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曲げられる有機ELパネルを、塗布法で長寿命化する

2018-02-10 | 科学・技術
 山形大学の硯里善幸准教授らは、コニカミノルタと共同で、曲げられる有機ELパネルを、塗布法で長寿命化することに成功したと発表した(2月9日)。長寿命化の障害となる、空気中の水分などに触れることによる劣化を防ぐ封止膜を、真空成膜を使わずにつくる世界初の技術で、有機EL素子の寿命を従来の2倍以上の約2万時間に延ばし、製造コストも下げられる。
 水分による劣化防止は、ガラス基板では有機EL四辺を接着剤で封印し吸湿剤を入れるのが一般的である。フィルム基板の曲げられる有機ELは多数の膜を重ねる多層構造で、真空成膜する層と大気圧下で塗布する層を交互に重ねる必要があり、パネル製造コストを押し上げていた。大型テレビなどで採用され普及し始めた有機ELは今後、曲面タイプや、巻き上げられるロールスクリーン型など様々な用途に使う動きが急速に進むと見られている。
 硯里准教授らが開発したのは、液体をフィルム上の有機EL電極に塗って2層の封止膜をつくる技術。真空成膜を用いずに塗布するだけで完結する。これで低コスト化できるため、低価格化が要求される照明へも展開しやすくなる。
 成果は、14日から東京ビッグサイト(東京・江東)で開かれるプリンタブルエレクトロニクス展に出展、学会などで発表する。
 ◆有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)
 有機物に電圧をかけると発光する。有機ELとは発光を伴う物理現象であり、その現象を利用した有機発光ダイオード(ゆうきはっこうダイオード: OLED)や発光ポリマー(はっこうポリマー: LEP)とも呼ばれる製品一般も指す。
 発光素子は発光層が有機化合物から成る発光ダイオード(LED)を構成しており、有機化合物中に注入された電子と正孔の再結合によって生じた励起子(エキシトン)によって発光する。日本では慣習的に「有機EL」と呼ばれることが多い。
 テレビなどの有機ELパネルは、バックライトや発光に必要な放電スペースが不要なため、非常に薄く作ることができる。また、他の方式に比べ、構造が単純なので薄型化、軽量化が可能である。

 今日は朝から少し暖かい。最高気温10℃とか。少し急いで歩くと汗が出る。
 鉢植えの”カネノナルキ”に花が咲いている。
 ”カネノナルキ”は、葉は丸く厚みと光沢があり、葉の辺縁部は紅色となる。この葉形は硬貨を想像させ、これから”金のなる木”と名を付けた、と言う。英語では「dollar plant」とか。花言葉は”一攫千金”らしい。別名には、”カゲツ:花月”、”オウゴンカゲツ:黄金花月”、和名には”縁紅弁慶(ふちべにべんけい)”など。
 カネノナルキ(金のなる木、成金草)
 別名:花月(かげつ)、黄金花月(おうがんかげつ)、縁紅弁慶(ふちべにべんけい)
 ベンケイソウ科クラッスラ属
 常緑低木、多肉植物に分類(木ではない?)
 南アフリカ原産、昭和初期に渡来
 開花時期は12月~4月、花は品種により咲かないものもある
 花色は花びらの先が淡いピンク色の白色、淡いピンク


2017年の特殊詐欺被害は390億円、件数は1万8千件と増加

2018-02-09 | 社会・経済
 警察庁は、2017年に全国の警察が認知した振り込め詐欺などの特殊詐欺は1万8201件(前年比28.6%増)で、7年連続で増加したと発表(2月8日)。被害総額は約390億3000万円(前年比4.3%減)と3年連続で減少した。手口別では、「おれおれ詐欺」・「架空請求詐欺」がそれぞれ約1.5倍に急増した。
 被害者は65歳以上が全体の72.3%。女性が72.4%、男性が3割弱だった。
 被害の手口別では、
 ▽オレオレ詐欺
  8475件(前年比47.3%増)、被害額203億4000万円(前年比21.7%増)
 ▽有料サイトなど情報サービスの利用料金などを求める架空請求詐欺
  5754件(前年比53.8%)、被害額127億9000万円(前年比19.2%減)
 ▽「医療費の払い戻しがある」などとだます還付金等詐欺
  3137件(前年比14.8%)、被害額35億9000万円(前年比15.8%減)
 以上の三つの手口で認知件数の95%、被害額の94%。
 被害は都道府県による増減の差も大きい。愛知など5県は被害額が前年の半分以下だったが、東京・埼玉・千葉・神奈川・京都・福岡など16都道府県は被害額、認知件数ともに増えた。
 認知件数は統計を始めた2004年の2万5667件をピークに、10年に3分の1以下の6888件に減った後、再び増加。被害額は過去最悪の565億円だった14年から減り、17年は実際に被害の出た約1万7千件で1件当たりの被害額が26.3%減の226万円だった。

