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海保、エラー関係の本のリスト

2006-12-05 | ヒューマンエラー
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海保のエラー関係の本
●ミスに強くなるーー安全のためのミスの心理学 中災防新書 
●「ミス」をきっぱりなくす本  成美堂文庫 
●集中力を高めるトレーニング  あさ出版 
●学習力トレーニング  岩波ジュニア新書  
●失敗を「まあ、いいか」にする心の訓練 小学館文庫
●人はなぜ誤るのか 福村出版

説明の心理学の構図

2006-12-05 | 認知心理学
●「説明の心理学」の構図
 「説明の心理学」という本を書こうと試みたことが何度かあるが、未だ果たせない。資料だけはあちこちに山積みになっている。もちろん筆者の能力の問題もあるが、説明という問題の射程の広さや奥深さにも、一因がある。
 その本で書きたいことは、実は、かなりはっきりしている。次のようなことである。
 ・人は何のために説明するのか
 ・説明はどのような認知過程なのか
 ・説明にはどんなもの(タイプ)があるのか
 ・科学的な説明と日常的な説明との違いは
 ・どうすれば相手が納得でできる説明ができるのか
 科学は説明と予測をめざす。心理学も例外ではない。しかし、心理学にはもう一つやっかいな問題、説明することがまぎれもなく心の働きの一つであり、それが心理学の研究対象でもあるという入れ子問題がある。だからこその説明の心理学である。
未完**     
 06・5/1海保博之


「以下は、本文を書く前のメモです」


ここでは、それらを共通してとらえる枠組みとしてHempel(1969)のカバー法則を紹介しておく。
 被説明項(E);なぜ、太郎は泣いているのか
 Eに関連する出来事か状態(E1,E2,---Em)
   E1;怒った母親がそばにいる
   E2;窓ガラスが割れている
カバー法則(L1,L2,---Ln)
  L1;人は叱られると泣く
  L2;人は悪いことをすると叱られる
この図式で、心理学的な説明の典型的なケースをさらに例示もまじえて説明すると次のようになる。
?演繹的説明 L1とL2の法則と、E1とE2の状態から判断して、太郎が泣いているのは、窓ガラスを割った太郎を母親が叱ったから
?????
・ ?????





説明内容も問われる
 説明にもいろいろある。
質問期の幼児になら、質問にただ答えるだけである程度満足してもらえるが、大人の説明ではそうはいかない。
論理的説明
因果的説明
たとえや例による説明
● 科学的説明の構造
ヘンペル


科学的な説明
インフォームドコンセント
いずれも情報の一方向的ながれを想定している
 



1.1 情報の一方向的な流れとしての説明
 説明には、一方が説明して、他方がそれを受け取るという構図が定着している。説明責任にしてもインフォームド・コンセトにしても、情報を握っている側からの情報の一方的な流れが想定されている。
 この構図は、日本社会においては、かなり頑健で、
教育の世界、政治の世界、企業の世界、医療の世界などなど至る所でみることができる。

●情報民主主義への変貌
 情報が相互に流れ、影響しあう社会を情報民主主義と呼ぶなら、今の日本がまさに、その真っ只中にいると言える。ただし、それは、ごく限定的なITの世界においてである。
メール、ブログやホームページでは、すでに完璧な情報民主義が実現されているといってよい。
誰もが情報発信源になれるし、誰もが、情報発信源に対して遠慮なく意見が言える。そして、お互いに影響しあう。そこでは、説明は相互の情報のやり取りの中に埋め込まれるひとつのプロセスになる。
ここにきて、IT技術の革新が、こうしたいわばネットワーク的な説明の構図を提供することになったのは、注目されるべきことであろう。
  問題は、一方向的な説明の構図を頑強に維持しようとする旧態依然とした組織である。しかし、それにも変化の兆しがみえ始めている。
 たとえば、官庁のパブリックコメントの受付、企業のクレーム処理体制の整備にみられるように、とりあえずフィードバック情報の積極的な取り込み、さらには、********相互説明による創発的な説明
 今後の展開を注目しておきたい。

