お役立ち情報ブログ

日々の生活やビジネスにおいて役に立ちそうな情報を収集、公開しています。

ロシアの責任転嫁にほころび=犠牲判明で「ウクライナの仕業」

2022年04月12日 05時57分12秒 | ニュース

 親ロシア派との戦闘が続くウクライナ東部ドネツク州で、政府軍が支配するクラマトルスクの鉄道駅に8日、弾道ミサイルが撃ち込まれた。民間人に多数の犠牲者が出たと分かると、ロシアのメディアは「ウクライナ軍のミサイル」と報道。ただ、主張には早くもほころびが見える。

 ロシア軍は首都キーウ(キエフ)を含む北部の制圧に失敗。プーチン政権が重視する5月9日の旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日までに一定の「成果」を得るべく、南東部を近く総攻撃する可能性がある。ウクライナ政府は「逃げられない恐れがある」と住民に即時避難を訴えていた。

 ウクライナ側の発表によると、クラマトルスクの駅は女性や子供など避難民約4000人で混雑。そこに短距離弾道ミサイルが着弾した。現地からの映像や写真によると、人々は倒れ、大きな荷物が散乱していた。ミサイルの残骸にはウクライナ語ではなくロシア語で「子供たちのために」と書かれていた。

 「ウクライナ軍が集結しているクラマトルスクの駅を10分前に攻撃した」。着弾当初、複数の親ロシア派ニュースは通信アプリ「テレグラム」でこぞって戦果として伝えた。しかし、避難民に死傷者が出ているのが判明し、不自然な形で削除。ロシアのメディアはウクライナ軍の仕業であると宣伝し始めた。

 地元記者の間では、2014年にドネツク州の親ロシア派支配地域上空でマレーシア航空機が撃墜され、乗客乗員298人が死亡した事件との類似性を指摘する声が上がる。この時、旅客機と判明するまで、親ロシア派幹部は「ウクライナ軍機を撃墜した」と誇り、これが間違いだと分かると、ウクライナ側への責任転嫁を図った。 

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お金持ちの人と貧乏な人、行動の決定的な違い

2022年04月10日 09時53分39秒 | お金持ちの思考

お金持ちの人と貧乏な人は、「出費の考え方」が違う

お金持ちは、実はお金を貯めようとして節約などはしておらず、使い切れないから自然に貯まっていくだけなのです。それはなぜかというと、収入が多いからという以前に、出費の考え方に違いがあります。

 

彼らは、必要なものには大胆にお金を払う一方、自分が価値を認めないものには1円たりとも使いません。そのため、収入が増えたからといってはしゃいで生活レベルを上げるということはしないのです。

普通の人は、収入が増えていくと、高級賃貸マンションに引っ越したり、高級レストランで外食するようになったり、衣服やモノを頻繁に買い替えたりするなど、全般的に生活レベルを上げてしまいます。

もちろんそれが将来への投資であれば回収できますが、こうした人は自己満足や見栄にお金を払うため、年収は高いけれど貯金は少ないということにもなりやすいのです。

収入が増えてもいつも通り、不要なものは買わない。衝動買いもしない。しかし収入を増やしてくれるもの、たとえば事業や不動産などは積極的にお金を使う。貯金が増えてくれば、「寝かしておくのはもったいない」と運用先を探そうという動機にもなります。

そうやって収入が増えていく一方で支出が変わらなければ、お金は自然に貯まります。

 

お金持ちは自分の価値・判断軸を持っている

そのためにまず考えたいのは、「自分はどういう人生にしたいか」という方向性を持つことです。

 

方向性が決まれば「これは自分の目指すものに貢献するが、これはしない」という判断ができる。すると「これはお金を使うべき、これは使わないべき」という軸ができます。

つまり、自分が財布を開くときにはいったん立ち止まり「自分はいったいどういう価値にお金を払おうとしているのか? そしてそれは、自分の人生にどういうポジティブな影響を与えてくれるのか?」を考えるようにすれば、買うべきものはそう多くはないことがわかるでしょう。

もしそれでもお金が貯まらないという場合は、最初から貯金したい金額を別の口座に振り替えて、残ったお金で生活することです。

職場に財形貯蓄制度があればそれを、なくても確定拠出年金や保険、定期積立など、強制力があるものや解約が面倒なものを利用すれば、「お金がなくなったから引き出す」という事態を避けられるでしょう。

