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岩手県大槌町船越湾で発見、92歳の長生き貝

2018-02-05 | 生物
 東大大気海洋研究所の白井厚太朗助教らの研究チームが、岩手県大槌町船越湾で92年間生きた”ビノスガイ”という二枚貝を見つけた。
 東日本大震災の津波の影響を調べていた研究チームが見つけた”ビノスガイ”は、1960年のチリ地震と2011年の東日本大震災、二度の大津波を生き延びたことになる。
 ”ビノスガイ”は幅約10cmで、貝殻の断面にあるしま模様が樹木のように年輪になっていることを確かめ、年齢が分かった。因みに、年輪の数え間違えが無いかを確認するために、年輪計数により1950年以前に形成されたと判断された部位に、1950年代に行われた核実験由来の放射性炭素が含まれていないことを確認した。しま模様からは、40~50年周期で成長速度が増減していることも判明。大西洋の長周期気候変動と似た傾向だといい、白井助教は「太平洋と大西洋は北極海を介してつながっており、なんらかの共通するメカニズムがある可能性が考えられる」と指摘した。
 研究チームは北海道紋別市でも長寿のビノスガイを発見。日本一寿命が長い海産二枚貝としている。貝殻の成長状況を調べることで、観測記録がない時代の気候変動が分かると言う。
 ◆ビノスガイ(Stimpson's hard clam)
 地方名・市場名
 オオスダレハマグリ、カラガイ、カラマキ、ソバモヂ、ソバモチゲィ、タバコガイ、タボコガイ、ビノシガイ、マサソバモチ
 生息域
 海水生。東北以北。水深5m~30mの砂地。
 生態
 福島県~北海道の太平洋側でホッキガイ漁(ウバガイ漁)のときに混ざる。
 貝殻が厚く、熱を通すと硬くなるので人気がない。安い。
 殻長10センチ前後になる。
 貝殻は厚く、貝殻はほんの少し赤味を帯びた灰色。貝殻の表面にざらざらした輪肋がある。