東京工業大学・野島達也特任助教(研究当時、現:中国・東南大学生物電子学国家重点実験室准教授)、彌田智一教授(研究当時)らの研究グループは、鶏卵の卵白たんぱく質から高強度ゲル材料の「卵白たんぱく質凝縮体ゲル」を作製することに成功した。
金属・セラミクスに代わる次世代の材料として、生体高分子であるたんぱく質があり、絹・クモ糸など繊維状のたんぱく質を素材とした強靭な材料開発が行われている。一般的にたんぱく質は、微生物や細胞の培養により生産されるが、時間も費用もかかる方法である。これより、研究グループは、大量生産の手法が確立しており、安価に入手が可能な食品たんぱく質に注目した。
鶏卵の白身を加熱すると固まる、と言う現象(加熱ゲル化現象)を応用する。鶏卵の卵白には100種類以上のたんぱく質が含まれ、そのうち数種類のたんぱく質が、卵白の加熱ゲル化現象に主に関わっている。しかし特定のたんぱく質の精製は時間と費用のかかる作業であるため、研究グループは未精製の卵白たんぱく質を実験に用いることにした。鶏卵より分離した卵白を、市販のキッチンネットで濾した後に、水を加えて撹拌することで、均質化した卵白たんぱく質水溶液を得た。
白身にはたんぱく質が豊富に含まれ、加熱前は水に溶けた状態で存在する。加熱するとたんぱく質は変性し、ランダムに集まることで不均一なネットワーク構造を形成し、液状だった白身は水を含んだゲルとなって固まる。しかし加熱してゲルとなった白身の強度は低いため、そのままでは材料として利用することはできない。
これまで、たんぱく質にイオン性界面活性剤を加えることで、水中のたんぱく質を一瞬で凝縮させ、一定間隔に集積させる技術を開発してきた(2016年12月26日 混ぜるだけで迅速に水溶液中のたんぱく質凝縮に成功)。そこで、このたんぱく質凝縮化技術を応用し、卵白たんぱく質を一定間隔に集積させた上で加熱し、均一な構造を形成し、強度の高いゲル材料を作製した。
この状態のたんぱく質を70℃で加熱したところ、白く不透明に固まった。この物質は内部に80パーセントの水を含むハイドロゲルであることが確認された(卵白たんぱく質凝縮体ゲル)。さらに卵白たんぱく質凝縮体ゲルは、たんぱく質分解酵素によって分解されたため、たんぱく質によってネットワーク構造が形成された生分解性物質であることが確認された。
荷重をかけると17分の1の厚みに薄くつぶれるほどの柔らかさを持ちつつも、最大で34.5メガパスカル(1円玉に1,000キログラムの圧力状態)と通常のゆで卵の白身の150倍以上の強度を示した。
卵白より作製された物質の強度としては世界最高であり、化学的に合成された高強度ハイドロゲル材料とも遜色ない強度であることが確認された。
本研究の成果は、たんぱく質を素材として、体内に残留せずに一定期間後に吸収されるような医療用素材など、実用的な強度を持つ新たな機能性材料や、新たな食感の食品の開発への応用が期待される。
今日の天気は、朝からスッキリしない、曇空。気温は、最高気温数℃と2月の平均的かな。
散歩道で”ロウバイ”の花を見る。”ロウバイ”は2種類ほどが知られており、この花は”ソシンロウバイ”。”ロウバイ”は中央部が暗紫色で、花弁は黄色。”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”は、蝋細工の様な艶のある黄色で、中央部の色も黄色。花弁も花中心も同じ(黄色と同色)なので、”ソシンロウバイ”と付いている。
名(ロウバイ:蝋梅)の由来は、「蝋細工の様な梅に似た花」説、「花色が蜜蝋(みつろう)に似ている」説、「臘月(ろうげつ、旧暦の12月)に、梅に似た香りの花」説がある。
ロウバイ(蝋梅)
別名:唐蝋梅(とうろうばい)、唐梅(とうばい、からうめ)
