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いいかげん「時にはいいかげんもいい」
●「いいかげん」は、「好い加減」と書く
すぼらなことを目にすると、「いいかげんだなー」とはよく口にします。あらためて広辞苑をひいてみました。「好い加減」と書くことを知り、びっくりしました。漢字表記効果ですね。
まさに、これが、このキーワードを取り上げた理由だったからです。
ついでに、その広辞苑から、「いいかげん」の意味を摘記してみると、次のようになります。
①よい程あい、適当、ほどほど
②条理を尽くさないこと。徹底しないこと。
言葉遊びになりますが、「いいかげん」は、「きっちり」と「ずぼら」の間にあるように思います。
「きっちり」のほうは、何事も完璧でないと我慢がならない。「ずぼら」のほうは、何事も最後までやれずにほったらかし。「いいかげん」は、そのどちらでもなく、何事もちょうどよいところに収める。だから、「好い加減」(オフィスのワープロ変換では、ヨイカゲンと入力する)
こんなイメージで、「いいかげん」を考えると、これは、心の元気づけにはなかなか良い言葉ということになります。
なぜなら、きっちり屋さんは、どうしても完全主義者を志向しますので、達成基準が厳しくなります。結果として、不全感に悩まされがちになります。心の元気にはほど遠い状態、ひどくなるとうつ状態にさえなってしまいます。
また、ずぼら屋さんは、そのとらえどころのない振る舞いで、周りに迷惑をかけ、結果として、孤立してしまいがちになります。
いいかげん屋さんは、まさに「ほどよく調節する」(広辞苑)ことで、心元気に過ごすことができます。
●日本人は、きっちり志向
製品一つにしても、あるいは、公共交通にしても、あるいは治安にしても、統計を持ち出して国際比較するまでもなく、日本の安全、安心のレベルはかなり高いものがあります。
(近年、だいぶ、危うくはなってきていますが。)
それを支えているのが、個人でも組織でも、「きっちり志向」だと思います。
したがって、学校教育も、正解志向になります。ずぼら人間はもとより、いいかげん人間も学校では居場所がない感じです。
しかし、心の元気という点からすると、これは、あまり好ましいことではありません。自殺者3万人越えが13年間も続づいてしまうのも、そんなところに原因の一端があるのかも、と思いたくなるほどです。
●きっちり人間が「いいかげん」で心を元気にするコツ
① あえて、ずぼらをしてみる
いつもきっちりは心を疲弊させます。きっちりしてないと我慢がなりません。それがストレスになってしまいます。
おまけに、あなたの周りの人々まで巻き込んで、場をぴりぴりしたものにしてしまいます。
きっちりは、性格的なところがありますので、よほど意識して言動を変えないとうまくいきません。
そこで、一つのおすすめは、会社(仕事)ではきっちり、しかし、一歩会社を出たら、ずぼらを決め込むのはどうしょうか。
アフター5。きっちりと仕切りたいところをぐっとがまんして、場に合わせるようにするのです。趣味のゴルフ。仲間のずぼらさに合わせてみるのです。
② 休息する
どうしても、きっちり屋さんは心理的な疲労がたまります。普通の人以上に休息が必要です。そのことをきっちりと自覚して、普通の人以上にきっちりと休息することを心がけることです。時間決め、曜日決めできっちりと休むように習慣づけてしまえばよいのです。
③ 時には森をみるようにする
きっちり屋さんは、えてして木ばかりをみてしまいがちです。木の育ち具合だけを気にかけがちです。それを1本1本やっていては、いくら時間があってもたまりません。
時には、森(全体)を眺めることで、細部への過度のこだわりから逃れることができます。それによって、心にもゆとりが出てきます。
④ 周りに丸投げする
きっちり人間は、公私すべてを自分で抱えこみがちです。結果として、自分の力量を超えてしまうことになります。
そうならないように、部分的にでも、周りに代わってくれそうな人がいれば、どんどんその部分を丸投げすることです。
「そんな無責任なことはできない」とたぶん、きっちり人間は、言うかもしれません。
しかし、あなたがこの厳しい社会環境の中で元気に生き残っていくためには、こういうことができるようになることが必須なのです。それは、副産物として、あなたの周りにどんどんあなたを助けてくれる人のリンクを作ることにもなります。