文:午堂 登紀雄(米国公認会計士)

大学卒業後、会計事務所などを経て、米国コンサルティングファームで経営コンサルタントとして経営戦略立案や企業変革に従事。貯金70万円を1年で3億円の資産に成長させた経験をもとに、お金持ちになる方法や考え方を伝授。

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貧乏体質の人の習慣とは?見直したい口グセ

2022年04月06日 07時13分52秒 | お金持ちの思考

「自分は貧乏だから……」という言葉、使っていませんか

「自分は貧乏だから……」。何気なく口にしているその言葉は、貧乏スパイラルという悪しき罠に嵌っているかもしれません。

 

お金を貯められるか貯められないかは、運用方法もさることながら、その人の習慣も大いに影響しているのです。

 

「自分は○○だから」。その口グセは要注意!

日頃から、「自分は○○だから」と口にする人は少なくないのですが、特に○○の部分がネガティブな言葉の場合には注意が必要です。

 

人は繰り返し口にする言葉を認識するといわれています。つまり、本当は「貧乏はイヤ」と思っていたとしても、繰り返し口にすることで「貧乏でありたい」「貧乏になりたい」と、自分に言い聞かせていることになるのです。

ネガティブな口グセがあるのなら、直ちに止めなくてはなりません。

口には出さないまでも、常に「お金がない」「貧乏だ」と考えるのも、口グセと同じように自分が望むことと深層心理で認識するといわれています。

物事をネガティブに考えるクセを直さないと、貧乏のまま、いや今以上に貧乏になってしまう可能性だって含んでいるのです。気を付けなくてはなりませんね。

 

買い物をするときには自分に必要かどうかがポイント

節約を心がけるゆえに、何かを買う場合はその内容や機能ではなく、値段だけで買う品物を決める人がいます。

 

確かにまったく同じ物であれば安い方がよいのですが、同じような商品の場合、本当に自分が必要にしているのか、自分の望むものなのかをチェックしてから買うようにしましょう。

安さだけで本来欲しいものではないものを妥協して購入した場合、納得できずに元々欲しかった機能が付いたものに買い替えることが多々あります。これでは元も子もありません。

買い物をする場合は値段に惑わされるのではなく、自分なりの価値観を持って自分の欲しい機能が付いているのか、それが欲しいものなのかを考えてから購入するとよいでしょう。

 

ポジティブなこと、自分のことをイメージする

大切なことはネガティブなことに焦点を当てずに、今の自分が満たされていること、持っているものに焦点を当てて、自分を認めてあげることです。

 

自分を認めてあげることができるとポジティブな思考になりますので、ネガティブな口グセや思考も少なくなってきます。そうなると自然と自分にふさわしいものを選ぶようになりますので、思わぬ無駄遣いも減ってきます。

どのようなものであっても、習慣やクセを直すのは簡単ではありません。思わず口から出てしまったときには、ポジティブな言葉に言い換えるだけでも違いますので、実践してみてください。

そして何よりも大切なことは、自分で自分を貶めないことです。自分の最大の味方は自分であることを忘れないでください。

文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)

金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。

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1億円稼げる人の習慣とは?年収300万円の人との違いは…

2022年04月05日 06時03分11秒 | お金持ちの思考

年収300万円の人と年収1億円の人の違いとは

私は1億円を稼ぐ人の取材を繰り返しましたので、その中でのこぼれ話を書いていきます。

 

誰でも自分の意見を否定されたらくやしいし、自分の意見を通したい。意地やプライドがありますが、あえて議論に負けておくことが必要な場面があります。

それは、いったんは相手に同意する、相手の意見に従う、相手を持ち上げることで、あとで大きな成果が刈り取れるという場合です。

ただし、時に自分のプライドを捨てることにもなるため、年収300万円の人には難しいものです。つい感情的に反発し、議論して言い負かせようとする。

しかし言い負かされた相手は当然おもしろくないから、次からも反対派に回ることになります。

 

勝ちたければまず敵を味方に引き入れる

たとえばどうしても通したい企画があり、役員会議で提案しました。その際、ある重役に批判されたのですが、彼はいつも否定ばかりするので有名な人です。

 

その時、「いや、これはですね……」と反論するより、「なるほど、その点は気がつきませんでした。鋭いご指摘、ありがとうございます」といって引きさがっておく判断もあります。