冠攣縮性狭心症患者の長期予後を予測するバイオマーカーを開発

2018-02-08 | 医学
 東北大学病院循環器内科の下川宏明科長・高橋潤講師・二瓶太郎医師らの研究グループは、「スイッチタンパク質」Rhoキナーゼの活性が、冠攣縮性狭心症患者の長期的な予後を予測するバイオマーカーであることを世界で初めて明らかにした。本研究は、現在長期予後を判断する指標が確立されていない冠攣縮性狭心症患者の新規バイオマーカーを同定した重要な報告で、難治性冠攣縮性狭心症患者の判別や治療への応用などへとつながることが期待される。
 研究グループは、血管平滑筋の収縮を促進するスイッチタンパク質であるRhoキナーゼの活性化が冠攣縮の発生機序において極めて重要な役割を果たしていること、末梢血白血球のRhoキナーゼ活性が冠攣縮性狭心症患者の診断や疾患の評価に有用なバイオマーカーとなることも明らかにした。一方で、冠攣縮性狭心症患者の治療後の経過(予後)に関する研究が日本や欧米で行われており、様々な予後因子が挙げられてきた。日本でも、冠攣縮研究会(代表世話人:東北大下川宏明教授)が実施した多施設共同研究から、院外心停止の既往・喫煙・安静時狭心症などの複数の予後因子が同定されてる。しかし、冠攣縮性狭心症患者の長期的な予後を予測するバイオマーカーは未だ確立されていなかった。
 研究グループでは、薬剤(アセチルコリン)を用いた冠攣縮誘発試験に基づいて冠攣縮性狭心症を確定診断した後、患者の末梢血白血球中のRhoキナーゼ活性を測定し、長期予後との関連を検討した。2011年12月から2014年5月までの間に174名が冠攣縮性狭心症と診断、末梢血白血球のRhoキナーゼ活性が測定され、その後の経過が観察された。診察時の検査では、冠攣縮性狭心症患者のRhoキナーゼ活性は、冠攣縮性狭心症でない患者と比較して有意に高いことが明らかになった。また、Rhoキナーゼ活性が高い値を示した冠攣縮性狭心症患者群では、低い値を示した冠攣縮性狭心症患者群や冠攣縮性狭心症でない患者群と比較して、冠攣縮発作による不安定狭心症や心臓死がより多く発生していた。さらに、冠攣縮性狭心症の指標となるリスクスコア(JCSAリスクスコア)に、末梢血白血球Rhoキナーゼ活性の測定結果を組み合わせることで、冠攣縮性狭心症患者の予後をさらに明確に判別できることを見出した。
 本研究成果は、末梢血白血球Rhoキナーゼ活性が、冠攣縮性狭心症患者の長期予後のバイオマーカーになることを世界で初めて明らかにした重要な報告である。新たな長期予後指標の発見によって、診断時点で長期予後不良患者を選別することが可能となり、ハイリスク患者や難治性患者における治療戦略の改善につながることが期待される。
 ◆冠攣縮性狭心症
 冠攣縮性狭心症は、心臓に酸素や栄養を運ぶ動脈(冠動脈)が痙攣して狭くなり、狭心症の症状がでる虚血性心疾患である。明らかな血管の狭窄が平常時には観察されないため、診断に特別な検査を必要とする場合がある。
 血管拡張薬の内服が主な治療法であるが、約1割の難治性患者では経過観察中に狭心症の再燃や心筋梗塞・突然死の発症の危険性がある。
 ◆JCSA(Japanese Coronary Spasm Association)リスクスコア
 わが国の冠攣縮研究会でおこなわれた多施設共同研究で開発されたスコア
 冠攣縮性狭心症の予後と関連する7項目、それぞれ重み付けを行い点数化し、合計する
 院外心停止の既往・喫煙・安静時狭心症・器質的有意狭窄
 多枝冠攣縮・発作時心電図ST上昇・β遮断薬の使用

