ことしはバスツアーが来ないので、松代商店街としては3年前(前回のトリエンナーレ)よりも客は少ないらしい。それでも池田さんは「東京で個展をやるよりずっとお客さんが多い。こんなにたくさん見に来る人がいるとは思わなかった」と話していた。
今回のトリエンナーレでは、何度も現地に下見に来ているが、総合プロデューサーの北川フラムさんもいっしょにまわってくれたという(当初から松代で発表するときまっていたわけ . . . 本文を読む
なんとびっくり、会場には池田さんがいらして、作品「家の年輪プロジェクト」の記録のためビデオカメラをまわしていたのだ。
このblogの読者には池田緑さん(帯広)の作品をごらんになった方も多いと思うが、近年は「マスクプロジェクト」と題し、樹木にマスクをかけるなどの行為や、それを記録したビデオを通して、地球環境の悪化や新型肺炎などの問題を浮き彫りにしている。美術の勉強のためにニューヨークに短期留学 . . . 本文を読む
松代(まつだい)は、旧宿場町らしい街並みもすてきだったが、ホスピタリティというか、歓迎の心にも、ちょっと感動した。
冒頭の画像は、商店街の一角に設けられた無料休憩所。筆者は、チェックアウト後で重い荷物をかかえていたため、ひとやすみしていたら、地元の女性が
「すいません、すいません」
と駆け寄ってきて、冷たい麦茶をごちそうしてくれた。
すいません、だなんて、こっちがタダで休ませてもらっているの . . . 本文を読む
松代商店街、通称「松之山街道」の続き。古い家と街並みがすきな筆者は、もう大喜びである。冒頭の画像はお茶屋さん。渋いなあ。
つぎは肉屋さん。
自動車交通が国道に回ってしまったこともあるし、たたんでしまった店も散見され、「活気あふれる」とまではいかない。それでも「さびれてしまった」というほどではなく、いい感じで店と家がたちならんでいる。
それらの店先や空き店舗を利用するかたち . . . 本文を読む
明けて8月16日。東京を経て札幌に帰る日。その前に、越後妻有アートトリエンナーレで、見に行かなくてはいけないところがある。
きょうも晴れて、暑い日になりそうな気配だ。
前日のバスツアーで立ち寄るものとばかり思っていた松代(まつだい)地区。けっきょく農舞台にしか行かなかったので、16日の朝にひとりで訪れることにした。松代には、ことし出品の池田緑さん(帯広)の作品があるのだ。越後妻有に行くかどう . . . 本文を読む
昼は「越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ 大地の芸術祭」でたっぷり美術鑑賞、夜はうまい地酒を飲んで地元の人と会話を楽しみ、すっかり良い心持になった筆者は、酔いざましもかねて、夜の十日町をぶらぶらと散歩した。
ふと思い立って、今回のトリエンナーレで評判になっているという、レアンドロ・エルリッヒ「妻有の家」を見に行くことにする。
しかし、夜おそかったため、作品にはシートがかけられ、見ることは . . . 本文を読む
8月15日に新潟県十日町市などで見た越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ大地の芸術祭の感想を延々と書いているわけだが、35度の猛暑の中でたっぷり美術鑑賞を堪能したあとで考えることは、ひとつしかない。つまり、うまいビールが飲みたい、である。ホテルを出て、十日町の中心街をほっつきあるきだした。 十日町は、飲み屋が密集しておらず、商店街のあちこちに点在している。筆者が旅先でひとりでのみに出るのはほと . . . 本文を読む
(承前)もっとも、アートに、高齢化や交付税削減などによって元気のない地方経済を、ほんとうに浮揚させる力があるのかどうかは、専門家でない筆者にはわからない。冒頭の画像は、十日町の中心商店街にあった「娯楽会館」跡の廃墟だ。
中心商店街は、駅通りや本町通りはそこそこ店が開いていたが、「コモ通り」はみごとなまでの「シャッター街」であった。単に、お盆休みだったのかもしれないが。
東京などから人が大挙して . . . 本文を読む
画像は、松代・農舞台の裏山にある、田中信太郎「○△□の塔と赤とんぼ」。高さ14メートルという。地元の「こへび隊」の人が言う。
「第1回のころは、トリエンナーレ反対派の急先鋒の人が『赤トンボはあんな風に飛ばない。撤去すべきだ』と主張してたんですよ。その人、今はすっかりトリエンナーレの応援団になっていますけどね」
もっぱら大都会で制作と鑑賞がおこなわれてきた現代美術が、いきなり越後妻有という過 . . . 本文を読む
バスは午後6時過ぎ、出発地の十日町駅前にもどってきた。おつかれさま~。
重たい荷物を持って、駅徒歩6分のところにある、妙な名前のビジネスホテル「むかでや」へ行き、チェックイン。
6階建てのホテルといっても、耳の遠いおばあさんがひとりでフロントにいるような宿だ。
駅とホテルの間にも作品があった。
冒頭の画像は、千葉大学栗生明研究室有志による「ユキノミチ」。
ただの「はさがけ」に見えるが . . . 本文を読む
日が傾き、バスツアーもいよいよ最終盤。最後の目的地は、口コミで評判がひろがり、途中からツアーに組み込まれることになったという、十日町・中平地区の菊池歩(あゆみ)「こころの花」。ビーズでつくった花がブナ林に広がるという、美しい作品だ。
上遠野敏さんからの投稿でも「今回№1」とあったように、世評は高いようだ。
とくに女性からの人気が抜群だという話を現地でも聞いた。
この時間の見 . . . 本文を読む
この農舞台の建築も、2003年の作品ということらしい。筆者は「機動戦士ガンダム」に登場するホワイトベースを思い出してしまった。
前項で述べたように、この中にも多くの作品が設置されているほか、レストランも併設されている。
筆者はまったくノーマークだったのだが、ガイドブックには、農舞台のところに「キタバランドスケーププランニング」の名が記されている。これは北海道の団体らしいが、どこに作品があった . . . 本文を読む
バスは、北越急行(ほくほく線)の松代(まつだい)駅に隣接する「まつだい雪国農耕文化村センター・農舞台」に到着。ここで25分ほど休憩し、施設の内外に展示された作品を鑑賞したり、お土産を買ったりする時間となった。しかし、「北海道美術ネット」としては、道内関係者の作品はおさえておきたいところ。農舞台の裏手の山のなかにもたくさんの作品があり、札幌の小林重予さんの作品が設置されているということを知っていた . . . 本文を読む
バスはさらに旧松代(まつだい)町の細く曲がりくねった道を走り、山あいの儀明(ぎめい)集落へ。ここに、わらぶきではなく青のトタン屋根なのですが、なんともいい感じの、小樽にでもありそうな、大きな構えの木造住宅があり、内部が丸ごと作品になっていました。
以前は、酒屋さんだったそうです。
2階には、せまい梯子段でのぼります。
2階の内部の壁は、白く塗られ、赤でユーモラスな絵が描かれ . . . 本文を読む
バスは、ヘアピンカーブが連続するせまい道を越えて、旧松代(まつだい)町の莇平(あざみひら)集落にある「明後日新聞社」に到着。ここは、有名な日比野克彦さんが廃校跡の校舎を利用して、週刊の「明後日新聞」を発行したり、ワークショップをひらいたりしているところである。かなりの山間部で、バスに同乗していた地元・十日町のこへび隊(ボランティア)の女性も、きょう来るのが初めて、と言っている。
ガイドブックに . . . 本文を読む