北海道新聞4月3日の夕刊社会面に、かなりのスペースをさいて載っていた記事の全文です。
新聞には、3点のカラー写真も載っていました。
木田金次郎 未公開3点に光 岩内の美術館に寄贈や寄託 あすから企画展
【岩内】生涯、故郷の後志管内岩内町を拠点に活動し、有島武郎の「生れ出づる悩み」のモデルとなった画家木田金次郎(一八九三-一九六二年)の未公開作品三点が、同町の木田金次郎美術館に相次ぎ寄贈、 . . . 本文を読む
木田の地元、後志管内岩内町で塾講師を務める斉藤武一さんによる、画家・木田金次郎の評伝。
小説仕立てなのだが、「いかにも想像力をたくましくしました」的な、つくりものくさい部分はほとんどない。
やはり斉藤さんが、相当以前からたくさんの資料を渉猟してたしかな伝記を抜粋した上で、木田への敬愛をこめて筆を進めたためだろう。
ところで、木田金次郎といえば、近代日本文学屈指の小説家有島武郎が、代表作「生 . . . 本文を読む
昨年とおなじ書き出しになってしまうけれど、一水会は、戦前からの伝統ある全国規模の、官展系公募展だ(官展系=日展との重複出品を認める。二科会などは、日展への出品を認めていない)。
各公募展の個性が見えづらくなる中で、一貫して具象のみを対象としているのが大きな特徴だ。
ただ、この一水会道展・水光会展についていえば、道内の一水会関係者でもぜんぜん出していない人もいるし、逆に、とても一水会に出してい . . . 本文を読む
現展は、全国規模の公募展「現代美術家協会」の略称で、いわゆる現代美術ではなく、絵画や工芸が出品されています。道支部展はことしで36回目なので、わりとがんばっているほうですね。
個人的には、現展といえば2005年2月に亡くなった村上豊さん(後志管内余市町)のイメージが強いのです。村上さんが支部代表だったころは、道外からの招待作品の展示なども行っていました。とはいえ、村上さん亡きあとも、充実した展 . . . 本文を読む
札幌の若手で現在、もっとも精力的に発表をこなすとともに、個性的な写真を撮るひとり、竹本さんが、満を持して富士フォトサロンに登場です。
まるで記憶のひとこまのようなピンボケの不思議な映像は、いまはビデオに押されて見ることの少なくなった8ミリフィルムのコマを、専用の(じつは16ミリフィルム用)装置で撮っています。周囲の黒い部分や四角形は、フィルムの端やパーフォレーションが写っているのです。
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ことし「スネークアート」をふくめると、すでに4回目となる発表です。
とにかく個性的な絵を描く櫻井さんの真価がようやくみとめられ始めた、ということなんでしょうか。
今回の個展では、「千年王国、千年愛」の120号三部作がとにかく圧倒的でした。
フラミンゴ、大仏、イルカ、女の尻や脚…。めくるめくイメージの氾濫です。
しかし、いつもの櫻井さんと同様、具象的なイメージは一部で、あとは、緻密に計算 . . . 本文を読む
(承前。なお、このエントリの展覧会は、すべて15日で終了)
市民ギャラリーでは、公募北南会展(水墨画・墨彩画)、第21回北海道墨人展、第52回札幌墨象会展の3つ。
全国的にも活躍している墨象作家が数多く所属しているふたつの団体が、おなじ時期におなじ会場で書展をひらくのは、筆者の記憶にはない。最近では、初めてではないか(違ったら、ご指摘ねがいます)。
北南会は、ほぼ全点が風景画。冬の森など . . . 本文を読む
札幌在住の全道展会員で、昨年の独立展でみごと最高賞の独立賞を得るなど活躍めざましい木村さんがひっそりと(?)個展をひらいていました。あいかわらず、うまいです。とくに、今回は、中間色の配置の巧みさに、感服しました。微妙な色合いは、とてもデジタルカメラでは再現できそうにありません。
下の画像の、右側の絵は「遠い灯」(S20)です。中央の灰緑色にしろ、下部のしぶい朱色にしろ、とてもこんな色ではなく、 . . . 本文を読む
不勉強な人間のたわごととして、読み流していただければ幸いなのですが、今回島田鮎子さんの個展を拝見し、あるいはキュビスムは、こういうかたちへの発展もありえたのかな-という思いを持ちました。
彼女の絵を評するときは、この個展の副題も「たおやかな詩情」と題されていることからもわかるように、ムード的な側面を語られることが多いようです。もちろん、絵をどうやって見るかは、各自の自由ですが、もうすこし造形的 . . . 本文を読む
(承前)
北海道画廊の入っているHBC3条ビルは、大規模な改装工事中だった。
まあ、このビルも古いからなあ。
工事終了後は、ビルの名称が変わるようだ。
北海道画廊は、貸し画廊ではなく、商業系のギャラリーで、このタイプのギャラリーにはめずらしくときどき催しをひらいている。
今回は「伝説の道内画家 幻の作品展」。
といっても、田辺三重松など、とくに伝説といえない、一般的な大家もいるよう . . . 本文を読む
(承前)
富士フォトサロンで、竹本英樹 写真展「銀遊詩人」。
とてもおもしろい写真展だった。
テーマは「on the road」、そして記憶、といったところか。
18日まで。
大同ギャラリーで、木村富秋小品展。
あいかわらず、うまい。
「小品展」といいながら、100号の「鳥唄」などけっこう大きいのもある。
17日まで。
以上ふたつは、まだ会期が残っているので、おすすめです。 . . . 本文を読む
ことしは暖冬で雪も少なかったのだが、そのかわり、いつまでたっても冬が終わって春らしくなる気配がない。
なんなんだ、この天気は、と思いつつ外に出る。
南北線を幌平橋で下車、道立文学館へ。
「森と氷河のVOID 石川直樹写真展」。
写真は、密林を撮ったものが11枚、グリーンランドで犬ぞりなどを写したのが7枚。
作品そのものは悪くないが、18枚で500円は、ひどくないか。
これは . . . 本文を読む
個性的な絵を描く札幌の西澤さんの初個展です。
西澤さんは1941年、檜山管内の久遠(くどう。現在の北檜山町大成区)生まれ。
育った漁村で見たロープや漁具が、絵のモティーフになっています。
冒頭の画像は「海鳴り(待つ)」。
昨年の独立展に初出品で入選した作品です。(言わずもがなかもしれませんが、全国規模の公募展のなかで、独立はかなり高水準です)
こちらは200 . . . 本文を読む
ゆっくり書いている時間がないのですが、札幌で現代美術に興味を持っている人は、必見の個展だと思います。
あすくわしく書きます。
4月8日(日)-15日(日)12:00-21:00(初日14:00-)、micro.(中央区南5東3)
あと、札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)の西澤弘子油絵個展も個性的。
だけど、あしたまでなんだよなあ。
中途半端なエントリで申し訳ありません。 . . . 本文を読む
7日に見たのにアップが遅れてすいません。
米澤さんは全道展会員の画家。
1944年室蘭生まれ、札幌在住ですが、かつて後志管内倶知安町に住んでいたとき、同町在住で道内画壇を代表する存在だった小川原脩さんに絵をまなび、その関係で全道展と麓彩会(倶知安在住とゆかりの画家のグループ)に出品するようになりました。
全道展は1966年に初出品入選。71年と73年に奨励賞、74年に道新賞を得て同年会友 . . . 本文を読む