お役立ち情報ブログ

日々の生活やビジネスにおいて役に立ちそうな情報を収集、公開しています。

物価対策、予備費乱用の恐れも=統一地方選控え、ばらまき色

2023年03月23日 06時59分08秒 | 選挙

 政府は22日、物価高騰に対する追加策を決定した。2022年度の予備費を活用し、低所得世帯に3万円を給付することが柱。4月には統一地方選や衆参補欠選を控える。ばらまき色を帯びた駆け込み的な「予備費の乱用」とも言え、財政規律の在り方が問われそうだ。

 予備費は予算編成段階で想定できない事態に備えるもので、国会の審議を経ずに政府の判断で使用できる。新型コロナウイルス対策や物価高への対応を理由に異例の規模に拡大しており、22年度は当初予算と補正で累計11兆7600億円を予算計上した。

 国会で野党は「巨額な予備費(計上)を続けることは国会軽視だ」(日本維新の会)と追及。政府は「事後に国会の承諾を得る必要がある」(岸田文雄首相)として、問題ないと説明している。

 政府は今回の追加対策で、地方自治体が地域の実情に応じて使用できる「地方創生臨時交付金」を1兆2000億円積み増した。コロナ対策をきっかけに創設された同交付金を巡っては、会計検査院の調査で、適切に使われていない事例も指摘されている。

 20年度に実施された交付金事業では、水道料金などの減免で、対象外の警察署や刑務所など公的機関への減免が計1億1616万円に上ることが判明。一橋大学の佐藤主光教授は「今回措置された交付金がきちんと物価高対策に使われているのか、使途や効果について検証が求められる」と指摘する。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「私はここで死ぬ」イタリア人男性自殺・・・ 外国人ホームレス“急増”「生きられない」仮放免の実態【報道特集】

2023年03月11日 08時10分29秒 | ニュース

2022年、あるイタリア人の男性が東京入管の収容施設で自ら命を絶ちました。その男性は収容前、ホームレスとして暮らしていました。男性の死後、記者は男性が生前、動画投稿サイトに残していた複数の動画をもとに取材を始めました。今、ホームレスになる外国人が急増しているといいます。背景に一体何があるのでしょうか?

「助けて」「お金を送って」イタリア人男性 なぜ河川敷に?

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ルカさん
「こんにちは。東京福生市です。ホームレスになって、2年と2週間…」

Tシャツ姿でカメラに語りかける男性。イタリア人のルカさん(56)だ。

雪が降る中、多摩川の河川敷で、境遇を嘆く動画も…

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ルカさん
「5メートル四方のビニールシートの上で寝ています…」

TBS NEWS DIG Powered by JNN

携帯は支援を受けるための命綱。ルカさんは、生活の様子を撮影し、「助けて」「お金を送ってほしい」という言葉とともに、動画投稿サイトに載せていた。

近隣住民 
「(この方みたことある?)そこの橋の下にいた。2年くらいいたんじゃないかな」

ランニングで通う男性
「段ボールとかあって、なんとなく生活している人がいるのかなって」

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ルカさんは、イタリア中部・ペルージャ出身のグラフィック・デザイナーだった。

イタリアにいる27年来の友人だという女性が取材に応じた。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

アナリザ・ロジィ・カッペラーニさん
「ルカはイタリアでグラフィックデザイナーをしていました。会社や店舗のロゴを作ったり、看板を作ったり、そういう仕事をしていました。また、優秀なカメラマンでもありました。冗談をよく言う人で、同時に深い話もできるような友人でした」

ルカさんは、アジアでの生活に憧れ、2005年、日本に渡ったという。来日後、日本での生活を楽しそうに話していた。

カッペラーニさん
「彼は日本に行ってから、いくつか、写真の賞をとったこともありました。ときどき電話があり、日本での暮らしについて語ってくれました。結婚をしたという話もしてくれました」

