読者諸賢よ。
この桃缶を、ようく眺めていただきたい。
「ん? 桃のシラップ漬けだろ。ちょいと懐かしいな」
そう、ご賢察通りです。そこでさらに、缶上部のブランド名を見ていただきたいのであります。
「やっ、このロゴ。何だか、幼い頃に見た記憶があるぜ...」
と記憶を呼び覚ました方もいらっしゃると思う。これがリリーというブランドなんであります。
リリーコーポレーションは、加工食品卸業大手の菱食の子会社。
菱食は4社が合併してできた企業なのだけど、その中には大阪に本社をおく野田喜という会社があった。
この野田喜が、リリーという名で缶詰を出していたのだ。
何となれば、関西圏では、今でもリリーブランドは有名なのだ。
ということを、先日、菱食のノッポさん(仮名)からお聞きした。
ノッポさんは缶詰blogを見てくださり、“缶詰振興のためにひと肌脱ぎたい”と、連絡をしてくれたんであります。
そうして...。
かくのごとし。
ノッポさんが送ってくれました。リリーブランドの缶詰たち。
こうしてみると、特にフルーツのシラップ漬け缶などはやはり見覚えがある。
このフルーツ缶をカゴに山盛りにして、透明のビニールをかけたものを、八百万屋(八百屋だけど缶詰や菓子類も売っていた店)でよく見かけたもんでした。
あれは確かに昭和の風景。まごうかたなき40~50年代。
ノッポさんありがとう。忙しない年末に向けて、気持ちにほっこりとゆとりができました。