缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

郷愁のリリー缶

2008-11-15 12:29:27 | 果実

Lily1481

 読者諸賢よ。
 この桃缶を、ようく眺めていただきたい。
「ん? 桃のシラップ漬けだろ。ちょいと懐かしいな」
 そう、ご賢察通りです。そこでさらに、缶上部のブランド名を見ていただきたいのであります。

 

Lily2400213

「やっ、このロゴ。何だか、幼い頃に見た記憶があるぜ...」
 と記憶を呼び覚ました方もいらっしゃると思う。これがリリーというブランドなんであります。
 リリーコーポレーションは、加工食品卸業大手の菱食の子会社。
 菱食は4社が合併してできた企業なのだけど、その中には大阪に本社をおく野田喜という会社があった。
 この野田喜が、リリーという名で缶詰を出していたのだ。
 何となれば、関西圏では、今でもリリーブランドは有名なのだ。
 ということを、先日、菱食のノッポさん(仮名)からお聞きした。
 ノッポさんは缶詰blogを見てくださり、“缶詰振興のためにひと肌脱ぎたい”と、連絡をしてくれたんであります。
 そうして...。



Lily3700

 かくのごとし。
 ノッポさんが送ってくれました。リリーブランドの缶詰たち。
 こうしてみると、特にフルーツのシラップ漬け缶などはやはり見覚えがある。
 このフルーツ缶をカゴに山盛りにして、透明のビニールをかけたものを、八百万屋(八百屋だけど缶詰や菓子類も売っていた店)でよく見かけたもんでした。
 あれは確かに昭和の風景。まごうかたなき40~50年代。
 ノッポさんありがとう。忙しない年末に向けて、気持ちにほっこりとゆとりができました。




夏だ! ライチだ! ライチの缶詰

2008-08-09 10:43:33 | 果実

Raichi1640

 まったくもって、暑い。
 今はエアコンのある部屋にいるからいいけど、学生時代はそうではなかった。扇風機が唯一の頼みだった。
 暑さに耐えられなくなると、近所の酒屋に行き、冷たい缶飲料を買って飲んだ。スポーツドリンクをよく飲んだのだが、その中でなぜかいつも安売りしているものがあった。
 それはライチの味がするスポーツドリンクであった。不人気だったらしく、筆者だけがせっせと購入していたと思う。
 案の定、翌年には姿を消してしまっていた。




Raichi2640

 そしてこちらは、ライチの缶詰。
 缶詰仲間のNoritanが、韓国出張の際に買ってきてくれたもの。いつもながら、感謝多謝であります。
 缶上部に、保存用のフタと、小さなフォークがついている。
 こういう仕掛けがとても嬉しい。
 付録がついたような、トクをした気がする。
 そういえば昔のトマトジュースには、こういうやつがついてましたよね。
 なつかしーな。




Raichi3480

 パカッと開缶。
 やっ、ライチはすでに剥いた状態である(当たり前か)。
 白い実の真ん中に種を抜いた大穴が空き、ちょいとその、ゲゲゲのオヤジさんみたいである。
 シラップが揺れると実の繊維もゆらゆらとする。
 少しコワイ。
 やはりライチはひとつずつ皮を剥いて食べるのが、正しい食べ方なのかもしれない。




Raichi4640

 かくのごとし。
 こうしてみると、まんまライチである(当たり前か)。
 それでは失敬して、一口...。
 どことなく桃を連想させる香りと、ほのかな甘み。これは紛う方なきライチであります(当たり前だってば)。
 何となく生のイカを噛んでいるような独特の歯ごたえも、ちゃんと残っている。
 ちょいと学生時代を想い出しつつ、「なかなかのものだな」と味わっていると...。
 最後に、なぜか、舌の上に辛さが残った。
 これが唐辛子のように、けっこうぴりりと辛いのだ。
(韓国の果物缶詰には唐辛子が入っているのか???)
 本気でそう思わせる辛さである。
 あるいは添加物の味かと思い、缶側面を眺めるが、表記はすべてハングル文字。解読不能である。
 非常に不思議な缶詰なのであった。