2008年、日本人の女性と結婚し、福生市内のアパートで暮らしはじめたルカさん。ところが10年ほど経った2018年、心療内科を受診することになる。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ルカさんがネットに載せた診断書には、「妄想性パーソナリティ障害の疑い」と書かれていた。診察した医師はイタリア語に堪能で、イタリア大使館に頼まれ彼を診たという。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

医師
「こぎれいで立派な紳士。(話してみると)執着、ある一つのことになると、とうとうと持論を述べられる。その根拠が間違っているので、妄想とかに基づいて、猜疑などがひどくなっている状態。英語とイタリア語だけで日本で十数年暮らす中で、コミュニケーションの問題とか、そういうところの 色々な矛盾が積み重なり、日本で生活が成り立たない状態だったんじゃないか」

TBS NEWS DIG Powered by JNN

医師が6時間にわたって話を聞くと、ルカさんは「イタリアに身寄りもなく帰れない」と話した。また「自分は亡命してきた」と口にするなど、様々な妄想があることが分かった。

医師は治療を勧めたが、ルカさんが再び訪れることはなかった。近所の人によると、この頃から、妻の姿もアパートから見えなくなったという。そして、2020年頃、ルカさんは在留資格を失ったという。

「家を失う人が本当に増えた」外国人ホームレス“急増”の背景

そして、ルカさんは一時的に収容を解かれる「仮放免」という措置の対象になった。

コロナ禍以降、収容施設での密を防ぐため、この「仮放免」制度が積極的に運用されるようになっていた。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

コロナ前に2500人ほどだった仮放免者の数は、2021年度末時点で4174人にのぼった。しかし、たとえ「仮放免」となり外に出ても、自由とは程遠い暮らしが待っている。

日本からの退去を求められているという立場は変わらないため、働くことは一切禁止。その上、生活保護を受けることもできない。

ルカさんは、ホームレスになった。古くからの知人には、そのことを明かさなかったという。

カッペラーニさん
「最後に話したのは、去年の7月4日。私の誕生日に、彼から電話がかかってきました。特に問題を抱えているとも言わず、『誕生日おめでとう』という短い会話だけ。ホームレスだったことは一切知らなかったので、とてもつらく思っています」

実は今、ホームレスになる外国人が急増しているという。

生活困窮者を支援している大澤優真さん。仕事をすることが許されない「仮放免」の人が急激に増え、支援する側にも限界が来ているという。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

つくろい東京ファンド 大澤さん
「家を失う人が本当に増えたんですよね。本国の親族から送金してもらったり、(外国籍の)コミュニティの中で支え合って、なんとかやってきた。でもコロナになってから、それができなくなった。外国籍の人(コミュニティ)自身も困窮化して、支えきれなくなったり」

「生きられない」仮放免の実態 支援する側にも限界が・・・

大澤さんはコロナ禍以降、仮放免者ら100世帯ほどに住居の提供や食料支援をしてきたが、追い付かないという。

大澤さん
「私も帰国支援をしています、帰りたい人には。ただ、帰れない人がいる。難民だったり、日本生まれ日本育ちのお子さんだったり。そういう現実を直視して、できることを考えないといけない」