そのあと、「ご指摘いただいた点を解決すべく、こういうふうに考えてみたのですが、いかがでしょうか」と、その重役に相談に行くのです。

彼は自分の意見が尊重されていること、自分を頼ってきてくれることに満足し、喜んで助言をするでしょう。自分が関わっているから、次からは反対しにくい。むしろ賛成派に回る可能性が高くなります。

もちろん、すべてがそううまくいくとは限りませんが、勝ちたければまず敵を味方に引き入れることです。

あえて反論して小さな議論で勝つことよりも、将来目的を達成できればいい。つまり、局地戦で負けても戦争に勝てばいいという考えです。

 

年収1億円の人は、上司や組織への配慮を忘れない

ほかにもこんな例があります。たとえばやる気にあふれた若手社員が、「それはおかしいと思います。わが社も○○すべきではないでしょうか」と上司に詰め寄る姿を目にすることがあります。

 

その若手社員にしてみれば、「正しいことを言ってるのに、なぜ上司は取り合ってくれないんだ」と不満をこぼすでしょう。しかしこれは、自分の可能性を摘む危険性があります。

言っていることは正しい。確かに正論でもある……。

しかし今まで先輩社員たちが長年努力してきた蓄積があれば、表立って否定をするのは、上司としてもやりにくい面があります。しがらみにとらわれてはいけないと言っても、組織である以上、やはり配慮は必要です。

それに、相当に重要な局面でもない限り、部下の立場から「○○すべき」と詰問に近い言い方をされるのは、上司としても、もちろん会社の上層部としてもおもしろくないものです。

そのため、正論を貫こうとする人は、組織の中では時として「うっとうしい」という評価になりやすいわけです。

年収1億円の人は、上司や組織への配慮を忘れません。

「今のやり方もとても有効なのですが、一方でこういう問題も指摘されています。そこで、試験的にこういう方法をとってみてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか」と、上司に判断を委ねることで花を持たせ、上司が関わったという意識を持たせるのです。

人生で成すべきことはもっとあります。自分の人生を10年スパンで見たら、今の瞬間の意地なんてゴミみたいに小さいはず。そんなことで、余計な敵をつくり、しょうもない人のしょうもない意見でつぶされるのはもったいないことです。

※参考「年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人」(学研マーケティング)

文:午堂 登紀雄(米国公認会計士)

大学卒業後、会計事務所などを経て、米国コンサルティングファームで経営コンサルタントとして経営戦略立案や企業変革に従事。貯金70万円を1年で3億円の資産に成長させた経験をもとに、お金持ちになる方法や考え方を伝授。

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「理研600人リストラ」に中国人ITエンジニアは「不思議です」と繰り返した

2022年04月04日 06時29分15秒 | 日本の衰退

国立研究開発法人の理化学研究所の労働組合などが、約600人の研究者が雇い止めとなる可能性があるとして、文部科学相と厚生労働相あてに要望書を提出した。近年は、日本人のノーベル賞受賞者がまるで口をそろえたように、日本の科学力の低迷と研究環境の悪化を訴えてきたが、歯止めどころか拍車がかかっているような出来事だ。俳人で著作家の日野百草氏が、中国人技術者が日本の研究者や技術者の環境をどう見ているのか聞いた。

【写真】ノーベル賞受賞者からも苦言

* * *

「日本は優秀な人がとても安いと思います。なぜ辞めさせるのですか」

筆者の旧知の中国人技術者から話を伺う。ITエンジニアでゲーム開発にも精通している。中国人のエリートならごく当たり前だが4ヶ国語を話せて日本語も堪能だ。しかし本稿、それでも文章化する際にそのままでは差し障るため逐次こちらで改めている。

「優秀でない人が安いのは当たり前ですが、日本は優秀な人も安い」

話は理化学研究所(理研)の研究系職員が組合などの試算で2022年度末に600人雇い止めになる件、労組が理研および文部科学相と厚生労働相に撤回を求めているが先行きは厳しい。理研に限らず、日本が国際的に見ても研究者、技術者、クリエイターといった立場を冷遇し続けていることは周知の事実だ。

「とくに日本人は安い。技術も経験もあるのに安くて、何にもない若い人を欲しがりますね、不思議です」

彼はずっと不思議だったと話す。これは中国人だけでなく海外の技術者、クリエイターも筆者の聞く限りは日本に対して同様の感想だ。筆者は昨年『アニメやゲーム業界「日本人は安くて助かります」その由々しき事態』で主にエンタメを中心にした日本人クリエイターの賃金の安さとその実態を書いたが、これは技術者や研究者にも当てはまる。

「優秀な人が安かったり辞めさせられたり。とても不思議だと思っています」

なぜ辞めさせるのか、これは筆者も不思議で、せっかく育てた技術者や研究者をいとも簡単に辞めさせる、辞めさせなくとも専門技術と関係ない部門に追いやり、辞めるように仕向ける。これは30年上がらない平均賃金と平行して理系専門職に繰り返されてきた。「そんなことはない」という組織の方々は幸せな話で結構だが、現実には日本の名だたる大手企業や研究施設、大学といった「技術者・研究者こそ宝」の現場に続く現実である。そして新卒至上主義もまた「新陳代謝」の名のもとに経験豊富なベテランを追いやり続けた。

「不思議なのです。欲張りな中国なら放っておきません。それだけの技術や研究の蓄積が一個人にあるのは、まさに宝です」

 

日本は研究者もエンジニアも人権ないですね
大学、大学院、そして研究機関や企業と歩む中で、技術者や研究者はクリエイターと同様に技術や経験、そして実績を蓄積してゆく。そうでない者もいるだろうが、企業や研究機関でそれなりのベテランになった者のほとんどはまさに「宝」だろう。日本はそうした「宝」をこの30年間、合理化とリストラの下に切り捨ててきた。それを欧米やアジア諸国、とくに中国が拾っていった。いまや日中の経済力はもちろん、技術力すら逆転され始めている。

「私は門外漢ですが、日本はまた何百人も研究者を辞めさせる。それを中国が手に入れるなんて申し訳なく思います」

少し皮肉交じりで笑う。彼は日本のこういう姿勢が気に入らないとも言っていた。国同士の話ではなく同じ技術者(研究者も含むだろう)として納得できないという。不思議と同時に、怒りもあると。

「日本は研究者もエンジニアも人権ないですね」

まさか中国人に「人権」を持ち出されるとは思わなかったが言い返せない。筆者もアニメやゲームに関係していた経験上、現場、とくに日本のアニメの現場がアニメーターに代表されるクリエイターの権利を尊重しているとは思えないからだ。そして現実に、今度は理研という日本を代表する国策研究所の研究者が大量に切られ、おそらくは海外に流出するのだろう。

「中国は日本人研究者や技術者のおかげで大国です。本当にありがたい話です」

筆者との仲とはいえ「言ってくれるなあ」と苦々しく思うが、これまでも自動車、精密機械、重電、通信、鉄道、鉄鋼、農業、エンタメ、ありとあらゆる技術や研究は中国に渡った。それは日本で「不要」とされた日本人研究者や技術者が食ってくためはもちろん、それは彼らのリベンジマッチでもあった。たとえば今や世界的家電メーカーである中国ハイアール(海爾集団)の「アクア」ブランド(旧三洋電機)などまさに井植兄弟につながる「三洋魂」の発露だろう。アクアには多くの「三洋魂」の継承者も携わってきた。2000年代、そうした彼らを「使い捨てられるだけ」と嘲笑する向きもあったが必ずしもそうではなかった。

「日本はどうかしてます。優秀な研究者をクビにすることは、他国に渡すのと同じです」

中国ではクビのことを「イカ炒め」と揶揄するのだが、彼の言葉もそうした中国語由来のスラングが混じっているため平易に改めている。その「イカ炒め」状態になりかねない理研の研究者、技術者たち600人、その中には多数の研究主宰も含まれている。研究主宰といえばその下で働くスタッフも含めてまさに国の「宝」、いま研究成果が出てなくとも、いずれ日本を救う結果を出すかもしれない。

「日本人はノーベル賞受賞を誇りますが、最近は日本国内で研究したわけではないのでは。お金も出さないし大事にされない、みんな日本から脱出してる」

 

井戸だって時間がかかる
資源も乏しく経済的に厳しい日本だからこそ頭脳で食べていかなければならないし、頭脳で食べてきたはずだ。しかし技術は先に書いたように他国に流出し、中国で挙げるなら先に書いたようにハイアールが三洋電機を吸収して世界最大の白物家電メーカーとなり、マイディア(美的集団)は東芝の家電事業を、レノボ(聯想集団)はNECや富士通のパソコン部門を吸収して成長した。日本の新幹線は中国の新幹線として走り、日本の造船技術は中国のコンテナ船となって世界を駆け巡る。誰が売ったのか、誰が教えたのか、怒ったところでそれをしたのは私たちの国、日本である。

