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日本国際賞は、リチウムイオン電池開発の吉野氏とリンパ球を見つけた米豪の2氏に

2018-02-03 | 学問
 国際科学技術財団は、2018年(第34回)の日本国際賞を、リチウムイオン電池を開発した名城大学教授の吉野彰氏(70)、生体内で極めて重要な働きをする二つのリンパ球を発見した米国エモリー大学医学部教授のマックス・クーパー氏(84)とオーストラリアのウォルター・アンド・イライザ・ホール医学研究所名誉教授のジャック・ミラー氏(86)の合わせて3人に贈ることを決めた。同財団が、記者会見で発表した(1月30日)。授賞式は4月18日。
 ○吉野氏は「資源・エネルギー、環境、社会基盤」分野の受賞
 授賞理由は「リチウムイオン電池の開発」。吉野氏は1972年に京都大学大学院工学研究科修了。80年代初めに電池の電極にコバルト酸リチウムとカーボン材料を使うと電極間をリチウムイオンが行き来して電池の役割を果たすことを実証。リチウムイオン電池の原型を開発して1985年に特許出願した。その後1991年に旭化成などによって実用化された。この電池は小型で大容量の上、充電できるのが特長。ノートパソコンやスマートフォンなどのモバイル機器、デジタルカメラ、携帯型音楽プレーヤーや電気自動車など現在では幅広く利用されている。
 因みに、同氏はノーベル化学賞の候補としても期待されている。
 ○米国エモリー大学医学部教授のマックス・クーパー氏(84)と、オーストラリアのウォルター・アンド・イライザ・ホール医学研究所名誉教授のジャック・ミラー氏(86)。2人は「医学・薬学」分野の受賞。
 授賞理由は「Bリンパ球・Tリンパ球系列の発見とそれがもたらした疾患の病態解明と治療法開発」。
 両氏は、1960年代初めから精力的に分子生物学の研究を進め、体内に侵入した異物に対する免疫をつかさどる2つの主要細胞系列であるBリンパ球とTリンパ球の存在を明らかにした。国際科学技術財団は、近年注目を集めるがん治療薬や免疫疾患の新薬も2人の発見があったからこそ誕生した、としている。
 ◆日本国際賞(Japan Prize)
 日本国際賞は、「科学技術において、独創的・飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、人類の平和と繁栄に著しく貢献した」人物に対して、国際科学技術財団が授与する賞である。
 受賞対象は「物理、化学、工学」と「生命、農学、医学」の二つの領域で、受賞対象分野は1年に2つの分野である。受賞者には、各分野に賞金5000万円が贈られる。受賞者は生存者のみ。
 日本にもノーベル賞に匹敵するような賞が必要だとして、松下幸之助が基金(私財など約30億円)を提供。1983年に政府内で各機関からの協力が閣議決定された。1985年に第1回「日本国際賞授賞式」を開催。

 今日(2月3日)は節分。節分とは「季節の分かれ」を意味するもので、立春・立夏・立秋・立冬の前日である。明日(2月4日)は立春で、立春から立夏の前日までが、暦の上では春になり、立春を境に気温が上がるとされている。・・これから暖かくなると良いな。
 この節分での「豆まき」の行事は、平安時代頃から行われる宮中での年中行事で、近代にこの宮中行事が庶民に採り入れられたものである。季節の変わり目には邪気が入り易いと考え、その邪気を払うため「豆まき」を行う。豆を使うのは、まめ(魔・滅)→魔(悪い鬼)を滅する、などの説がある。