TBS NEWS DIG Powered by JNN

チリ出身のクラウディオ・ペニャさん(62)。3年前から仮放免の状態だ。

国際的な料理コンテストで優勝経験を持つ一流の料理人で、27年前、技能ビザで来日し、チリ料理のレストランなどで働いてきた。

ペニャさん
「その時、お店はすごく混んでいた。『クラウディオ〇〇作って!〇〇作って!』と。楽しかった、楽しかった。本当に楽しかった」

すべてが一変したのは、2011年。東日本大震災をきっかけに、保証人が突然、日本を出て、行方をくらましてしまう。

震災後の混乱の中、ペニャさんは新しい保証人を見つけることができず、在留資格を失い入管施設に収容された。

これはペニャさんが収容中に書いた絵だ。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

左は「日本に来たばかりの自分」。料理人として自信に満ち溢れていた頃だ。そして右は施設に収容され、痩せ細った自分の姿…

ペニャさん
「これは入管の中の僕のイメージ。心痛い…」

10人部屋に割り当てられ、トイレすら職員に監視される環境に、自尊心は打ち砕かれた。終わりの見えない収容生活に耐えかね、自殺を図る収容者も見てきた。

計4年半にわたる長期収容で心をむしばまれたというペニャさんだが、2020年5月、ようやく「仮放免」になった。しかし、施設の外に出ても、働くことが禁止されているため、住む場所も、食べるものも、寄付に頼らざるを得ない。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ペニャさん
「家賃や携帯代などはボランティアさんや教会が支援してくれる。それが恥ずかしい。僕はプロのコックさんで仕事ができる。自分のお金を作りたい。僕は自分で何もできない。モノみたい。人じゃない。人間じゃない」

それでもペニャさんには、チリに帰れない事情がある。1973年、チリで軍事クーデターが勃発。ペニャさんの父親は軍部の左派狩りに協力させられた。その後、軍事政権が崩壊。父親は、軍の虐殺行為を証言した。すると軍に近い勢力から「裏切者」とされた。

ペニャさん自身もかつてテログループに捕まり、拷問を受けた。

ペニャさん
「帰れない、危ない。本当危ない」

一家は、今も命を狙われているという。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ペニャさんは難民申請をしているが、日本で認定されるのは申請者のたった0.7%。難民認定率が60%を超えるイギリスやカナダと比べると極端に低く、G7の中でも最下位だ。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ペニャさん
「パニックになって、すごく泣いたり、寝られなかったり、食べられなかったり、自殺したいと思ったり…。今まで12年間仕事ができませんでした。仕事したい、料理が作りたい…」

TBS NEWS DIG Powered by JNN

仮放免者に対する日本政府の対応に、国連は去年11月、懸念を表明。彼らが収入を得られるよう、制度を改善すべきと勧告した。

「私はここで死ぬ」イタリア人男性 “最後の言葉”

仮放免となったイタリア人のルカさん。多摩川の河川敷でのホームレス生活を支えていた人物がいた。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

東京・昭島市でホームレス支援を行う、マーセル・ジョンテ牧師。

ルカさんが最初に来たのは2021年11月。毎週欠かさずマーセル牧師のもとを訪れていた。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

マーセル牧師はルカさんにシャワーや食事を提供し、交流を深めていったという。

マーセル牧師
「ルカさんは、人を助けることが好きで、プロジェクターのスクリーンなどを直してくれた。すごい天才、本当に。役に立つことが好きだった」

よく冗談を言って周囲を笑わせ、施設に来るときは明るい表情を見せていたが、精神的に不安定な一面もあったという。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

マーセル牧師
「たまに、すごく良くない状態。鬱っぽいような (Q.なぜ鬱っぽくなっていた?)やっぱり、彼のビザの状況。橋の下に住んでいたことが、すごく嫌だった。一番言っていたことは『元の人生に戻りたい』と」

そんな生活が一年ほど続いた、去年秋のある日のこと…

近所に勤める人
「入管の人だと思うんだけど、5〜6人くらい来たかな。連れてかれちゃって。荷物も一緒に持って行った」

TBS NEWS DIG Powered by JNN

関係者によると、ルカさんが住処にしていた橋の工事が進み、ルカさんの存在が、入管に報告されたのではないかという。そうしてルカさんは、去年10月25日、東京入管に収容された。マーセル牧師は面会に行った。すると、今も忘れられない言葉を口にしたという。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

マーセル牧師
「彼は、『私はここで死ぬ』と言った。(Q.なぜそんなことを言ったと?) 絶望。希望がなかった。私は彼に『諦めるな』と言った。『もうちょっと』と…」

それが、ルカさんと交わした最後の言葉だった。2週間後の去年11月18日の朝、ルカさんは、収容施設で自ら命を絶った。

マーセル牧師
「すごくショック。信じられなかった。まさか、まさか…。今もショックが残っています」

入管によると、収容時、本人から精神科受診の申し出はなく、必要性もみられなかったため精神科の診療はしていなかったという。

5年前に彼を診察した医師は…

TBS NEWS DIG Powered by JNN

医師
「入管のドクターが『どこまで医療の介入が必要か』をもっと細かく詳しく見て頂いていれば良かったんじゃないか。あるいは精神科なり心療内科なりの専門家がそこに入って、リエゾンって言うんですけど、色んな科と連携して診ていく…。この方のことを考えると涙が出てくる。孤独だとか、絶望だとか…」

「仮放免のシステムは変わるべき」 寛容な社会目指して

TBS NEWS DIG Powered by JNN

イタリアのテレビ局の特派員、ピオ・デミリアさん。ルカさんがホームレスをしていることをSNSで知り、たびたび河川敷を訪ねた。ルカさんのことを、イタリア大使館に相談したこともあるという。しかし…

ピオ・デミリア記者
「(彼の)望みは日本にずっといて、永住許可をもらって、ずっと仕事をしたかったんですよ」

「結局、彼はイタリアに戻りたくなかったんですよ。こういう場合、イタリア大使館は、残念ながら何もできないんです。自分の権利だから。本人と、住んでいる国(日本)との関係になる。それで問題がでてきた」

TBS NEWS DIG Powered by JNN

ルカさんは、イタリアに身寄りはなく、「帰る場所はない」と話していたという。

ピオ記者
「日本という国は、ホームレスや不法滞在の外国人に対しては、残酷だと思います。収容から解かれても、仕事ができない。それは矛盾しています。仕事ができないと、どうするか、犯罪しかおこさないでしょ。(仮放免の)システムは変わるべきです」
「頭のいい人でしたよ。ITエンジニアやデザイナーをしていて。そんな人が、こんなふうに亡くなるのは、納得できないです」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国の渡航緩和策で富裕層のシンガポール移住が急増、その理由とは?

2023年03月07日 07時39分14秒 | アジア経済

台湾メディアの中時新聞網はこのほど、中国政府が新型コロナウイルス感染症対策として実施していた海外渡航の厳しい制限を撤廃したことで、中国の富裕層の海外移住が急増しているとして、移住先やその理由を紹介する記事を発表した。人気の移住先の一つはシンガポールという。

 

記事によると、中国人富裕層が特に多く移住しているのはシンガポールという。南アメリカに拠点を置き世界のトップクラス富裕層とその消費パターンを研究するニュー・ワールド・ウェルスによると、2022年には約1万800人の中国人富裕層が中国を離れ、多くの部分がシンガポールに殺到した。シンガポールでは高級住宅価格の高騰や高級自動車の販売増、ゴルフクラブの外国人会員の会費の大幅上昇が発生したという。

 

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国政府が自由な出入国を再開したことで、中国人富裕層が家族ぐるみで海外に移転する現象が発生した。シンガポール政府は新規居住者の国籍データを公表していないが、富裕層移民についてのコンサルタントは、シンガポール定住を求める人の中で中国人は大きな割合を占めており、その割合は上昇しつつあると説明したという。

 

シンガポールの不動産調査会社であるオレンジティー・アンド・タイによると、22年にはシンガポールの住宅価格が8.6%上昇した。同社が22年10月に発表したリポートは、外国人がシンガポールのマンションを購入した事例では、中国人によるものが最も多いと指摘した。

 

セントーサゴルフクラブの外国人会員の年間会費は、新型コロナ感染症発生前は約25万シンガポールドル(約2500万円。23年3月5日現在の為替レートによる。日本円換算は以下同じ)だったが、現在までに84万シンガポールドル(約8500万円)にはね上がった。シンガポール政府の統計よると、高級車の登録台数も大幅に増加した。

 

ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国人富裕層がシンガポール移住に魅力を感じる理由として、アジアの金融センターであること、税率が比較的低いこと、中国や香港に比較的近いこと、中国語と英語が普及していること、質の高い教育が存在すること、資産管理業務に力を入れる金融業者が存在することを挙げた。

 

コンサルタント会社のヘンリー・アンド・パートナーズによると、中国が感染症対策を緩和した後の1月初旬には、シンガポールへの移民についての問い合わせが急増した。同社プライベート顧客部のドミニク・ボレク主任は、シンガポールだけでなくポルトガルやギリシャも中国人富裕層の人気が高い移住先と説明した。

 

AFP通信によると、シンガポールでは、中国人富裕層の派手な「カネづかい」に人々が驚いているという。ある移民コンサルティング会社の社長は顧客にパーティーに招待されたところ、中国人が会場で日本の「山崎55年ウイスキー」を開封したという。記事は、中国人が開封した「山崎55年ウイスキー」は、1本の価格が80万ドル(約1億円)前後と紹介した。(翻訳・編集/如月隼人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「日本人消滅」のカウントダウンがいよいよ始まった…出生数激減で明らかになった「絶望的現実」

2023年03月05日 10時02分36秒 | 日本の衰退

.河合 雅司 によるストーリー

出生数激減を前提とした社会構想を

2022年の出生数の速報値(外国人を含む)が79万9728人と初めて80万人を下回ったことを受けて、日本中が大騒動状態である。いずれこうなることは分かっていたのに、突如として問題が降りかかってきたかのような慌てぶりだ。

 

子どもを出産し得る年齢の女性人口が激減していくという「少母化」が、日本の出生数を激減させる最大の要因である以上、「異次元の少子化対策」をいくら講じようと出生数減の流れを反転させることは極めて困難だ。

国立社会保障・人口減少研究所は2115年までの将来人口推計を行っているが、出生数は一貫して減り続けると予測している。

政府はいまだ子育て支援策に熱心だが、周回遅れも甚だしいということだ。いまの日本は出生数の減少が進むことを前提とし、社会経済活動をどう維持・機能させていくか考えなければならないところまで追いつめられているのである。

「出生数の減少を前提とした対策」を講じるには、人数が減ることで子どもたちの身の回りにどのような影響が及ぶのかといった視点も欠かせない。さらには、永続的に若い労働力が減り続けていくことで起きることを踏まえた議論も不可欠である。

だが、国会論戦を聞くと子育て中の当事者たる「大人」への支援策ばかりが目立つ。子どもの数が減ることに伴って将来的に社会に何が起き、それにどう備え解決していくのかといった議論はほとんど聞こえてこない。

 

学校の統廃合がもたらす子どもへの影響

出生数が減っていけば、子どもが学ぶ場での変化は大きくなる。

すでに人口減少が進む自治体を中心に小中学校の統合が進んでいる。文部科学省の調査(2021年度)によれば、統合によって通学時間が60分超、通学距離が20キロ以上となった小学生は少なくない。小さな子どもにとって心理的負担が大きいだろう。

スクールバスや借り上げタクシーの導入も進んでいるが、親がマイカーで送迎せざるを得ないケースも珍しくはない。ここまで通学距離が長くなると、放課後のクラブ活動への参加も制約される。小学校の在り方を根本から見直す時期に来ているということだ。

地方の高校においては、一学年あたりの生徒数が20人前後という超小規模校が珍しくなくなってきている。こうした規模の高校では入学試験での学力選考が難しくなっている。「地域に高校が1つしかなく、よほどのことがなければ不合格にしづらい」(小規模校の校長)というのだ。

学校とは学力を身につける場だけでなく、知らない人とのコミュニケーションの取り方など社会に出る前の“練習の場”としての役割も担っている。生徒数が少なくクラス替えも出来ないと、こうした能力もはぐくむことに支障が出かねない。

多くの人数でプレーするスポーツの種目が制約されたり、クラブ活動においても複数校によるチーム編成を余儀なくされ練習時間が思うように取れなかったりするケースも相次いでいる。

