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カビの菌糸が伸び続ける仕組みを解明

2017-06-26 | 科学・技術
 筑波大学の竹下典男助教(研究実施時、ドイツのカールスルーエ工科大学)、カールスルーエ工科大学のReinhard Fischer教授、同大学のUlrich Nienhaus教授、筑波大学の高谷直樹教授らの研究グループは、「カビの有用性と病原性を特徴付ける菌糸の伸びる仕組みを、超解像顕微鏡注を含む蛍光イメージング技術により明らかにした」と発表した(2017年5月)。研究成果は、米国東部時間5月15日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版で公開された。
 カビは糸状菌とも呼ばれ、糸状の菌糸からできている。この菌糸の先端を伸ばし続けることで成長、その際にさまざまな酵素を出して有機物を分解する。これを発酵・醸造による医薬品・食品の生産に利用されているほか、土壌中の有機物分解にも欠かせず生態系の物質循環にも重要な役割を果たしている。
 研究グループは、菌糸細胞が伸びるのに必要な細胞膜の成分やたんぱく質がどのように菌糸の先端部に供給されるかを調べた。これらの成分の輸送に関わる菌糸の組織・成分をそれぞれ蛍光色素で染色して顕微鏡で観察した。
 菌糸細胞の伸長に欠かせないたんぱく質「アクチン」の重合化、酵素の分泌などが先端部で同調しており、これを繰り返すことによって細胞の伸長が周期的に起きていることが分かった。菌糸の成長にこうした周期的なリズムが生まれるメカニズムについても、細胞の機能を制御するカルシウムイオンの濃度変化との関係などについて明らかにした。
 研究グループは、周期的・段階的な細胞伸長は、化学・物理的な細胞内外の刺激により素早く応答し、対応することを可能にするという生物学的な意義が考えられる。
 今後、カビの伸びる仕組みを理解し制御が可能となれば、醸造・発酵食品分野での品質向上、抗生物質・有用酵素生産などのバイオ産業分野での生産量の向上、バイオエネルギー分野の発展など、カビが関わるすべての分野に貢献する、と期待している。
 ◆超解像顕微鏡
 本研究では、蛍光を一つずつ確率的に光らせる技術と、蛍光標識した分子の位置をナノメートルの精度で計測する技術を組み合わせることにより、光の回折限界(200-300ナノメートル)を超えた超解像顕微鏡法の一つであるPLAM(photoactivation localizationmicrscopy、回折限界;20-50ナノメートル)を使用した。因みに、超解像顕微鏡の開発者は、2014年ノーベル化学賞授賞者。

 天気は晴れ。朝から気温が高くなり、歩けば汗が出る。
 駐車場に2本植えられている、”キョウチクトウ”に花が咲きだした。花は一重の五弁花でとても薄い花弁、花色は白色とピンク色、蕾も白色と紅色。
 ”キョウチクトウ”は道路沿いの並木や公園樹として植えられる。大気汚染に強く強健で育て易いからと言う。優れた園芸植物ではあるが毒性がある。花・葉・枝・根・果実と全てに毒性(経口毒)があり、燃した煙や周辺土壌にも毒性がある。毒は強心配糖体のオレアンドリン(oleandrin)などで、オレアンドリンの毒性は青酸カリよりも強く、致死量は0.30mg/kgとされる。
 名(キョウチクチウ:夾竹桃)の由来は、葉は竹の葉の様に細く、花は桃に似ているからと言う。
 キョウチクトウ(夾竹桃)
 別名:半年紅(はんねんこう)、目膨木(みふくらぎ)
 キョウチクトウ科キョウチクトウ属
 常緑低木~小高木
 原産地はインド、中国を経て江戸中期に伝来
 開花時期は6月~10月
 花径は数cm、花弁は左右非対称で船のスクリューのようにねじれた形
 花色は赤・白、紫紅・桃色があり、一重・八重もある