回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

楽観主義者が

2020年04月13日 07時29分07秒 | 日記

激励のつもりではあったが、病気から回復途上の人に余計なことを言うのどう考えても、少しやりすぎかもしれないので手元にとどめておくことにした。そうしたら、つい、チャールズ・デイッケンズのオリヴァー・ツイストのことを思い出した。この本を読んで人が涙を流すとすれば、彼(オリバー)が絶望に打ちひしがれて、期待も希望も持てなくなった悲観論者だったたからではなく、彼のおかれた悲惨な状況でもまだ希望はあり、人や社会は信じ切ることができるとおもっている楽観論者だったからである、というのを。

その同僚は、自分の従姉妹が住むアメリカ・ニュージャージー州で、多分アメリカではニューヨーク州に次ぐ惨状を呈している最中でも隣人たちが励ましあって生きているというのを聞いて、涙が止まらなかった、と言ってきたが、デイッケンズを持ち出すまでもなくまさにその通りだ。ニュージャージーはアメリカの中でも最も犯罪率の高い、貧しい州のひとつ。全米一豊かなニューヨークと隣り合わせているだけにこの2つの州の格差は余計に目立ってしまう。しかし、今回のコロナウイルス蔓延、日に日に死者が増えているというもう極限ともいうべき事態に直面しては、ニューヨークもニュージャージーも、人々は依然として楽観主義者であり、そこには違いはない。人は真に困難に直面した時には連帯できるものだと思う。そしてこれは"Pay it Forward"にも通じるものだ。

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