ロウバイ科ロウバイ属
落葉低木(丈は2m~4m)
中国原産、17世紀頃に渡来
開花時期は1月~3月
花径は2cm程、花色は花弁も花中心も黄色
金属・セラミクスに代わる次世代の材料として、生体高分子であるたんぱく質があり、絹・クモ糸など繊維状のたんぱく質を素材とした強靭な材料開発が行われている。一般的にたんぱく質は、微生物や細胞の培養により生産されるが、時間も費用もかかる方法である。これより、研究グループは、大量生産の手法が確立しており、安価に入手が可能な食品たんぱく質に注目した。
鶏卵の白身を加熱すると固まる、と言う現象(加熱ゲル化現象)を応用する。鶏卵の卵白には100種類以上のたんぱく質が含まれ、そのうち数種類のたんぱく質が、卵白の加熱ゲル化現象に主に関わっている。しかし特定のたんぱく質の精製は時間と費用のかかる作業であるため、研究グループは未精製の卵白たんぱく質を実験に用いることにした。鶏卵より分離した卵白を、市販のキッチンネットで濾した後に、水を加えて撹拌することで、均質化した卵白たんぱく質水溶液を得た。
白身にはたんぱく質が豊富に含まれ、加熱前は水に溶けた状態で存在する。加熱するとたんぱく質は変性し、ランダムに集まることで不均一なネットワーク構造を形成し、液状だった白身は水を含んだゲルとなって固まる。しかし加熱してゲルとなった白身の強度は低いため、そのままでは材料として利用することはできない。
これまで、たんぱく質にイオン性界面活性剤を加えることで、水中のたんぱく質を一瞬で凝縮させ、一定間隔に集積させる技術を開発してきた(2016年12月26日 混ぜるだけで迅速に水溶液中のたんぱく質凝縮に成功)。そこで、このたんぱく質凝縮化技術を応用し、卵白たんぱく質を一定間隔に集積させた上で加熱し、均一な構造を形成し、強度の高いゲル材料を作製した。
この状態のたんぱく質を70℃で加熱したところ、白く不透明に固まった。この物質は内部に80パーセントの水を含むハイドロゲルであることが確認された(卵白たんぱく質凝縮体ゲル)。さらに卵白たんぱく質凝縮体ゲルは、たんぱく質分解酵素によって分解されたため、たんぱく質によってネットワーク構造が形成された生分解性物質であることが確認された。
荷重をかけると17分の1の厚みに薄くつぶれるほどの柔らかさを持ちつつも、最大で34.5メガパスカル(1円玉に1,000キログラムの圧力状態)と通常のゆで卵の白身の150倍以上の強度を示した。
卵白より作製された物質の強度としては世界最高であり、化学的に合成された高強度ハイドロゲル材料とも遜色ない強度であることが確認された。
本研究の成果は、たんぱく質を素材として、体内に残留せずに一定期間後に吸収されるような医療用素材など、実用的な強度を持つ新たな機能性材料や、新たな食感の食品の開発への応用が期待される。
今日の天気は、朝からスッキリしない、曇空。気温は、最高気温数℃と2月の平均的かな。
散歩道で”ロウバイ”の花を見る。”ロウバイ”は2種類ほどが知られており、この花は”ソシンロウバイ”。”ロウバイ”は中央部が暗紫色で、花弁は黄色。”ソシンロウバイ(素心蝋梅)”は、蝋細工の様な艶のある黄色で、中央部の色も黄色。花弁も花中心も同じ(黄色と同色)なので、”ソシンロウバイ”と付いている。
名(ロウバイ:蝋梅)の由来は、「蝋細工の様な梅に似た花」説、「花色が蜜蝋(みつろう)に似ている」説、「臘月(ろうげつ、旧暦の12月)に、梅に似た香りの花」説がある。
ロウバイ(蝋梅)
別名:唐蝋梅(とうろうばい)、唐梅(とうばい、からうめ)
ロウバイ科ロウバイ属
落葉低木(丈は2m~4m)
中国原産、17世紀頃に渡来
開花時期は1月~3月
花径は2cm程、花色は花弁も花中心も黄色