芳賀明夫の思いつくままに

フィジーから帰国して

宮城県美術館で、『前衛のみやぎ』

2009年07月31日 | Weblog
仙台の宮城県美術館で、『前衛のみやぎ』という展覧会の切符があるから、一緒に見に行かないかと、長谷川俊雄君に誘われていたので、行ってきた。昼食を美術館でとろうかと言っていたが、彼の車に乗せられてから、美術館はまずいのではないかというので、急遽、仙台駅の近くにあるアジュール銀禅に変更した。ゆっくりと食事をしたら、渋滞も加わって、美術館に着いたのが、14:30頃になり、15:20分仙台発のトヨマ明治村行きのバスに乗れないので、常設展も見て、18:00発ので帰省した。
『前衛のみやぎ』のひとりに仙台一高の美術の教師だった佐藤多都夫が選ばれていて、長谷川俊雄君は、高校で美術をとってそのえが佐藤多都夫先生に選ばれて校長室に飾られていたのだそうだ。長谷川君は今も絵を描いていて、旭川にいた時に開いた個展で絵を知らない人が買ってくれたと言う。私も一部の絵を見せてもらったが、売れたのが分かる魅力的な静物の絵だ。
私も小学校の時に、描いた絵が文部大臣賞を貰い、中学の美術の田口先生に天才的だと言われてその気になり、美大を受験しようかと言ったら、祖母に「美術などでは食って行けない、せいぜい絵の先生だ」と言われた。同じことを長谷川君も父上にいわれたそうだ。
常設展のほうでは、佐藤忠良の彫刻が特別室を設けられていて、その柔らかい線の表現が良かった。
常設展には、岸田劉生などやカンディンスキーなど日本や外国の有名な画家の絵もあったが、仕事で関係していた堀文子の絵本の原画も良かった。

宗教団体と政治

2009年07月30日 | Weblog
仙台市長選挙には、幸福の科学の会員が幸福実現党で立候補していたが、2700票余の得票だった。仙台市にはこれだけの会員がいるのかもしれない。少ないともいえるが、全国規模で考えれば、数万人の会員たちがいることになる。創価学会も公明党の代議士を送り込んで、与党に入り込み、キャスティング・ヴォートを握り、国政に大きな影響を与えている。与党の一角を担って国民のためと称して、自宗派の勢力拡張に傾倒すると、宗教的な信仰心で、善政を布いていると信じ込むから、甚だ始末が悪い。
幸福の科学は、もう数十年前になるが、私の勤めていた出版社の雑誌が、その宗教のうさんくささを報道したら、会社中のファックスに間断なく送信し続けられ、結局、業務妨害の判決を下されていた。一種の集団的ヒステリーである。宗教団体が政治に関わるというのは、集団的ヒステリーに国民を引きずり込むことがあるから、選挙での投票には信者以外の人は慎重を期さなければならない。
宗教は人類の幸福を追求することを、目的にしているのであろうが、幸福は、人に押し付けられるもものでもないし、個々の人間で幸福の受け取り方は違う。ある人にとって幸福なことでも、他の人には不幸であることは、枚挙にいとまがない。
現実生活に関わる政治であるから、目先のバラマキもありがたいが、将来も見越す政治が望ましい。

仙台と日本の将来像

2009年07月29日 | Weblog
仙台市長選挙が、ほぼ予想通りの結果に終わった。予想通りではあるが、望ましくない結果である。河北新報によると、今回選ばれた市長は市役所と市議会の殆どが、応援して当選したという。市議会の民主、自民、公明の全部が与党と言うことになる。
宮城県も仙台市も財政破綻状態の役所だ。日本国家と同じ、借金漬けである。
そこに市役所の出身者を選んだ仙台市民は、賢い選択をしていない。仙台市も宮城県もまずやらなければならないのは、財政立て直しである。景気対策と財政立て直しを同時に進められる首長は、そこで育った身内ではなく、外部の人間が相応しい。
新市長は、現市長に選ばれて副市長になっていたが、今年のはじめに、現市長が高校男女共学化に反対したのは、自分の方式と違うと言って副市長を辞職した人物だ。日本の役所は、中央も地方も、食糧輸入、裁判官制度、男女共学化など、全て米国本国にいわれるままの政策を布いてきている。
中国は、日本を抜いて米国債の保有第一位になり、米国に対して、ドルを防衛するように要求している。しかし、それも、そのうち米ドルから中国元に国際基軸通貨の移転を視野に入れた提案であろう。国家のあるべき姿を自ら描けない政治家官僚に対しては、独立したシンクタンクを作って、国家の将来像を作って行かなければならない。
日本は、国際貢献と称して莫大な円を沖縄とインド洋に放り棄てているのだ。

小学生時代の仲間に遇う

2009年07月28日 | Weblog
猪股勝喜君という同級生の母上が93歳で亡くなったので、その通夜に同級生が集まった。私は午後から照るちゃんと、半袖のYシャツを買いに行き、彼の車に乗せられてその家に行った。もう一人同乗した同級生は、久しぶりに会った八島岩根君だった。彼とは、子供のとき以来の再会である。小学校4年生の頃、私は、納豆売りのアルバイトをしていたが、岩根君は佐藤勇一君とアイスキャンディー売りをしていた。アイスキャンディーを箱一杯に詰め、それを自転車の後の荷台に積んでしっかりと締め、カランカランと鈴を鳴らしながら田舎道を走るのだ。二人とも私よりはずっと身体が小さいのに、その箱を積んで自転車を走らせていたのだが、私もそれをしようと思い箱を自転車の後の荷台に積むと、その重さで前輪が高く上がり、乗ることが出来なかった。彼らが出来てなぜ自分に出来ないのか分からない納得いかない気分であった。納豆売りは冬の深い雪道を歩くのであったが、夏は売れないから、代わりに彼らがしているアイスキャンディー売りをしようと思ったのだ。この二人は、小学校のころからよく働いていて、岩根君は今も鉄筋屋の役員をしているという。
我が家は女家族だけで、戦後間もなく農地解放に遇い、現金収入がなかったので、小遣い稼ぎをしなければならなかった。教科書以外の本は、自分で買うしかなかったので、稼いだ小遣いは殆ど、時代小説本を買うのに費消してしまった。

国破れて国民残る

2009年07月27日 | Weblog
国破れて山河在り、と言うが、征服した側は、山河の産物を獲得する。最近では、山河だけでなく、住民も残すようになった。産物の生産に必要だからだ。しかし、イスラーエルは、文字通り植民地統治をして、住民を抹殺している。同じことは、中国もティベット、ウィグルに漢民族を植民して、行なっている。中国のあふれる人口は、どこへでも出かけて行く。華僑は世界中に住み着いている。平和的な移住は結構だが、先住民を押しのけて、しかも、武器の力で押しのけるのは頂けない。
日本もかつて、欧米列強に倣って、植民地統治をしたが、その力の至らなさで、武力で敗北した。山河は残ったが、工業の付加価値を生産することで、米国本国に貢献している。国民に付加価値生産力があるから、住民皆殺しには遇っていない。しかし、農業は、米国本国の農業を残すために、不要化されている。このごろは、中国からの食糧輸入に頼るようになっている。だから田畑が、山河に変貌しつつある。
これは、インドの知識人と話した時のことだが、「工業製品は食すことが出来ない。いくら優秀な工業製品を作っても、それを作る民は、食事を必要とする」と言われた。
当たり前のことだが、日本では何でも金があれば買えると思われている節がある。しかし、国民が食うに困った時は、強盗でも人殺しでもする人間が出てくるのだ。今の政治にそういう危機感があるかどうか分からないが、華僑でも、外国に住んで工業製品を作っているのはわずかで、中華料理屋は必ずあるのであって、食物の重要性をもっと認識する必要があるのかもしれない。

次期政権は日本の独立を勝ち取れるか

2009年07月26日 | Weblog
三菱系の、そもそもの始まりは、英国と米国を背景にしたグラバー武器商人の流れを汲んでいることは以前に記した。その三菱は、武器輸入から武器製造をするようになって、前の大戦で敗北を迎えた。敗戦によって、マッカーサー司令部から三菱系財閥も解体されたが、吸収合併を繰り返して、現在は、再び、日本を代表する企業に成長した。
それに対して、三井系は、対等合併によって大企業になっているように見える。三井系は、三井物産が中核のようで、その戦略が、政治をも動かしているのではないか。
三菱系、三井住友系のいずれもが海外戦略を持って、海外進出をしている。
それに比して、日本の官僚には、海外戦略と言えるものがない。米国の海外戦略=日本国の海外戦略である。海外戦略ばかりではなく、国内の法整備も米国本国の指導に従っていて、それが官僚自らの身の安全なのだ。政治家も同じで、政権党は、常に、米国本国の決めた海外戦略に従って、インド洋給油、イラーク派兵、などの国際貢献=米国貢献をしてきている。米国の植民地であるから、政権を担った政権党は、自らの政権維持のため、米国本国の指示に従うしかないのだ。民主党政権になっても、おそらく、それは簡単には変えられないであろう。日本の政治、大手報道の中枢は、米国のCIAにしっかりと握られているのである。


