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微生物のように発酵をする「人工細胞」が開発される

2018-02-06 | 科学・技術
 慶應義塾大学理工学部の藤原慶専任講師と土居信英教授らの研究グループは、微生物を模倣した人工細胞が、微生物が行う発酵生産のように持続的に化合物を変換可能であることを実証した。
 酒や納豆などの発酵食品は、微生物が持つ酵素によって作られる。
 研究チームは脂質二重膜小胞(油の薄い膜でできた)直径約5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの粒子を人工細胞として作製し、その中に、納豆菌・テキーラ醸造菌・パン酵母の3種類の酵素を組み込んだ。乳酸の溶液に人工細胞を入れると、内部でエタノールを合成する反応が進んだ。10日間で最大約0.5%がエタノールに変わった。温度をセ氏4度に保つと反応が持続した。通常の微生物は糖を原料にアルコールをつくる。人工細胞によってできるアルコールの量はまだ少ないが、微生物に似た形状にすることで、酵素だけに比べて反応効率は最大12倍に向上した。最低限の酵素だけで作製できるため、不純物も混ざりにくいと言う。
 因みに、エタノールは酒の主成分であり1%を超えると酒類として認定されることから、人工細胞を用いて酒を造れる時代の到来も期待される。(日本酒の平均的な度数は大体15~16度である)