超小規模でなくとも一学年あたりの人数が少なくなれば、生徒同士が切磋琢磨しながら成長していく力はその分だけ弱まる。もちろん、どんな時代にあっても「天才」と呼ばれるような才能豊かな人材は誕生するが、一学年の絶対数が減れば才能豊かな人材の絶対数もそれに比例して少なくなるだろう。それは日本全体の人材不足へとつながっていく。

 

日本発のイノベーションが起こりづらくなる

出生数の減少が社会に及ぼす影響は学校教育にとどまらない。最大の弊害は若者が減ることで社会が硬直化することである。

出生数の減少は人材の裾野が狭くなるということだ。各分野とも年々、新卒者の採用が難しくなる。それは自衛隊や警察といった「若い力」を必要とする職種も例外ではない。このままでは日本が誇ってきた「安全な国」神話は過去のものとなるだろう。

ただでさえ急減する若者が、社会人となってそれぞれの道に進むと、配属先の組織ではさらに小人数となる。一方で必要な人数の新卒者が採用できない職場ほどベテラン従業員の雇用延長が進みがちだ。

こうした組織では世代交代はスムーズに進まず、若者の占める割合も小さくなるので新風も吹き込みづらくなる。こうしてマンネリズムが支配する職場が多くなれば日本社会全体が「勢い」を失ってしまう。

そうなればイノベーションも起こりづらくなり、画期的な新製品の開発や消費マーケットにブームを起こす力も無くなっていく。これらは出生数の激減がもたらす弊害の一端に過ぎない。

 

日本人が消滅していく過程に入ってしまった

こうした未来図が容易に予想されるのに、「異次元の少子化対策」を講じれば出生数減少の流れを変えられるかのように語る政治家たちの姿勢はもはや無責任であろう。

今後も「やってる感」だけの子育て支援策の充実に終始するならば、日本は沈む一方である。

そうではく、これからの政治家には、人口減少に歯止めはかけられず、しかも年齢が若いほどその減り方は激しいという「不都合な現実」をしっかり受け止め、それでも日本が豊かな国であり続けられるよう考え、実行に移すことが求められる。

わずかながらも日本経済に余力が残っているうちに人口減少時代にあった社会の在り方や経済成長を続ける方策を見出せないならば、日本の建て直しは絶望的に厳しくなる。日本人が消滅していく過程に入ってしまったという国難なのである。

国民の英知を結集することなしには乗り切れない。真の政治リーダーの登場が待たれる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本の子どもの自殺が過去最悪に、中国ネット「中国は?」「日本は少なくとも…」

2023年03月05日 09時55分47秒 | 日本の衰退

日本の子どもの自殺が昨年、過去最悪を記録したとの報道をめぐり、中国のネット上でも議論が行われている。

 

中国メディアの三聯生活週刊は2日、読売新聞の報道を引用。それによると、厚生労働省などの統計で、2022年の小中高校の児童・生徒の自殺者が512人に上り、20年(499人)を超えて過去最多だったことが分かった。

 

内訳は小学生が17人、中学生が143人、高校生が352人。高校生は男子が207人(前年比38人増)を占めた。月別では6月、9月、3月の順に多かった。厚生労働省は若者の自殺の理由について「学業不振」「進路に関する悩み」「入試に関する悩み」の順に多かったとしている。

 

この報道に、中国のネットユーザーからは「まず自分たちを見てから他人のことを言おうじゃないか」「中国のデータも公開してほしい」「中国の若者の自殺率は世界1位だろうな」「このデータはごまかしていないはず。日本のメディアは社会的な責任感がある」「日本は少なくともこうした層に関心を向けているが、国内はどうか」といったコメントが寄せられた。

 

また、2019年のWHO(世界保健機関)のデータを基に「日本の10万人当たりの自殺者は約15人、中国は約8人だ」とのコメントもあったが、「中国で正確な統計が取られていると思うのか?農村で毎年報告されていない自殺がどれほどあるか」といった返信も付いている。(翻訳・編集/北田

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする