2022年でいったん製造を終了していた、明治屋〈ウインナーソーセージ〉缶。
それが24年12月に復活し、再販売された。その経緯には素晴らしいドラマがあるのだが、それはいずれ書くことにして。
もともと、このソーセージ缶はタダモノじゃない。
初めてその製造方法を聞いたときには、思わず
「それ、本物のソーセージと同じじゃん!」
と叫んでしまったくらいだ。
本物とは、どういうことか?
そのヒントはソーセージの断面にある。よーく見ていただきたい。
断面が盛り上がっているのが、お分かりだろうか?
どーして断面が盛り上がっているのか?
それは皮に羊腸(羊の腸)を使っているからだ。
伝統的なソーセージは、ひき肉を羊腸に詰めて作られる。
しかし昨今、羊の一大生産地だった豪州などで飼育頭数が減っている。
干ばつや牧草地の減少などが原因と言われているが、ともあれ。
羊が減ったために腸の調達も難しくなった。
そこで、調達しやすく価格もお安い人工ケーシング(コラーゲンやセルロースなどで出来ている)を使った商品も台頭している。
そんな世情でも、明治屋は羊腸にこだわっているわけだ。
このウインナーソーセージ缶の製法は、ざっと以下のようになる。
1. 味付けしたひき肉を羊腸に詰めてくん製
2. カットしてから缶に詰める
3. フタを閉めて密封。加熱殺菌して缶成
最後の加熱工程で、ひき肉は膨張する。しかし羊腸はくん製したために引き締まっており、膨らまない。
そこでひき肉はやむを得ず、カットした断面からはみ出るように盛り上がるのだ。
断面の盛り上がりは正統派の証。ぜひ憶えておいてほしいのであります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます