遠藤彰子展の初日、大勢の人が会場に訪れていた中で、山内透さんから個展の案内状を手渡されました。
個人的な話をすると、実は肌にボツボツができていたり、小さなへこみや穴が無数にあいていたりするのが、非常に苦手です。高所恐怖症や尖端恐怖症のようなもので、ボツボツへの嫌悪感が物心ついたときから強いのです。「フォビア」と言っても良いでしょう。
したがって、自分にとっては山内さんの絵というのは、こういう . . . 本文を読む
(承前。(3)はこちら)
会期が残り少ないので、シリーズの(4)より先に、こちらの(5)を先にアップします。
深川駅前にあり意欲的な絵画展を次々に企画しているアートホール東洲館で、案内ポストカードを見て「Cafe & Lunch ガーディ」にやって来ました。
納内と深川のメインルートである道道沿いにあり、明るい色の建物なので、すぐに分かりました。
札幌・深川から旭川の方を向いて . . . 本文を読む
札幌の道展会員で、昨年あらたに新制作協会の会員になった塚崎聖子さんが6年ぶりの個展を開いていました。
どこか初期ルネッサンスを思わせる人物描写、丁寧に処理されたマチエール、絵画世界を引き立てる古材を使った自作の額と、その中に描かれたステンドグラスの窓のような小さな絵の数々など、独自の世界を存分に展開しています。
「黒い雨音」。
天使がらっぱを持って空に浮かび、空が泣いているような . . . 本文を読む
会場のカフェエスキスのサイトに「開催にあたって」という文章が載っていました。
すこし長いですが、全文を引用します。
ギャラリーや美術館とは異なるカフェの空間では、作品を遠くで見ざるを得ないタイミングが生じます。その生じた距離感を含めて作品(単体として/空間として)にしたいというのが今回の展覧会の出発点でした。近くで見る場合においての作品の「個」として作品のあり方、遠くで見る場合においての「群 . . . 本文を読む
2022年に札幌大谷大を卒業した2人の絵画展。
水彩画を掛け軸ふうに仕立てた Leda さんと、非常に精緻なペン画の Rui さんです。
Rui さんが全体の4分の3の壁面を占めていてポストカードなども売っていたので、ついRuiさん中心の記事になってしまい、Leda さんの作品の写真を撮ってくるのを忘れました。すみません。
Rui さんは大学では版画を学んでいましたが、本当に取り組みたい . . . 本文を読む
ギャラリーミヤシタや this is gallery で個展を開いたり、CAI02 のグループ展に参加したりする一方、札幌時計台ギャラリーでの絵画グループ展に出品もするなど、活動歴が長い人。
ゼロ年代後半から10年余り、発表の少ない時期が続いていましたが、活動を再開しています。
長く抽象画を手がけてきましたが、今回は鉛筆による具象画。背景は白いままです。
ご本人と少し話したところでは、 . . . 本文を読む
2016、17年と新道展で協会賞(最高賞)を2年連続で受賞し、18年に新道展会員になった恵庭の水高和彦さん。
近年は個展やグループ展も含め活発に制作・発表を続けています。
ただし「さいとうギャラリー」での個展は6年ぶり。
苫小牧の勇払海岸で拾った木の棒などを貼り付けています。
ジャンクアートにありがちな雑然とした感じはなく、最終的に白で塗り固めているので、清潔で落ち着 . . . 本文を読む
1923年(大正14年)根室生まれ。ほどなくして苫小牧に移り、武蔵野美術学校に入ったものの兵役で中断。戦後、武蔵野美大に復学した後、苫小牧に戻って教壇に立つ傍ら、風景画を中心に描き、2002年に歿した画家の回顧展。
全道展会友で、国展にも出していたが、40歳で団体公募展への出品を取りやめたこと、50歳前後に研修として欧洲に2度長期滞在したこと、57歳で早期退職し画業に専念したこと…。戦中の召集 . . . 本文を読む
(承前)
オオカミを題材にした絵画で知られ、近年は台湾のアートフェアに出品するなど活躍の場を広げている高橋弘子さん(札幌)の個展。
今回の個展は、壁面のあまりない飲食店ということもあり、店数も10点ほど。既発表作が多いですが、発表が多い作家で、すべて見て回るのも困難なので、これはむしろありがたいです。
個人的には、オオカミ以外の作品がたくさんあることに目がいきました。
冒頭画像の左側 . . . 本文を読む
朝日章さんですが筆者は2007年、今はなきアートスペース201の全5室で開かれたグループ展「FIVE ENERGY」で、高層集合住宅を批判的なまなざしでとらえた作品を見たのが最後で、じつに17年ぶりに作品を拝見しました(その間も発表はしていたようですが、筆者は札幌にいなかった時期と思われます)。
今回の会場には、すべてF6のキャンバスに描かれた335点が並び、壁に掛けきれない大量の作品 . . . 本文を読む
香取正人さんは、新道展とグループ「環」に所属する大ベテランの風景画家。
すばやい筆遣いが魅力です。
札幌時計台ギャラリーが閉まるとき、もう個展はしないという話をなさっていたと思うのですが、小品展というかたちで機会ができて、うれしいです。
湖を描いた20号の作品で、このサイズが今回は一番大きいです。
雪融けが進む早春、まだ凍っている部分と、とけて湖面がのぞいている部分が交互に描かれ、全 . . . 本文を読む
道教大岩見沢校の大学院を修了した若手、小松美月さんの、札幌では初となる個展。
これまであちこちで見た記憶があるので、札幌初ということばに意外と感じましたが、北都館での3人展、ニューオータニイン地下での2人展、二紀展の北海道支部展などで見ていて、印象に刻まれているのでした。
小松美月さんの作品はすべて具象で、室内風景や静物をモチーフにした絵が多いです。
風景もありますが、人物メインの作品は . . . 本文を読む
韓国人とおぼしき2人(少なくとも1人は女性)による絵画展。
1人はイラストレーション寄りで、韓国の名門・梨花女子大卒の1人は、立体的な試みも取り入れるなどファインアート寄り。
そもそも韓国の作家が突然札幌で2人展を開いていることが謎めいているのですが、もっと不思議なのは、まったく同じ展示が、札幌市資料館ミニギャラリーで昨年12月12日から17日まで開かれて . . . 本文を読む
案内のメールは来ましたが、略歴も作家ステイトメントを書いた紙などは会場になく、どこを拠点とするどんな人なのかもわかりませんでしたが、札幌拠点で海外でも活動している抽象画家山本雄基さんのアシスタントを務めていたとのこと。
緻密な計算に基づいた「冷たい抽象」を描く手伝いをしてきたわけですが、今回の(おそらく初の)個展は、絵の具を相当な厚さまで盛り上げた絵が多いです。
冒頭画像は、右が「spik . . . 本文を読む
2007年に個展を見たとき、中田やよひさんが「物のまわりにある空気も描きたいんです」という意味のことを語っていたのが、印象に残っています。
その後、2019年に、琴似のカフェ北都館ギャラリー「名画の小部屋」で小さな個展を開いています(会場内の年譜には記載なし)。さいとうギャラリー恒例の年2回の企画展には少なくとも20年以上は皆勤ですし、全道展と道彩展の会員でもあるので、作品自体は、見る機会の多 . . . 本文を読む