 朝から晴れた。朝の風はとても冷たく、耐寒気温をドット下げる。
 散歩で見つけた、マンション玄関横の”セイヨウヒラギナンテン”の花。やっと咲きだした。開花期間は冬(11月~翌1月)だが、冷たい気温のせいか遅れてる。
 花は噴水の様に枝先から長く総状花序を散形に出し、横~下向きの花穂に沢山の小さな黄色い花が咲く。枝の付け根から順次上へと咲く。
 ”セイヨウヒイラギナンテン(西洋柊南天)”は”ヒイラギナンテン(柊南天)”と”オイワケヒイラギナンテン(追分柊南天:マホニア・ロマリフォリア)”の種間交雑種と言われる園芸種と言う。花の咲き方は”オイワケヒイラギナンテン”に似ている(冬に咲く、黄色の花、上向き花穂)。柊南天(ひいらぎなんてん)の花は3月~4月に咲き、西洋柊南天(せいようひいらぎなんてん)の花は11月~翌1月に咲くので冬咲きの柊南天と言われる。
 セイヨウヒイラギナンテン(西洋柊南天)
 学名:Mahonia x media Charity
 別名:マホニア・メディア・チャリティー(学名から)
 メギ科ヒイラギナンテン属
 常緑広葉低木
 開花時期は11月~翌1月
 花穂は噴水の様に上向き、花は芳香があり径数mm、花色は黄色
 果実は楕円形で青色~青紫色


世界最小級ロケット、打上げ成功

2018-02-07 | 科学・技術
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月3日午後2時3分、人工衛星を軌道に投入できるロケットとしては世界最小の「SS-520」5号機を鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。同機は打ち上げ約7分半後に搭載していた東京大学が開発した超小型衛星を予定軌道に投入した。
 「SS-520」5号機は、全長約10m、直径約50cmの電柱サイズで重さは2.6トン。H2Aロケットの約5分の1、小型ロケットのイプシロンの半分以下。現在世界の宇宙ビジネスでは超小型衛星の打ち上げ需要が高まっており、JAXAはこうした需要に対応することを目的に既存の小型固体燃料ロケット「SS-520」(1号機は1998年打ち上げ)を大幅に改良し、多くの民生部品を活用して低コストの改良型「SS-520」を開発した。改良型として初の4号機は昨年1月の打ち上げに失敗した。その後JAXAなどは多くの部品を改良して今回の打ち上げ再挑戦に臨んだ。
 今回の超小型衛星は東京大学超小型衛星センターが開発した「TRICOM-1R(トリコム・ワンアール)」。縦横約10cm、高さ約30cm、重さはわずか約3Kgだが、地球を周回しながら地上とデータのやり取りをしたり、広い範囲の地表を撮影したりする。
 ◆小型ロケット「SS520」と国産主力ロケットの比較
      全長(m)  費用(億円)
 H2A     53    約100
 イプシロン 26    約 40
 SS-520   9.54   約 5

 今日は朝から良く晴れた。気温は低く、歩道などに雪がまだ積もっている。
 先月(1月)の始めに、”ステラ”の花が咲いていた。風邪で暫く寝込んでいた、1月遅れの紹介。
 咲いていたのは、”ブライダルステラ”。開花期は、1月~6月と9月~12月。冬でも楽しめる花だ。
 ステラ
 学名:Sutera
 オオバコ科スーテラ属
 多年草
 原産地は南アフリカ
 草丈は10~20cm程
 開花期:1月~6月、9月~12月
 花色は、白・ピンク・青・複色


微生物のように発酵をする「人工細胞」が開発される

2018-02-06 | 科学・技術
 慶應義塾大学理工学部の藤原慶専任講師と土居信英教授らの研究グループは、微生物を模倣した人工細胞が、微生物が行う発酵生産のように持続的に化合物を変換可能であることを実証した。
 酒や納豆などの発酵食品は、微生物が持つ酵素によって作られる。
 研究チームは脂質二重膜小胞(油の薄い膜でできた)直径約5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの粒子を人工細胞として作製し、その中に、納豆菌・テキーラ醸造菌・パン酵母の3種類の酵素を組み込んだ。乳酸の溶液に人工細胞を入れると、内部でエタノールを合成する反応が進んだ。10日間で最大約0.5%がエタノールに変わった。温度をセ氏4度に保つと反応が持続した。通常の微生物は糖を原料にアルコールをつくる。人工細胞によってできるアルコールの量はまだ少ないが、微生物に似た形状にすることで、酵素だけに比べて反応効率は最大12倍に向上した。最低限の酵素だけで作製できるため、不純物も混ざりにくいと言う。
 因みに、エタノールは酒の主成分であり1%を超えると酒類として認定されることから、人工細胞を用いて酒を造れる時代の到来も期待される。(日本酒の平均的な度数は大体15~16度である)

