ポジティブ感情――「気持ちを元気するキーワード
「一日一回、ポジティブ感情を味わう」
● ポジティブ感情ってどんなもの
感情の世界は実に多彩です。それを整理する試みがいくつかなされてきました。わかりやすいのは、図に示すような、「興奮vs沈静」と「快vs不快」の軸を設定して分類するものです。
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ポジティブ感情は、この分類でいうと、「元気ゾーン」になります。広くとれば、「リラックスゾーン」も含めてもよいと思います。「いきいきした、上機嫌の、幸せな」、さらに「満ち足りた、ゆったり、落ち着いた」といった言葉で表現できる感情になります。
こんな感情状態でいられる時って、どれくらいあるのでしょうか。
ほとんどの時間が、ほんのちょっと感情のさざ波がたつくらいの状態。そして、何か「良い事」「うれしい事」が起こるとポジティブ感情を実感する状態になるのだと思います。
「良い事」「うれしい事」はさまざま、しかも、表面的には同じ事でも受け止め方で感情が異なる場合もあります。
いずれにしても、ポジティブ感情をもたらす「良い事」「うれしい事」のベースには、人の生存を強化する、やや大げさな言い方をするなら、それを受け入れることで自分がより良く生きることができるというところがあります。
● ポジティブ感情を設計するコツ
① メリハリをつける
人は、図の真ん中のような感情的に穏やかな状態に入り浸ったままというのは、あまり好きではないようです。そこから出たいという欲求があるようです。
ドラマをみて感動したくなります。
趣味活動に没頭して満ち足りた気持ちになりたくなります。
それでも、仕事の場となると、あえて「平静ゾーン」に感情を抑えて、たんたんと仕事をこなすことになります。平々凡々の毎日。それが長く続くと、そのメリ(減り)状態にハリ(張り)を、みずからがつけたくなるようです。
たんたんとした仕事でも、たとえば、午前中にどこまで、という目標を立てて、達成できたらうれしいですね。それがハリになります。
結果として、仕事に私情が入ってきます。私情がハリになって、「元気ゾーン」を味わえることになります。
余談になりますが、最近の皆さんの職場、あまりに私情が排除され過ぎているように思うのですが、いかがでしょうか。「公に私を持ち込むな」は正論ではありますが、何かと厳しい職場環境にさらされている今こそ、職場での公と私の関係を、せめて仕事をする心の領域に限定してでも再点検してほしいものです。
②領域分けをする
一日の生活は、いくつかの領域に分かれています。家庭、仕事、遊び・趣味、勉強といった領域、それぞれが、さらに細かく分かれています。
領域分けとは、一日単位でも1週間単位でも、どこかの領域で、ポジティブ感情を実感できるところを用意しておくことです。
今日は仕事領域では、ネガティブ感情状態だったが、趣味活動でポジティブ感情を味わえた、というような生活設計をすることです。いわば、生活領域によってメリハリをつけることになります。これが、情感豊かな、したがってポジティブ感情に満ちた生活をもたらすことにつながります。