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細胞周期の間期を3色で識別する次世代蛍光プローブを開発

2017-10-29 | 科学・技術
 理化学研究所脳科学総合研究センター細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダーらの研究グループは、細胞周期をリアルタイムで可視化する新規蛍光プローブ「Fucci(CA)」を開発した(10月27日)。既存技術の「Fucci(SA)」ではできなかったS期とG2期を色分けし、極端に短いG1期の検出を可能にして、間期(G1・S・G2)を3色で識別し、併せて蛍光シグナル分布でM期を同定して、4つ全ての細胞周期を光学的に分離することに成功した。
 宮脇チームリーダーらは2008年に、細胞周期をリアルタイムに可視化する蛍光プローブFucci(Fluorescent ubiquitination-based cell cycle indicator:フーチ)を開発した。Fucciは細胞周期のG1期を赤の蛍光色に、S/G2/M期を緑の蛍光色に標識する蛍光プローブであるが、S期とG2期を色分けすることはできなかった。また、G1期標識の反応にはある程度の時間がかかるため、高速に増殖する細胞種の短いG1期は検出できないという問題点があった。
 共同研究グループは、Fucci技術の作動原理である「細胞周期依存的ユビキチン介在タンパク質分解」を多様に改変することで、Fucci(CA)を新たに開発した。Fucci(CA)は、細胞周期の間期であるG1期・S期・G2期をそれぞれ赤・緑・黄の3色で識別する。通常の光学顕微鏡で蛍光シグナル分布を併せて観察すればM期も識別できる、すなわち四つの細胞周期全てを光学的に分離することができる技術である。実際にFucci(CA)を用いて、培養細胞の紫外線に対する感受性がS期に最も高いことを明らかにした。さらに、Fucci(CA)は分裂直後からG1期を標識できるため、高速に増殖する未分化性マウスES細胞(胚性幹細胞)の細胞周期においても、極端に短いG1期を含めて確実に検出できることが分かった。
 ◆細胞周期の増殖
 細胞周期細胞は、分裂を繰り返して増殖する。この細胞分裂のサイクルを細胞周期と呼び、細胞周期は間期とM期に分けられる。分裂が起こるM(Mitosis:有糸分裂)期と、DNAの複製が起こるS(Synthesis:DNA複製)期、それぞれの間をつなぐG1(Gap1:複製前休止)期、G2(Gap2:分裂前準備)期からなる。サイクルは、G1→S→G2→M→G1→…に進む。

 今日は朝から雨。気温も低くなり、最高気温15℃と低い。
 賑やかな声が聞こえてくる。町内のコミセン祭り。コミセン(コミュニティセンター)で、売店出店、ホールで華道や民芸品などを展示、大広間では演芸が開演される。福祉バザーもある。
 館内の展示に秋らしいお花などがあった。秋は段々と深まる。