岩手県大槌町船越湾で発見、92歳の長生き貝

2018-02-05 | 生物
 東大大気海洋研究所の白井厚太朗助教らの研究チームが、岩手県大槌町船越湾で92年間生きた”ビノスガイ”という二枚貝を見つけた。
 東日本大震災の津波の影響を調べていた研究チームが見つけた”ビノスガイ”は、1960年のチリ地震と2011年の東日本大震災、二度の大津波を生き延びたことになる。
 ”ビノスガイ”は幅約10cmで、貝殻の断面にあるしま模様が樹木のように年輪になっていることを確かめ、年齢が分かった。因みに、年輪の数え間違えが無いかを確認するために、年輪計数により1950年以前に形成されたと判断された部位に、1950年代に行われた核実験由来の放射性炭素が含まれていないことを確認した。しま模様からは、40~50年周期で成長速度が増減していることも判明。大西洋の長周期気候変動と似た傾向だといい、白井助教は「太平洋と大西洋は北極海を介してつながっており、なんらかの共通するメカニズムがある可能性が考えられる」と指摘した。
 研究チームは北海道紋別市でも長寿のビノスガイを発見。日本一寿命が長い海産二枚貝としている。貝殻の成長状況を調べることで、観測記録がない時代の気候変動が分かると言う。
 ◆ビノスガイ(Stimpson's hard clam)
 地方名・市場名
 オオスダレハマグリ、カラガイ、カラマキ、ソバモヂ、ソバモチゲィ、タバコガイ、タボコガイ、ビノシガイ、マサソバモチ
 生息域
 海水生。東北以北。水深5m~30mの砂地。
 生態
 福島県~北海道の太平洋側でホッキガイ漁(ウバガイ漁)のときに混ざる。
 貝殻が厚く、熱を通すと硬くなるので人気がない。安い。
 殻長10センチ前後になる。
 貝殻は厚く、貝殻はほんの少し赤味を帯びた灰色。貝殻の表面にざらざらした輪肋がある。

史上最大の素数を発見、2,324万9,425桁(50番目のメルセンヌ素数)

2018-02-04 | 学問
 2^77,232,917-1  49番目のメルセンヌ素数
 (2,324万9,425桁)
 探査プロジェクト「GIMPS」は、史上最大の素数を発見したと発表(1月3日)。
 2016年1月に発見された素数(2^74,207,281-1)よりもほぼ100万桁大きい。
 発見者は、GIMPSにボランティアとして参加しているジョナサン・ペース氏
 ◆素数
 素数とは、1とその数字以外では割り切れない自然数。
 2、3、5、7、11・・・などで無限にあることが分かっている。しかし、どの数が素数なのか規則性が解明されておらず、大きな素数の発見は非常に難しい・・現在の所、数字を一つづつ検証するしかない。
 因みに、素数は暗号(RSA暗号:桁数が大きい合成数の素因数分解の困難さを使った公開鍵暗号の一つ)に用いられる。
 ◆GIMPS
 素数探索プロジェク(Great Internet Mersenne Prime Search)
 メルセンヌ素数の発見を目的として1996年に発足。
 分散型コンピューティングによって、参加者のコンピュータの余剰処理能力などを利用して解析、検証作業を行う。
 このプロジェクトでは、14のメルセンヌ素数を発見し、そのうち12が発見時には最大のメルセンヌ素数で、発見されている素数の中でも最大である。
 ◆メルセンヌ素数
 メルセンヌ素数とは、Mp=2のn乗-1で表せる素数
 25,964,951までに素数は162万2,441個あり、うちメルセンヌ素数はわずか42個しかない。