「はっきりいって、間抜けだと思います」

これも「idiot」という言葉を使っていたが柔らかく「間抜け」と訳させてもらった(本来はもっと酷い)。実際そうだろう、中国や他国が悪いのではなく、日本が技術者や研究者、クリエイターを大事にすれば済む話だった。冷遇したあげくが、いまの体たらくである。筆者が貿易のルポルタージュで常に言及する「中国が気に入らないなら中国より金を出せばいい」と同様である。「中国(この場合は欧米も入るか)に手を貸してほしくなければ、中国(欧米)より厚遇すればいい」という単純な話だ。日中間の話になると愛国云々と威勢のいい方からご意見をいただくこともあるが、現実を直視しなければ差は広がるばかり、現に日本が理研から600人もの頭脳を流出させようとしているのだから。

「それにしてもなぜケチるのですか、優秀な人を安く使っているのだからそのまま使えばいいのに、辞めさせたりもする。優秀なんですから、いつ復活するかわかりませんし」

素朴な疑問だがもっともな話、アメリカや中国は優秀な研究者なら金も環境も惜しまない。アメリカはともかく、中国は優秀でない人にはとことん冷たいが、優秀な人には十分な額と待遇を用意する。それが中共の手口だなんだと言う向きもあるだろうが、技術者、研究者、クリエイターからすれば金もケチれば待遇も環境もしょぼいところで成果を求められるよりはマシだ。理研の8割は非正規、もちろんフリーランス研究者の集合体と考えれば非正規でも構わないし、それをあえて選ぶ研究者もいるだろうが、仮に「いらなくなったら捨てられる」は中国も同じというなら、それこそ高額報酬のほうがいいのは当たり前だ。

「研究は結果がすぐ出るわけではありません。とくに基礎研究は百年かかるかもしれません。それでも国のためになるなら続けるべきでしょうし、必要な人はとっておくものです。井戸だって時間がかかるのです」

中国人はよくこの井戸のたとえを出す。この「飲水思源」は漢詩の一節だが、確かに井戸はその位置を探して、掘って、古代中国なら何代にも渡ってようやく掘り当てることもあっただろう。しかしそれにより土地の人々は水に困らなくなる。それを忘れるな、と。もちろん解釈はさまざまだが、古くは日本人も長い年月をかけて現在の科学立国、技術立国を築いてきた。それがいつのまにか研究やものづくり、創作の現場に携わる人々がないがしろにされ、誰だかわからない何者かがその成果も利益もかすめ取るようになった。あげくにそれこそ現場が「idiot」(間抜け)呼ばわりされ、かすめ取る者はもちろん現場を操る立場の連中が賢いという扱いになってしまった。極端な言い方かもしれないが、日本の多くの現場に携わる最前線の人たちにとってこの言い方、それほど極端ではないだろう。

「雇うお金は安いのにお金を出さないで損をする。不思議です」

筆者も常々思う。日本の人件費および対価など世界的に見ればすこぶる安い。ましてや日本の優秀な研究者や技術者、クリエイターなど世界的には本当に安い。日本がまともに賃金すら払えないような貧国なら別だが、日本政府、研究機関、会社組織はそこまで余裕がないのだろうか。切るということは、他に行くということ、それは敵に渡るかもしれないのに。

「やっぱりidiotです」

ちょっと煽り過ぎたか。お酒が入り過ぎたのもあるのだろうしこの辺で制したが、中国人に限らず他国の研究者、技術関係者も日本のこうした研究、ものづくり、クリエイティブに関する信じられないほどの冷遇を不思議がる。資源大国でもなければ食料輸出大国でもない国が頭脳を放棄し続ける、今回の理研600人の雇い止めは、本格的な亡国への道を辿ろうとしているのではないか。

彼と同様に筆者も不思議だ。そして日本の頭脳がまた大量に海外へ流出するであろうことが、本当に恐ろしい。

【プロフィール】

日野百草(ひの・ひゃくそう)日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。社会問題、社会倫理のルポルタージュを手掛ける。

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