10月10日は缶詰の日であります。
その所以は、缶詰の商業生産が本格的に始まったのが明治10年10月10日だから、であります。
単なる語呂合わせなどではない、本式・本物の記念日なのであります。
その缶詰の日を迎えるにあたり、当ブログではギリシアの缶詰にご登場願った。
中身は「ムサカ」というギリシアを代表する郷土料理であります。
ぱかっと開缶。
焦げ茶色に見えるのが茄子で、それをベシャメルソースが包み込んでいる。全体はギリシア特産のオリーブオイルに浸っている缶じだ。
皿にあけるとこんな缶じ。
ベシャメルソースがちゃんと上にかかった状態である。
つまり、缶詰のフタを開け、それを逆さまにして皿に盛りつけると、正しいお姿で盛りつけられるようになっているのだ。
陽気で大らかなイメージのあるギリシア人だが、実はとても神経が細やかな一面もある。その一端を見るようであります。
かくのごとし。
ムサカはミートソースと茄子などを重ね、ベシャメルソースをかけ、最後にチーズをふりかけてオーブン焼きする料理だ。
こてっとしたボリュームのある家庭料理で、それがこうして缶詰になって、ギリシアのスーパーなどで売られているんであります。
しかし、もともと家庭料理であるから、ギリシア人は家で作って食べている。あるいは外食で食べることもある。
だからこの缶詰は主に観光客向けに作られているのだと思う。
彼の国で調査を行ったときも、こういった総菜の缶詰は観光客が集まる地域で売られていた。地元の人が通っているような小さな商店には並んでなかったのだ。
さて、缶心(かんじん)のお味はというと、ベシャメルソースの風味がすっかり抜け、酸味が出ていたのが残念であった。
なぜそうなのかといえば、賞味期限を5年も過ぎてから食したからであります。
大事に大事に取って置いたおかげで、こんな失態を犯してしまった。
読者諸賢よ。缶詰は賞味期限内にいただきましょう。
内容量:280g(だったと思う)
原材料名:ギリシア語のため不明
原産国:ギリシア