梅雨である。
道端のアジサイはこの上なく可憐に咲いているが、身体と心は湿気でフヌケになるこの時期。
ここ缶詰blogでは、サバ缶同士の対決が行われようとしているのであります。
それも、缶詰マニアのあいだでは話題の2品が激突するんであります。
1品は大御所ニッスイさんから出ている昔なつかしい缶詰シリーズから、さば味付(醤油味)缶。
もう1品は、近年たびたび話題となっている信田缶詰さんのサバカレー。
信田缶詰さんは千葉県の銚子市にある企業なのだが、銚子近辺というのは缶詰加工会社が集中している地域でもある。ちょうしたブランドの田原缶詰さん、フジテレビ系列のドラマ『コーチ』の撮影現場となった川岸屋水産さんなどがあり、利根川を挟んだ向かい側(茨城県)には高木商店さんもあるのだ。
缶詰好きの憧れの地なんであります。
ニッスイさんのほうはこのラベルがイカしている。
この昔なつかしいシリーズは、当ブログでも過去に真いか味付とさんま蒲焼をご紹介している。
ダブルで開缶。
さば味付は調味液に浸かっているし、サバカレーは薄茶色のゲル状カレーにまみれている。
どちらも開缶時は魅力を感じにくいかも知れない。
サバ缶といえば白飯が必需品。
サバを一口頬張り、口中がしょっぱくなったところで白飯を追加投入するという段取りであります。
そうして飯をわっしわっし(シーナマコト調)と食っていくのが醍醐味なのであります。
まっ、この食べ方は何もサバに限ったことではないけど。
こうして炊きたての飯(宮城県産ひとめぼれを使用)も用意した。果たして軍配はどちらに上がるのか...!
ニッスイさん、かくのごとし。
この昔なつかしいシリーズは、昭和30年代の味付けを再現しているという。
しかし意外にも甘さは控えめ。このさば味付もしょうゆの味と香りがきりっとたっている。
昔なつかしいというよりも、非常にモダーンな味付けなのではないですか。
従来の甘辛~いだけの缶詰とは一線を画した、新しい指向に基づいた商品なのではないですか。
どーですかどーですか。
信田缶詰さん、かくのごとし。
サバの身がカレー汁にまみれ、あろうことかニンジンやじゃがいもがまとわりついている。
何となくサバが哀れに思えてくる。
サバが凌辱を受けているようにも思えてくる。
ともあれ、まずはカレーを一口...。
ふむ。外見から充分に想像できるお味であります。コショウの辛さと強めの塩が前面に押し出してくる、ボンカレー味であります。
ボンカレーはわりと好きだけど、あれはいわゆるインドカレーなどの本格的なカレーとはまた違う味ですね。
そこでサバを一口..。
むっ、何だろ。サバの香りがまったくしない。皆無です。
(そんなバカな...)ともう一口。
サバ特有の繊維を噛み切る歯ごたえはあるものの、やはりサバの香りは皆無。
そして、それが美味しい。
サバを食べてる感じがまったくないのが、美味しい。
これは、あれですね。サバ缶ではなくてカレー缶なのだ。そう思って、あらためて皿にご飯を盛りつけて食べた。
飯があっという間に“はかいって”しまった。
結論。この対決は対戦カードに不備が認められたのでドロー。
さば味付
固形量:135g
内容総量:180g
原材料名:さば、しょうゆ、砂糖、寒天(原材料の一部に小麦を含む)
原産国:日本(製造は岩手缶詰)
サバカレー
内容量:190g
原材料名:馬鈴薯、玉葱、人参、生姜、にんにく、さば、カレー粉、でん粉、バター、植物油、砂糖、動物油、香辛料、小麦粉、ウスターソース、ビーフブイヨン、食塩、唐辛子抽出物、調味料(アミノ酸等)、(原材料の一部に卵を含む)