三井住友系の企業とNHK

2009年07月25日 | Weblog
企業と政府が癒着しているのは、今に始まったことではないが、政府は、総務省を通して、NHKを政府に都合良く動かすことに専念している。福地NHK会長はアサビビールで住友銀行からのアサヒビール社長になった樋口廣太郎に抜擢され、アサヒビール社長になった。しかも三井住友系の古森重隆富士フィルムホールディング代表取締役と親しく、富士フィルムホールディングも中国に積極的に進出している企業だ。
先日、鳩山総務相を辞任に導いた西川善文郵政社長は元三井住友銀行頭取で、彼を郵政に取り込んだのは、郵政民営化で、下院の3分の?唐?超す議席を取った自民党、町村派である。その派閥の中には、森元首相や、自民党をぶっつぶすはずだった小泉元首相が、自民党最大派閥に成長させて納まっている。この派閥は、明らかに三井住友系であるが、三菱系ともうまくやっていることであろう。
金融を担う日本の銀行に関しては、三菱が一人勝ちしているように見える。それに対して、三井住友系は政治を通して猛烈な追い上げを謀っているのだ。銀行頭取は、大蔵省の幹部とも親しいから、政治が官僚主導になるのは当たり前だ。
西川善文もと三井住友銀行頭取を郵政社長から罷免しようとした鳩山総務相を三菱系は可愛く思っているであろう。

NHKの企業としてのあり方にもうひとつ

2009年07月24日 | Weblog
第19代日本放送協会(NHK)会長(2008年1月25日より)、福地 茂雄(ふくちしげお、1934年6月11日 生まれ)は、元アサヒビール社長・会長・相談役である。NHK経営委員会において満場一致で決まったわけでなく、菅原明子と保ゆかりの両委員が反対した。池田芳蔵以来20年ぶりとなるNHK外部から招聘された会長で、会長を外部から起用するという点では一致していた経営委員会ではあったが、菅原・保両委員は、福地が時の経営委員長であった古森重隆(富士フイルムホールディングス代表取締役兼CEO)と親しいことを問題視し、「会長と委員長が仲良く、昔からの知り合いとなると、程よい緊張感が保てるのか疑念も持つ人もいる」と述べ、報道業界の人間でないとし、独自に記者会見まで開き、次期会長就任に反対するとともに、元時事通信社解説委員長で元日本銀行副総裁の藤原作弥を推薦したという経緯がある。
海老沢勝二NHK会長のときに、9.11の事件が起きたが、これについて当時、私は、ブッシュ一味が起こしたマッチポンプの事件であろうと記した。テロと名前がつけば、何でも悪である風潮を作ったのだ。その化けの皮がはがれた現在になっても、テロと名をつけた法律がインド洋などに軍艦を送り出す根拠となっている。海老沢の退任後は、NHKも少しは、米国本国に盲従する市政が少なくなって来たかと思っていたが、今度は、福地会長の下で、中国に従属する日本放送協会となってしまった。

NHKの企業としてのあり方

2009年07月23日 | Weblog
本日のクローズアップ現代は、国谷さんではないが、先日の大雪山系の旭岳からトムラウシまでの悪天候の中での登山強行による中高年者の大勢の遭難について、その原因を追及しているものであった。NHKは、百名山の放送とそれをビデオなどのシリーズで売っているから、中高年登山のブームの火付け役でもある。それについて、どのような言い訳をするか興味があった。前にもNHKの最近の放送について疑問を呈していたが、つい最近では、日本の台湾植民地統治について、後藤新平が植民地統治に反対する分子を抹殺した強権的なやり方であると、非難していた。私はそれについて、逆な評価をしていたので、NHKのその放送がかなり偏向していると思っていた。
そうしたら、長谷川俊雄君もそれについては、台湾で取材された人々自身が、怒っていて、NHKは訴えられていると言う。NHKがそのような偏向報道をしたのは、今の会長が、自分の出身企業を中国で発展させるために、中国に媚を売っているのだと教えてくれた。
NHKの百名山ビデオ販売による利益追求についての口拭いといい、会長のNHK私物化といい、これでは、公共放送というよりは、普通の企業以下である。企業は、独自の技術で、社会性を持って販売して行かなければならないのであって、単なる利益追求では、人類の敵になるということを自覚しなければならない。

仏頂禅師の和歌

2009年07月22日 | Weblog
天和二年(1682)に徳川幕府から、寺領回復の決定を獲得して仏頂禅師は、鹿島根本寺に帰って隠居していた。その5年後の貞享四年(1687)八月に芭蕉は、鹿島の根本寺に隠居している仏頂禅師を訪ねているのだ。和尚と月見をしようというつもりだったようだ。夜明けに着いた芭蕉達一行は、和尚達を皆起こしてしまったようだ。しかし、その夜はあいにくの天気だったようで、和尚は、最初に次のような和歌を詠んでいる。
   をりをりにかはらぬ空の月かげも
       千々のながめは雲のまにまに
これは、そのときの自然を詠んでいるが、「も」という言い方で、他のことも指している。
すなわち、時に応じて一々変わることのない月の光とは、永遠や真理を指している。禅における一切の万有であり、それが迷いの雲に隠されているから、衆生は悩むことになるのだ、ということのようだ。
この歌に続けて、桃青を称していた芭蕉、宗波、曾良が続けて詠んでいる。