日本国際賞は、リチウムイオン電池開発の吉野氏とリンパ球を見つけた米豪の2氏に

2018-02-03 | 学問
 国際科学技術財団は、2018年(第34回)の日本国際賞を、リチウムイオン電池を開発した名城大学教授の吉野彰氏(70)、生体内で極めて重要な働きをする二つのリンパ球を発見した米国エモリー大学医学部教授のマックス・クーパー氏(84)とオーストラリアのウォルター・アンド・イライザ・ホール医学研究所名誉教授のジャック・ミラー氏(86)の合わせて3人に贈ることを決めた。同財団が、記者会見で発表した(1月30日)。授賞式は4月18日。
 ○吉野氏は「資源・エネルギー、環境、社会基盤」分野の受賞
 授賞理由は「リチウムイオン電池の開発」。吉野氏は1972年に京都大学大学院工学研究科修了。80年代初めに電池の電極にコバルト酸リチウムとカーボン材料を使うと電極間をリチウムイオンが行き来して電池の役割を果たすことを実証。リチウムイオン電池の原型を開発して1985年に特許出願した。その後1991年に旭化成などによって実用化された。この電池は小型で大容量の上、充電できるのが特長。ノートパソコンやスマートフォンなどのモバイル機器、デジタルカメラ、携帯型音楽プレーヤーや電気自動車など現在では幅広く利用されている。
 因みに、同氏はノーベル化学賞の候補としても期待されている。
 ○米国エモリー大学医学部教授のマックス・クーパー氏(84)と、オーストラリアのウォルター・アンド・イライザ・ホール医学研究所名誉教授のジャック・ミラー氏(86)。2人は「医学・薬学」分野の受賞。
 授賞理由は「Bリンパ球・Tリンパ球系列の発見とそれがもたらした疾患の病態解明と治療法開発」。
 両氏は、1960年代初めから精力的に分子生物学の研究を進め、体内に侵入した異物に対する免疫をつかさどる2つの主要細胞系列であるBリンパ球とTリンパ球の存在を明らかにした。国際科学技術財団は、近年注目を集めるがん治療薬や免疫疾患の新薬も2人の発見があったからこそ誕生した、としている。
 ◆日本国際賞(Japan Prize)
 日本国際賞は、「科学技術において、独創的・飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、人類の平和と繁栄に著しく貢献した」人物に対して、国際科学技術財団が授与する賞である。
 受賞対象は「物理、化学、工学」と「生命、農学、医学」の二つの領域で、受賞対象分野は1年に2つの分野である。受賞者には、各分野に賞金5000万円が贈られる。受賞者は生存者のみ。
 日本にもノーベル賞に匹敵するような賞が必要だとして、松下幸之助が基金(私財など約30億円)を提供。1983年に政府内で各機関からの協力が閣議決定された。1985年に第1回「日本国際賞授賞式」を開催。

 今日(2月3日)は節分。節分とは「季節の分かれ」を意味するもので、立春・立夏・立秋・立冬の前日である。明日(2月4日)は立春で、立春から立夏の前日までが、暦の上では春になり、立春を境に気温が上がるとされている。・・これから暖かくなると良いな。
 この節分での「豆まき」の行事は、平安時代頃から行われる宮中での年中行事で、近代にこの宮中行事が庶民に採り入れられたものである。季節の変わり目には邪気が入り易いと考え、その邪気を払うため「豆まき」を行う。豆を使うのは、まめ(魔・滅)→魔(悪い鬼)を滅する、などの説がある。