第2 わかりやすさ志向
● わかりにくいものはだめ
かつての大学の講義では、わかりやすさは、ほとんど教師も学生も問題にしていなかった。教師にとっても学生にとっても、わからないのは学生の勉強不足、知識不足との認識で一致していた。さらに言うなら、わかりやすい講義とは、学生にとって軽蔑の対象でさえあった。ことほどさように、わかりやすさは、説明にとってそれほど重要な問題ではなかった。
しかし、これが、40%台でしばらく動かなかった進学率が昭和60年あたりから急激に上昇し、大学生の受け入れ人数の増加という事情から、大学でも、講義のわかりやすさが学生から厳しく問われるようになってきた。学生による評価でも、「わかりやすかったか」は最重要項目のひとつになっている。

● マニュアル問題の発生
 ワープロが急速に普及し始めた1985年年頃、マニュアル問題が発生した。高度なハイテク機器、ワープロが誰でもが使えるような使用環境になってきた時、当然のこととして、その高度技術にまったくの知識のない人々がユーザとして参入してきた。そこで起こったのが、マニュアル問題であった。
マニュアル問題とは、高度技術を組み込んだ民生品の普及に伴い、マニュアルベースの操作説明がその役割を十分に果たせない、という問題である。
マニュアル問題の構造的な背景として、従来のエネルギー変換型の機械とは、いろいろの点でまったく異なったシンボル変化マシーンが出現したということがある。ワープロを使うのは、はさみを使うのと根本的に違うのである。
 そこで、少なくとも、操作に関しては、マニュアルによってユーザを支援することになったのだが、技術に詳しい技術者が作ったマニュアルでは、とてもわかりにくくて支援にはならなかったのである。

● わかりやすさが決定的な問題となってくる
 一方は大学での講義、もう一方は機械のマニュアル。両者はまったくかけ離れた領域の出来事であるが、両者に共通しているのは、情報ギャップである。
説明する側には膨大かつ高度な情報があり、説明される側にはそれを受け止めるベースとなる知識が貧弱という構図である。
当然、そこには、説明の受け手の側にとって、説明のわかりにくさという問題が発生してくる。
この構図は、ずっと以前から医学の世界、法律の世界などでは発生していたはずであるが、その問題を適切に認識すらしていなかった。

ネットワーク的説明の事例として、最近注目されている物語医療を例にとってみよう。
患者の世界に入って、医療関係者や家族、知人がネットワークを作り、ひとつの物語を作り出す







医者が医学用語を駆使して患者に病気や治療について、なんの工夫もなく説明したとしたらどうであろうか。


物語医療

素人ユーザが大量に発生し
因果説明
論理的説明
解説的説明

説明の心理学の構図と説明のタイプ

説明の仕方
説明のタイプ
納得できる説明
説明の素人心理学
 どんな説明なら納得できるのか

年賀状

2006-12-05 | 心の体験的日記
年賀状を出さなくなって、もう10年くらいになるか。
あまりの繁忙さに出すのを止めた年があったが、それで味をしめた。
年末年始が猛烈に楽になることを知った。

今年あたりは、別に時間がないわけではないので、
出そうと思えば出せるのだが、今度はおっくうさが先にたってしまう。


というわけで、年賀状がわりにブログとなる。
ご容赦いただきたいし、皆様にも、賀状欠礼をおすすめします。


人生、最後の本の校正が終わる

2006-12-05 | 心の体験的日記
多分、これが最後の本かなーという本の校正2冊があいついで終わった。
頭の中にこれといったテーマは残っていないので、
多分、これが最後の本になる公算が大きい。

それでも、おもしろい企画でも持ち込まれれば、
よしそれなら!と、最後の力をふりしぼってとなるかもしれないが、
その最後の力もおぼつかない。

となると、書くのは
このブログのみになる。
ちょっとさびしいかなー。