 固体量:105g
 内容総量:227g
 原材料名:ハングル文字のため不明
 原産国:タイランド(!) 最後まで不思議な缶詰であった




MIRASOL®サーモン入りオリーブ

2007-03-29 11:58:18 | 果実

Olivesalmon1300

 中高生の頃。
 ピザトーストは、猛烈に好きな食べ物でありました。
 本当に食べたいのは“ピザ”なのだけれど、当時住んでいた町には、ピザを出す店はなかったんです。
 おまけにピザは、高級な食べ物でもありました。なかなか口に入るものではない。
 何となれば、代用食として大きくクローズアップされたものが、ピザトーストだったわけです。
 さて、今回の酢漬けのオリーブは、どこに関わってくるのか。
 



Olivesalmon2300
ちょん切ると、愛らしい鮭の小片が出てきた

 このMIRASOL®のオリーブ缶詰は、以前にも登場したシリーズであります。
 アンチョビを入れたのやら、パプリカを入れたのやら、はたまたレモンを入れたのやら。
 もう、いろんなものを詰め込んでは、出荷しているようです。
 さて、このオリーブの実というもの。子供の頃に恋い焦がれた、西洋文化の象徴でもありました。
 以下の情景を、イメージしてみてください。

 午後のカフェで、一人の老人が、安酒を飲んでいる。
 重ねた受け皿の数が、これまでに飲んだワインの数を示している。今日はすでに5杯目。
 老人は、時折、手元のオリーブの実をつまんで口中へ入れる。長いこと噛んでから、震える手の中に「ぷっ」と種を吹き出し、床に落としていく。
 ギャルソンが迷惑そうな顔で、その老人を眺めている。
 しかし、金はきちんと払っていくのだから、彼も文句は言えない。
 彼は、そのみすぼらしい老人を、目にしたくないだけなのだ。
 自分もいずれは年老いていくことは、考えれば分かるはずだ。だがまだ若い彼は、人生の終演というものを、目の当たりにしたくないだけなのだ。

 ...と、こういう情景を、小説なり絵本なりで読んで、感じ入っていたのであります。
 後半の描写は、書いているうちに付け足したくなった、キザな装飾ですが...。
 ともかくも。西洋文化に憧れると、洋食にも憧れるんでありますね。



Olivesalmon3300

 かくのごとし。ピザトーストにオリーブが乗っかるということが、私にとっての夢の実現なのであります。
 憧れのピザ(トーストだけど)に、あのご老体のオリーブ(創作だけど)がプラスされたのですから、これ以上の贅沢はないんであります。材料さえあれば、毎朝食べて贅沢しております。
 ところで...。
 このオリーブ缶のシリーズは、たばこ代よりも安く売られております。
「夢の実現」などと大仰なことを言ったわりには、ずいぶんと安価で実現出来ちゃうんであります。そういう、ありがたい時代なんでありますね。





 内容量:300g(固形物130g)
 原材料名:オリーブ、水、食塩、サーモンペースト、調味料、酸化防止剤(ビタミンCなど)
 原産国:スペイン

 


MIRASOL®アンチョビ入りオリーブ

2006-09-11 13:22:30 | 果実

Cansmirasol1280

 とうとう、朝から秋の虫が鳴くようになった。
 昨日までは、そうではなかったのである。日中はセミ達、日暮れ頃からコオロギ達と、つつましく時間帯を分け合っていたのである。
 それが今日はどうだ。
 郵便局に行くために浜辺を歩いていたら、セミの声が聞こえないのだ。そうして朝の10時から、コオロギたちが鳴いているではないか。
 自然の歯車が、音を立てて輪転したのである。文弱の私は、その歯車のきしりに飲み込まれそうであった。
 るーららー。


