敬愛なる読者諸賢よ!
我が国にまたひとつ、新たな缶詰が誕生した。
そのニューフェイスをご紹介できるヨロコビを、筆者は噛みしめている。
その名は『ザ 地養豚(じようとん)カレー』。
カレー缶だというのに、その内容量は840gもある。
重くて手が震えているのが、写真でも伝わっているかと思う(伝わらないか)。
これだけ大きいと開缶作業も楽しくなってくる(2号缶使用)。
実はこの缶詰。
開発したのは農研テクノという、畜産用の飼料を製造・販売している会社なのだ。
ぱかっと開缶。
玉ねぎとカレー粉の懐かしい匂いが立ち昇る。
農研テクノの担当者に聞くと、
「昔の日本のカレーを再現した」とのこと。
野菜はもとより、地養豚からも甘みと旨味が出ているらしい。
ちなみに地養豚というのは銘柄豚の一種で、同社が製造・販売する木酢液を配合した飼料で育った豚なのだそうだ。
鍋に開けて加熱する。
台所に昭和のカレーの香りが立ちこめ、ノスタルジアが再び沸きあがってくる。
そういえば高校生の頃、祖母が昨夜のカレーを弁当にしてくれたっけ。
ルーとご飯を別にしたりはしなかった。弁当箱を開けると、ルーの乗ったご飯が鎮座ましましていたのだった。
今日はご飯ではなくニョッキをチョイス。
湯さえ沸けば3~4分でできるからラクチンであります。
かくのごとし。
このカレーは粘度が高いです。
野菜が溶け込んで、そのツブツブが浮きつ沈みつしております。
そして地養豚の肉塊が巨大。
再び担当者に訊くと
「切り身1個あたり約40gを使用」
とのこと。そいつがごろりと5、6コ入ってます。
これがその肉塊。
一口で頬張ると、口中が肉だらけになる。
そこをぐわしぐわしと噛んでいくと、繊維を噛みきる快感が起こってくる。
テレビ番組で、若いタレントが
「溶けてなくなっちゃったー」
なぞとコメントする軟弱肉とは違う。繊維質あくまでも凛々しく、中からは旨味がにじみ出る。
まるで自分がライオンになった気分。
ルーはあまり辛くないです。野菜の甘みが溶け込んでいて、そこに胡椒の辛さが加わった感じ。こってりと濃くて、どこまでも優しく懐かしい味わいなのだ。
時折、北海道産という玉ねぎとじゃがいもがコロリと顔を出してくる。カレーの染みこんだじゃがいもってのは、まことに美味いもんですね。
ということは、これらの具材の大きさからして、2号缶の使用は理にかなっていたのだ。
またまた担当者に尋ねると
「見た目のインパクトを重視して大容量(約4人分)にしました」とのこと。
この担当者は、あくまでも率直に教えてくれるのであります。
ところでこの缶詰、お値段は1缶1890円となっている。
東京都内の日進デリカテッセン、スーパーマーケット田園、ナショナル麻布スーパー(4月から)で販売されているのだ。
衝撃的な外観・しかしノスタルジックな味付けという、真逆の魅力を備えたニューフェイス。これ、贈り物にしたら喜ばれるんじゃないかなー。
※追記:翌朝、カレー弁当をこしらえて会社で食べてみたのだ。すると、旧友の顔なぞが思い浮かんできて、なぜか職場で涙ぐみそうになってしまった。
懐かし味のカレーには、やっぱりご飯が合いますな!
内容量:840g
原材料名:野菜(たまねぎ、ばれいしょ)、豚肉、野菜・果実ピューレ(りんご、バナナ、トマト、にんにく、しょうが)、小麦粉、豚脂、肉エキス(チキン、ビーフ)、カレー粉、チャツネ、中濃ソース、しょうゆ、植物油脂、調味エキス、食塩、果糖ブドウ糖液糖、たん白加水分解物、香辛料、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工デンプン、タマリンド)、カラメル色素、香辛料抽出物
原産国:日本(販売・農研テクノ、製造・チカタ・インターナショナル・フーズ)