長期記憶(long-term memory>
私達は生活していく中で、見たり聞いたりとあらゆる瞬間に様々な経験をし、その経験を覚えているということは、とても重要です。もし覚えることができなかったら、自分が何者なのかも分からなくなる、ということになってしまいます。つまり「記憶すること」は、私達の生活に欠かせません。
心理学の世界では、記憶を長期記憶と短期記憶と呼ばれる二種類に分け、区別して考えます。長期記憶とは、数時間から数年、数十年に渡って保持される記憶のことをいいます。
例えば、今日初めて会うAさんを知り合いから紹介されて、次の日Aさんに会った時に、「Aさんだ」と思い出す時に使う記憶は、長期記憶です。また、紹介されてすぐに、その場に来た別の友達にAさんの名前を教えるような時に使う記憶は、短期記憶です。
一般の人が「記憶」と言う時には、たいてい長期記憶だけをイメージしていると思います。しかし、人の記憶の機能はとても複雑で、長期記憶と短期記憶の二種類があるだけでなく、長期記憶をいくつかの種類に分けて考える必要もあり、その分類が記憶についての正確な理解をするうえで大切なことになってきます。(AN)
****
長期記憶とは、一言でいうと文字通り、長く覚えている記憶のことです。「記憶」という言葉は、普段は「英単語を記憶する」などのように使われます。心理学の世界での「記憶」は、普段使われているよりもっと広い意味で使われ、いろいろな種類がありますが、大きく分けると長期記憶と短期記憶の2つになります。短期記憶は、ほんの一瞬から長くて1分くらいは覚えているけれど、それ以上たつと忘れてしまうという記憶です。長期記憶は1分以上から何十年と覚えているもので、理屈の上では永遠に忘れないといわれています。
例えば、最近やった数学の問題を思い出してみてください。新しい公式はノートなどを見直さないとわからなくても、かけ算のやり方など小学校のときから何度も使っているものは、ほとんどの人が何も見ずにできると思います。このとき、新しい公式は短期記憶、かけ算のやり方は長期記憶だということができます。くり返し使うことで忘れなくなる、というのも記憶の特徴のひとつで、新しい公式も何度も使っていけば覚えられることになります。また、かけ算のように、意識的に思い出さないけれど日常的に使用しているというものは、長期記憶の中でも特に潜在記憶と呼ばれます。
こうして例をみると当たり前のことのように思えますが、当たり前に思えることもしっかりとしたデータに基づいて確かめる、というのが心理学の基本的な姿勢です。(BT)