Cansmirasol2400

「だから何だ?」
 こう問われると、まあ、格別に言う言葉を持たないのでありますが。
 しかしまあ、こうして澄明な大気の季節を迎えると、やはり飲む酒も変わってくるのでありますな。
「ビールビール!」と騒いでいた声も、ややしっとりと落ち着いてくる。
「ジャックダニエルでももらおうか...」
 というように、「でも」「...」が出てくるのである。そうすると肴だって、小粒でどこか粋なものが欲しくなる。
 何となれば、アンチョビ入りオリーブオイルなんでありますな。
 こいつは輸入食材屋さんにいくと、ずいぶんと高い値がついて売られている。その場合は瓶詰が殆どだ。
 しかし今回のような缶詰だと安く買えるのである。さらにスペイン産だと、もっと安く買える。
 中身の10%くらいは身が砕けていて、詰められているアンチョビの分量も少ない。いかにも安物のこいつを“ちょいと”つまんで、蒸留酒を口に含む。
 その一瞬、二瞬。
 未練たらたらしがみついていた夏が、去っていく音がする。るーららー。



 原材料名:オリーブ、水、食塩、アンチョビ・ペースト~うひゃあ、何てこったい! 本当に安物だ!~《アンチョビ、安定剤(アルギン酸ナトリウム、)、香料》、酸味料(乳酸、クエン酸)、酸化防止剤(ビタミンC)
 内容総量:300g
 固形料:130g
 原産国:スペイン

 


Hero®オリーブ缶&ラジオ音声

2006-05-30 10:36:43 | 果実

Canshero1400

 我が家はお引っ越しも終わり、はや一週間が経過した。新天地での缶詰ブログ、第一章であります。

 さて本日はエスパニョール記述も楽しい、スペイン産の缶詰さん。と言っても、底部には日本語表記のシールが貼ってあるので安心である。
 何が安心かと言うと、最後の内容物記述の段階で安心だということなのである。完全に外国語だけの缶詰だと、内容量くらいしか分からないのである。当方、英語でさえ中学校レベルなのである。ふふ~ん。

 

Canshero2280

 ぱきりっと軽やかな音をたてて、プルリングを引っ張り上げる。
 この、液表面にうっすらと油が浮いているところが、いかにもオリーブの実という感じがしていい。そしてオリーブは塩漬けにすると独特の酸味が出てくるのだ。
 すなわち、油っこいところと酸っぱいところの混じり合ったお味が、ワインのあてなんかに最高なんであります。

 しかし、何ですな。
 中年の声を聞くようになってくると、酸っぱいものが好きになるんですかな。以前はそんなことはなかったのに。
 何ですな、第一章から、枯れた気分になってきましたな。


Canshero3400

 必要以上にしみじみしたのち、我に返る。このオリーブ缶だが、筆者は中にアンチョビが入っているのが一番好きだ。
 ペティナイフで割ってみると、かくのごとし。微量の可愛らしいアンチョビが入ってる。何だかすごく愛おしく見えてくる。
 もっとたっぷり入れてくれればいいのに、と思う。好きなものはたくさん食べたいな、と思う。
 しかしアンチョビが丸ごと一尾も入ったら、相当塩っ辛くなるやも知れぬ。そうしたらワインのあてどころか、飯のおかずになってしまうやも知れぬ。

 あれですな、何事もほどほどが良いのでありますな。


 ※前々回の記事でお知らせしました『缶詰さん、On air!』ですが、こちらにて聞くことが出来ます(MP3音源)。
 約7分もありますので、どうかお時間とお気持ちに余裕のある方はどうぞ。


 内容総量:200g
 固形量:85g
 原材料名:オリーブ、食塩、アンチョビ、調味料(アミノ酸)、酸味量、酸化防止剤(アスコルビン酸)、安定剤(アルギン酸Na)
 原産国:スペイン