世界で最も革新的な企業100社、日本企業39社で昨年から5社増で世界最多

2018-02-02 | 科学・技術
 国際情報サービス企業クラリベイト・アナリティクス社(本社・米国フィラデルフィア)はこのほど、世界で最も革新的な企業・機関を選出する「Top100グローバル・イノベーター2017」を発表した。トップ100に日本から39社が選ばれた。今回が7回目で、日本は昨年と比べて5社増え、国別数で世界最多になった。
 国別選出企業数順位の2位は36社が選ばれた米国。次いで3位の7社のフランス、4位の4社のドイツ、5位の3社のスイスと韓国と続く。2社選ばれたのはオランダと台湾。1社は中国、フィンランド、スウェーデン、アイルランド。7回連続でトップ100に選ばれた日本企業は14社に上った。
 選出企業の分野別では、昨年よりハードウエア・電子部品製造と化学工業・化粧品分野の企業が目立って増加。ハードウエア・電子部品製造は昨年の29社から34社に、化学工業・化粧品分野は昨年の9社から12社にそれぞれ増えた。
 ◆Top100 グローバル・イノベーターの評価軸(分析方法)
 4つの評価軸を基本としている。特許数・成功率・グローバル性・引用における特許の影響力。分析対象は過去5年間、グローバル性」のみ過去3年間である。これらの分析には、以下のクラリベイト アナリティクスの各データベースを使用している。
 世界最大の付加価値特許データベース 「Derwent World Patents IndexTM(DWPISM)」
 特許調査・分析プラットフォーム 「Thomson InnovationTM」
 主要特許発行機関の特許引用情報 「Derwent Patents Citation IndexTM」 他
 ◆Top100 グローバル・イノベーター 2017受賞企業
  日本企業(アルファベット順)
 アイシン精機株式会社
 旭硝子株式会社
 株式会社ブリヂストン
 キヤノン株式会社
 カシオ計算機株式会社
 ダイキン工業株式会社
 富士電機株式会社
 富士フイルム株式会社
 富士通株式会社
 古河電気工業株式会社
 株式会社日立製作所
 本田技研工業株式会社
 株式会社ジェイテクト
 川崎重工業株式会社
 株式会社神戸製鋼所
 株式会社小松製作所
 京セラ株式会社
 三菱電機株式会社
 三菱重工業株式会社
 三井化学株式会社
 日本電気株式会社
 日亜化学工業株式会社
 新日鐵住金株式会社
 日産自動車株式会社
 日東電工株式会社
 日本電信電話株式会社
 オリンパス株式会社
 オムロン株式会社
 パナソニック株式会社
 ルネサス エレクトロニクス株式会社
 セイコーエプソン株式会社
 信越化学工業株式会社
 昭和電工株式会社
 ソニー株式会社
 TDK株式会社
 東レ株式会社
 株式会社東芝
 トヨタ自動車株式会社
 株式会社安川電機

アルツハイマー病の原因物質を高精度に検出

2018-02-01 | 科学・技術
 国立長寿医療研究センターと島津製作所は、アルツハイマー病の原因となる物質を血液中から90%程度の精度で検出する技術を確立した。島津製作所の田中耕一シニアフェローがノーベル賞を受賞した質量分析技術で調べる。脳内に原因物質が異常に蓄積されているか否かが早い段階で分かり、治療薬や予防薬開発につながる。
 新手法は採血後の血液から、質量がわずかに違う複数のアミロイドβ関連のペプチド(たんぱく断片)を調べる。それぞれの割合からアミロイドβが脳内に異常に蓄積しているかが分かる。
 日本とオーストラリアの60歳~90歳の患者232人の血液を分析した。発症の有無も含め、アミロイドベータの蓄積があるかどうかなどで分析した。陽電子放射断層撮影装置(PET)で脳内を調べた場合と比べ、新手法の検出精度は90%程度と高かった。また、発症していない人の約3割でアミロイドベータの蓄積が確認された。
 アルツハイマー病の根本的な治療薬や予防薬はまだ開発されていない。田中シニアフェローは「治療薬や予防薬の臨床試験をする際、分析サービスを提供できれば」と言う。
 ◆アルツハイマー病
 アルツハイマー病は、脳の神経細胞が減少、脳の中で記憶を司る「海馬」を中心に脳全体が萎縮、脳に「老人斑」というシミが広がる、脳の神経細胞に糸くず状の「神経原線維変化」が見つかる などの変化が現れる。
 脳の中にアミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまり出すことが原因の一つとされる。アミロイドβが脳全体に蓄積することで健全な神経細胞を変化・脱落させて、脳の働きを低下させ、脳萎縮を進行させると言われる。蓄積は、発症する20~30年前からである。
 アルツハイマー病を発症すると、記憶障害の症状が見られ、進行にともなって場所や時間などの認識ができなくなる「見当識障害」の症状が現れる。身体的機能も低下して動きが不自由になったりする。進行の度合いには個人差があり、わずか数年で寝たきりになってしまう人もいるが、10年経っても自立して穏やかに暮らしている人もいる。
 アルツハイマー病の根本治療はまだなく、抗認知症薬で病気の進行を遅らせることができる。
 ◆アルツハイマー病患者数
 WHOの統計によれば、2010年のアルツハイマー病患者は約3560万人で、2030年には約6570万人、2050年には1億1540万人に増える見込みだ。
 日本における、65歳以上の認知症患者数は462万人(2012年)で、6~7割がアルツハイマー病と見られている。
 ◆アミロイドベータ(アミロイドβ)
 これまでアミロイドβの蓄積を調べるには、高額な費用がかかるPET(ポジトロン断層法、陽電子検出を利用したコンピューター断層撮影技術)や、脊髄に針を刺して採取した髄液を分析する。