天気 晴
二日続けて外出して、寒さにうんざりしたので今日は洗濯日。洗濯機任せで乾燥機任せの作業だから疲れる訳ではないけれど。自分で洗濯をするのはごくごく少数派だ。クリーニングでなければ、業者に週一回依頼出来て無料。でも、洗濯くらいは自分の好きな時に好きなようにしたい。「洗濯仲間」の共通の思いは「下着も自分で洗えなくなったら、もうお終いだわね」
自分で洗えるのは、まだオムツの世話になっていない証拠でもある。
私よりも元気そうな人でも、洗濯してもらっている。タンスへの収納は無論自分でしなくてはならない(出来ない人や要介護なら別の料金が必要)。
ま、出来る間は入浴と同じで、自分でします。
さて、自分へのお祝いのバラ、その訳は・・
結社誌の新年号への投句を、10月初めの入院で欠稿したことは前に書いた。入会以来、20年以上経って初めてのことで口惜しかった。
で、11月10日締切だった2月号には無論、投句。このままずるずると休んでしまう訳にはいかない。
その2月号が昨日届いた。何と、巻頭20人の中に私が入っていた。同人制などない結社なので、巻頭に載る20人が、その月の結社の代表のようなもの。
年に少なくても平均1回以上は私もそのお仲間に入れてもらえているので、決して珍しいことでもない。でも、あの入院のときの句を主宰に選んでもらえたことがとっても嬉しかった。今までとは訳が違う。
誌上の句をスマホで撮ればいちばん楽なのだが・・運悪く、ページは2段組みになっていて、肝心の私の句が上段に2句、下の段に2句、と別れてしまった。写真には出来ないので再掲してみると・・
激痛の治まる日暮虫すだく KUMI
母のこゑ思ふ夜長を目瞑りて KUMI
秋晴や病名増やし退院す KUMI
二人坐す黙の間合を銀やんま KUMI
※黙(もだ)
著名俳人でもないのに自句自解する勇気はないが、「何で病室に虫の声?」というからくりを少しだけ補足すると・・
入院した3階の病棟の個室の目の前は、下の写真のような風景だった。
病院の1.2階が診察室や検査室・事務部門のあるところで、その2階の上が庭園になっていた。いわゆるルーフガーデン。私の入院していた個室は、下の写真の真ん中あたり。この写真は、退院の時にラウンジから撮ったもの。
主宰はこの風景を知らずに、でも虫の声の聞こえるところで激痛と闘っていた、もしかしたら自宅だった、と思ったかもしれない。そう思うと、ちょっと主宰には申し訳ない。でも、写真のとおりの秋草ぼうぼうの庭だったので、夜中の虫時雨はガラス戸越しながらも凄い迫力だった。点滴の鎮痛剤が効いてくると、虫の声に励まされた。スイッチョが窓のすぐ近くで鳴いていた。
この庭、昼間はリハビリの人たちが歩く。私もリハビリを始めたらこの庭へ出られるかなあ、と思っていたが、その前に退院させられてしまった。
4句目も目の前の風景。下の写真のベンチに、疲れた患者とリハビリの療法士が坐り、何か話していた。アキアカネやシオカラやギンヤンマが、朝のうちは結構な数、飛んでいた。そんなことで出来た句、今思い出しても二度とあの体験はしたくない・・という体験の句が認められ、本当に嬉しい。
稀にそんなことがあるから、細々とでも俳句は続けなくては・・と思ってしまうのだ。
濃く苦き珈琲淹れて霜の朝 KUMI