、逆走や方向転換をすばやく始めていた。逆に、匂い濃度の減少を感ずる神経細胞は、匂い濃度の減少を一定時間積み重ねる「積分」を行い、この値が一定に達した時にその方向にまっすぐに逃げる、ということが分かった。嫌いな匂い濃度上昇という好ましくない変化の時はわずかな変化に対して敏感に反応して素早くその方向へ進むことを中止し、一方、嫌いな匂い濃度減少という好ましい変化の時は時間を掛けて見極めてから慎重にその方向へ進むことを選択していた。
さらに「積分」と「微分」がどのように実現されているかを明らかにするために、幾つかの遺伝子を調べた。その結果、「積分」の際には、細胞の中と外を隔てる細胞膜上にある、1種類のカルシウム通路タンパク質(L型電位依存性カルシウムチャネル)を通して細胞の外からゆっくりとカルシウムが細胞の中に入ってくることで、匂い刺激の変化が細胞活動として積み重ねられることが分かった。「微分」の際には上記以外にも様々なカルシウム通路タンパク質が開くことで、素早くカルシウム濃度が上昇していることを示す実験結果が得られた。これらカルシウムチャネルはヒトにも共通しており、神経細胞活動に重要な遺伝子として知られていましたが、意思決定との関連は全く明らかになっていなかった。
すなわち、研究チームは線虫が「意思決定」のように匂い勾配において進行方向を選択している事、「意思決定」のために匂い濃度の「積分」を神経細胞が行っている事、及び「積分」のための遺伝子を発見することができた。
◆線虫C.エレガンス
体長1mm程度の糸状の小動物で、神経・筋肉・腸・生殖器などを持つ。
神経細胞が構成する神経回路が全て明らかになっている唯一の動物である。
◆L型電位依存性カルシウムチャネル
神経細胞の活動とは、細胞の外と内との電気状態の差(膜電位)が変化すること。この膜電位の変化によって細胞の外から内へカルシウムだけを流入させる「通り道」を電位依存性カルシウムチャネルと呼び、L型、N型、T型など幾つかのタイプがあることが知られてる。これらは神経細胞の活動に重要な役割を果たすと考えられているが、不明な点も多く残されている。
晴れ。気圧配置が冬型(西高東低)の故か、最高気温20℃チョットといつもより寒いかな。
玄関横のお庭で、満開で咲いている”ベルフラワー”。鮮やかな紫青色のベルのような小花が小山の様に咲いている。”オトメギキョウ(乙女桔梗)”とも呼ばれる。
”ベルフラワー”は”カンパニュラ”の中でも小型の種類である。”カンパニュラ”とは、キキョウ科ホタルブクロ属の観賞用植物(主に地中海沿岸に原産する植物の改良)の総称で、約300種類あると言われる。
ベルフラワー
別名:乙女桔梗(おとめぎきょう)
学名:Campanula portenschlagiana
キキョウ科ホタルブクロ属
常緑多年草
原産地は東ヨーロッパ
開花時期は5月~7月
花色は鮮やかな紫青色で、濃青紫・白などもある
大阪大学の谷本悠生特任研究員と木村幸太郎准教授らの共同研究チームは、線虫C.エレガンスが嫌いな匂いから遠ざかるために「意思決定」を行うこと、この意思決定のために特定の神経細胞が匂い濃度の情報の積分を計算して濃度情報を蓄積すること、さらにこの積分に関わる遺伝子がヒトにも存在する重要な遺伝子(L型電位依存性カルシウムチャネル)であることを発見した。(5月22日発表)
本研究グループにより、線虫がサルやネズミと類似した仕組みで意思決定を行っている可能性が発見されたことから、線虫の「意思決定遺伝子」に似た遺伝子がヒトの意思決定にも関与している可能性が明らかになった。
研究チームは、2-ノナノンという嫌いな匂い物質から線虫が逃げる時は、他の刺激に比べてより正しい方向を選んで逃げているように見える事を発見した。線虫がどのように匂いを感じて逃げる方向を選んでいるのかを調べるために、仮想の匂い勾配を作り出しながら線虫を自動的に追いかけて神経活動を測定するロボット顕微鏡「オーサカベン2」を作成し、匂いと神経活動と行動の関係を調べた。特に、匂い濃度の上昇または減少を感ずる神経細胞の活動を、細胞活動を反映することが知られているカルシウム濃度として測定し、さらにその結果を数理モデルを用いて解析した。
結果、嫌いな匂い濃度の上昇を感ずる神経細胞は、わずかな匂い濃度上昇を「微分」によって大きく検出し、逆走や方向転換をすばやく始めていた。逆に、匂い濃度の減少を感ずる神経細胞は、匂い濃度の減少を一定時間積み重ねる「積分」を行い、この値が一定に達した時にその方向にまっすぐに逃げる、ということが分かった。嫌いな匂い濃度上昇という好ましくない変化の時はわずかな変化に対して敏感に反応して素早くその方向へ進むことを中止し、一方、嫌いな匂い濃度減少という好ましい変化の時は時間を掛けて見極めてから慎重にその方向へ進むことを選択していた。
さらに「積分」と「微分」がどのように実現されているかを明らかにするために、幾つかの遺伝子を調べた。その結果、「積分」の際には、細胞の中と外を隔てる細胞膜上にある、1種類のカルシウム通路タンパク質(L型電位依存性カルシウムチャネル)を通して細胞の外からゆっくりとカルシウムが細胞の中に入ってくることで、匂い刺激の変化が細胞活動として積み重ねられることが分かった。「微分」の際には上記以外にも様々なカルシウム通路タンパク質が開くことで、素早くカルシウム濃度が上昇していることを示す実験結果が得られた。これらカルシウムチャネルはヒトにも共通しており、神経細胞活動に重要な遺伝子として知られていましたが、意思決定との関連は全く明らかになっていなかった。
すなわち、研究チームは線虫が「意思決定」のように匂い勾配において進行方向を選択している事、「意思決定」のために匂い濃度の「積分」を神経細胞が行っている事、及び「積分」のための遺伝子を発見することができた。
◆線虫C.エレガンス
体長1mm程度の糸状の小動物で、神経・筋肉・腸・生殖器などを持つ。
神経細胞が構成する神経回路が全て明らかになっている唯一の動物である。
◆L型電位依存性カルシウムチャネル
神経細胞の活動とは、細胞の外と内との電気状態の差(膜電位)が変化すること。この膜電位の変化によって細胞の外から内へカルシウムだけを流入させる「通り道」を電位依存性カルシウムチャネルと呼び、L型、N型、T型など幾つかのタイプがあることが知られてる。これらは神経細胞の活動に重要な役割を果たすと考えられているが、不明な点も多く残されている。
晴れ。気圧配置が冬型(西高東低)の故か、最高気温20℃チョットといつもより寒いかな。
玄関横のお庭で、満開で咲いている”ベルフラワー”。鮮やかな紫青色のベルのような小花が小山の様に咲いている。”オトメギキョウ(乙女桔梗)”とも呼ばれる。
”ベルフラワー”は”カンパニュラ”の中でも小型の種類である。”カンパニュラ”とは、キキョウ科ホタルブクロ属の観賞用植物(主に地中海沿岸に原産する植物の改良)の総称で、約300種類あると言われる。
ベルフラワー
別名:乙女桔梗(おとめぎきょう)
学名:Campanula portenschlagiana
キキョウ科ホタルブクロ属
常緑多年草
原産地は東ヨーロッパ
開花時期は5月~7月
花色は鮮やかな紫青色で、濃青紫・白などもある