愛「それはポジティブ感情が湧き出る天使の泉」
● 「愛と憎しみーーその心理と病理」
愛について書かねば、という気持ちはどこかにありましたが、あまり深く大きいキーワードなので、躊躇してきました。
ところが、これがセレンディピティ(偶然の発見)というものでしょうか。ふとみた本棚に小見出しにあるような本が目に飛び込んできました。こういう経験、結構あります。
故宮城音弥先生の岩波新書(1963)です。(値段はなんと130円!)早速、ぱらぱらめくり読書。
病理法、つまり心の病理の世界に証拠求める研究法ですので、どうしても、愛の異常や憎しみのほうが強調されていますが、幅広く愛の諸問題を扱っていてとてもおもしろかった思い出があります。
気持ちの元気づくりという観点に絞ってなら、愛を考えてみることもできるだろうということで挑戦してみます。
研究者の悪いくせで、何事も定義から、との思いはありますが、こと、愛に関しては、やめておいたほうが無難そうです。それでも、気になるので、Wikipediaをチェックしてみました。そこで見つけたのが、次の1節。爆笑でした。
「一般に、愛は非常に多義的で複雑な概念であり、普遍的な定義ができない、そのような試みは不毛である、とさえ言われてきた。」(私が書き込んだものではありません。念のため)
● 愛は、ポジティブ感情の源泉
たとえば、あなたに大好きな人が出来たときのことを思い出してみてください。
そんな時って、世の中がばら色に輝いていませんでしたか。見るもの、聞くことすべてが愛に満ち満ちていませんでした。
愛には、感情全般へのそうした強い波及効果があります。愛は、ポジティブ感情の源泉なのです。愛なくしてポジティブ感情はありえないとさえ言えます
まず、何を愛するかです。
乳幼児期の親子関係あたりに愛の淵源を求めるのが心理学では一般的ですが、
今さらそんなことを言われても困りますね。
それはそれとして、今、愛に満ち満ちた気持ちにさせてくれるものがほしいと願うのが当たり前です。つまり、愛の対象探しですね。
となると、ただちに頭に浮かぶのが、異性ですね。
異性愛は、愛のなかの親玉です。愛する異性を持つ人は元気です。
でも、愛は異性愛だけに限りません。
わが子への愛、親への愛、友人への愛もあります。もっと大きくは、人類愛もあります。
こうした人への愛以外にも、日本を愛する、地球を愛するなどなどもあります。さらに、心理学を愛する、ピカソを愛する、神を愛する、なんてのもあります。
あなたの愛の対象は、今、何でしょうか。
愛する対象は、ありとあらゆる、「ひと、もの、こと(情報)」におよびます。多彩です。可能性としては無限かもしれません。
なぜ、それがあなたの愛の対象になったのでしょうか。
それは、その対象と接触したときに、まず、宗教心に近い真善美の感覚、あるいは崇高な感覚が湧くこと、そして、それに「強い」快感情が伴なったからです。
●愛で心を元気にするコツ
① 真善美を求める
まさか、婚活のすすめ、というわけにはいきませんが、心を開いて、真善美を感得できる場に出向くことをすすめます。人から、仕事から、旅行から、音楽会からなどなどなんでもいいと思います。家に閉じこもり、自分の心に閉じこもっていては、愛の対象探しは無理です。
②穏やかで持続的な愛を
愛には強弱があります。持続の長短もあります。
愛を気持ちの元気づくりにしようとするなら、穏やかで持続的な愛がふさわしいと思います。
愛の発露には、エネルギーが必要です。
激しい愛なら、一気にエネルギーが費やされて終わりです。たとえば、熱烈恋愛で結婚。3年で破局では困ります。
これでは、気持ちの元気づくりにはなりません。
先ほど真善美、という表現を使いました。穏やか持続的な愛の対象は、これしかありません。これが見つけられれば、あなたの人生、磐石です。